HOME Ken & Mary's Second Life

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Sherlock Holmes
シャーロック・ホームズの冒険
SNHK/BS 2013.10〜2014.10 日本語版アンコール放送 1984年英国グラナダTV製作『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ。
(1)ボヘミアの醜聞 (2)踊る人形 (3)海軍条約事件 (4)美しき自転車乗り (5)まがった男
(6)まだらな紐 (7)青い紅玉 (8)ぶなの木屋敷の怪 (9)ギリシャ語通訳 (10)ノーウッドの建築業者
(11)入院患者 (12)赤髪同盟 (13)最後の事件 (14)空家の怪事件 (15)修道院屋敷
(16)マスグレーブ家の儀式書 (17)第二のしみ (18)もうひとつの顔 (19)プライオリスクール (20)六つのナポレオン
(21)悪魔の足 (22)銀星号事件 (23)ウィステリア荘 (24)ブルースパーティントン設計書 (25)四人の署名
(26)パスカビル家の犬
(27)レディフランシスの失踪 (28)ソア橋のなぞ (29)ボスコム渓谷の惨劇 (30)高名の依頼人
(31)ショスコム荘 (32)這う人 (33)犯人は二人 (34)サセックスの吸血鬼 (35)未婚の貴族
(36)三破風館 (37)瀕死の探偵 (38)金縁の鼻眼鏡 (39)赤い輪 (40)マザランの宝石
(41)ボール箱 主要登場人物    サブタイトル

1/2 第一シリーズ 第一話 ボヘミアの醜聞 第二話 踊る人形 
あらすじ あらすじ

シャーロック・ホームズには、いつでも「あの女性」と呼ぶ人がいる。
結婚して開業医に戻っていた伝記作家のジョン・H・ワトスンは、往診の帰り道、独身時代に私立諮問探偵のシャーロック・ホームズと共同生活を送っていたベーカー街221Bの前を通り掛かる。懐かしさから部屋を訪ねると、再会したホームズはワトスンを観察し、太ったことから結婚生活が似合っているようだと評し、さらに最近ワトスンが風邪を引いたことなどを推理し的中させる。そして上質な紙の手紙を見せ、間もなく依頼人が来ると話す。やがて立派な馬車が乗り付け、顔に仮装用のマスクを付けた男が部屋に通されてきた。 マスクの男はフォン・クラム伯爵と名乗り、ボヘミア王家の問題で代理人としてきたと言うが、ホームズは伯爵の正体がボヘミア国王[2]その人であると見抜く。伯爵はボヘミア王であると認めてマスクを取り、依頼の内容を語り出す。 5年前、皇太子であった王はアイリーン・アドラーと交際していた。アイリーンはコントラルト歌手でオペラのプリマドンナである。王は近くスカンディナヴィアの王女と結婚することが決まったのだが、そこへアイリーンが、二人で撮影した写真を王女へ送りつける、と脅迫してきたのである。写真が送られれば破談は必至であり、王は写真を取り戻すために人を雇う。しかし、家捜しや強盗まで行なわせたにもかかわらず、写真を見つけることはできなかった。写真を送ると予告された婚約発表の日が迫り、自らホームズへ依頼に来たのであった。写真を取り戻す依頼を引き受けたホームズは、馬扱い人に変装して情報を集め、ゴドフリー・ノートンという弁護士の男が毎日アイリーンを訪ねていることを知る。アイリーンの家を見張っていたホームズは、訪ねてきたノートンとアイリーンが馬車で移動するのを追跡し、セント・モニカ教会に辿り着く。教会にはアイリーン、ノートン、牧師の3人がいて、入ってきたホームズに協力を要請する。これはホームズにとっても想定外の出来事で、アイリーンとノートンが結婚する立会人をさせられてしまったのだった。 結婚した二人が新婚旅行などで出かけると取り戻すのは難しくなる。ホームズはすぐに行動を起こすことを決め、ワトスンに助力を頼む。写真が家の中にあると推理し、アイリーン自身にその場所を教えてもらおうというのである。 家へ戻ってきたアイリーンが馬車から降りようとしたとき、周囲で男たちの喧嘩が始まった。喧嘩に巻き込まれそうになったアイリーンを、聖職者に変装したホームズが守ろうとして、負傷する。顔から大量の血を流して倒れたホームズは、アイリーンの家へと運び込まれた。 一部始終を見守っていたワトスンは、ホームズの合図で発炎筒を家の中に放り込み、野次馬たちと声を合わせて火事だと叫ぶ。その声を聞き、立ちこめる煙を見たアイリーンは、とっさに最も大事なもの、写真を取り出そうとしてしまい、ホームズにその隠し場所を知られる。ホームズの負傷は家へ入りこむための芝居であり、喧嘩をはじめた男たちや野次馬は、みなホームズが手配していたのである。隠し場所を知ったホームズは、明日ボヘミア王と一緒に家を訪ねて写真を取り戻すことにして、ワトスンと二人でベーカー街へ戻る。ホームズがドアの前で鍵を開けようとしたとき、通行人の青年からおやすみなさい、と声をかけられる。しかし、青年が誰なのかはホームズにも分からなかった。翌日、ホームズとワトスンは王を伴いアイリーンの家を訪れるが、アイリーンの姿はない。残っていた使用人から、アイリーンはノートンと共に大陸へ旅立ったという伝言を聞かされる。慌てて確認した隠し場所には、手紙とアイリーン1人だけの写真が残されていた。昨日の騒動の後、負傷した聖職者がホームズだと気付いたアイリーンは、男装してベーカー街まで尾行し正体を確認すると、挨拶の声をかけて立ち去ったのであった。手紙には、夫ノートンと相談した結果、ホームズが相手では逃げるしかないと考え、姿を消すと書かれていた。王と撮った写真に関しては、結婚した身であり悪用する意図はもはやなく、お守りとして手元におきたいという。その代わりとして、アイリーン1人だけの写真を、手紙と共に残していったのだった。アイリーンの手紙を読んだ王は、身分さえ吊り合っていたなら立派な王妃になっただろう、と嘆息する。ホームズは写真を取り戻すことができなかったと謝罪するが、王は写真は焼いたも同然に安心で依頼は果たされたと述べ、とりあえずの謝礼として填めていたエメラルドの指輪を渡そうとする。しかしホームズは、王の持ち物にはもっと貴重なものがあり、それが欲しいと言う。その貴重なものとは、アイリーンの写真であった。この事件以降、ホームズが女性の知恵を馬鹿にしたりすることはなくなった。ホームズにとって、アイリーン・アドラーはいつでも「あの女性」なのである。

シャーロック・ホームズのもとに、ノーフォークに住むヒルトン・キュービット氏から謎の絵が送られてくる。いろいろな姿の人形がいくつも並んだ絵で、ワトスンは子供の落書きではないかと言うが、ホームズはもっと重要なものだと考えているようであった。キュービット氏自身がホームズのもとにやってきて、この絵を見て妻がおびえているという。また2週間して、新しい絵が道具小屋に描かれたとキュービット氏から知らせが入る。消したあと、次の日にまた別の絵が描かれており、最初のものと合わせて4種類の絵が材料として揃った。その2日後、また新しい絵が日時計の上に描かれたとキュービット氏から手紙が届き、その写しも付けられていた。ホームズはそれを調べ、事件が急を告げていることに気づく。その晩の汽車はすでになく、翌朝一番の汽車でノーフォークに行くことになった。ノーフォークに着いたホームズとワトスンは、すでに悲劇が起こってしまったことを知る。キュービット氏と妻が撃たれ、キュービット氏は死亡してしまったというのである。警察は夫が妻を撃ち、そのあと自殺を図ったか、その逆だと考えていたが、ホームズは外部の侵入者がいたと断定し、第3の弾丸を窓枠の下に発見する。ホームズは暗号を解読し、ある宛先に手紙を書いた。そこに犯人がいて、これからキュービット邸にやってくるようにしたというのである。



3/4 第三話  海軍条約事件 第四話  美しき自転車乗り  
あらすじ あらすじ

ワトスンの古い学友で、名門の家の出のパーシー・フェルプスから依頼を受ける。現在の彼は外務大臣の伯父ホールドハースト卿のひきで外務省の高官を務めている。10週間前、イギリスとイタリアの間で締結が内定した旨の海軍条約文書を謄本化するように、と伯父から極秘裏に指示された。同僚が退庁するのを待って写本に取り掛かったのだが、ほんの僅かな隙に、発表の日まで内容を機密にしておくべきその原本が盗まれてしまったのだという。フェルプスはショックで錯乱状態に陥り、今までずっと寝込んでいたという。誰がどうやって文書を盗んだのか、そしてその文書は今どこにあるのか、ホームズが調査を始める。文書の内容が公表されれば間違いなく国内外が紛糾する筈だが、未だ何事も起きていない事から、条約は国内に、そして犯人の手元に残っているはずだとホームズは推理する。フェルプスから話を聞いた翌日、再びウォーキングを訪れると、フェルプスの部屋に泥棒が侵入しようとしたという。ホームズはこの話を聞き、策略を巡らす。常に側にいて看病を続けていたフェルプスの婚約者のハリソン嬢に、夜までフェルプスの部屋にいること、部屋を出るときは鍵をかけることを指示し、ホームズたちはフェルプスを連れてロンドンへ戻るという。ロンドン行きの汽車が出発する直前、今度はホームズはウォーキングに残ると言い、ワトスンとフェルプスだけをロンドンにやる。この物語では、取り戻した文書をフェルプスの朝食の蓋の中に隠しておくなど、ホームズの芝居がかった面を見ることができる。ワトスンがホームズに依頼を紹介するという珍しい話でもある。他には「技師の親指」に例がある。また、ワトスンはこの話を最後にホームズに関する執筆をやめるつもりだった事が「最後の事件」冒頭で語られている。

母と共に暮らすバイオレット・スミスは貧しい生活の中で音楽教師をしていた。2ヶ月前の2月に新聞の尋ね人欄に自分の名前が載っていたので弁護士の元に赴くと、南アフリカからやってきたというカラザースとウッドリーの二人の紳士を紹介される。南アフリカで死んだ貧しい叔父の知古だった二人は、音楽教師として10歳の娘を教えて貰えれば、年に相場の2倍の100ポンドを払うという。週末には母の元に返る条件でこの申し出を受けるが、ある晩餐、ウッドリーに強引に結婚を迫られ、食堂に戻ってきたカラザースに助けられる。ウッドリーは捨て台詞を残して館を去っていった。その後、土曜に母の家に自転車で戻る駅までの道すがら、同じく自転車に乗った中年の男に後をつけられるようになる。多忙のホームズに代わり、ワトスンが現地に調査に赴くが、結果を報告すると、酒場に行けば村の噂を聞けるのに無益な捜査だとホームズに呆れられる。役立たずだったかと聞くワトスンに、「全く」と冷たく答えるホームズ。後日ホームズが酒場へ赴き主人から噂話を聞いているとウッドリーと対面、唐突に殴られた仕返しに、紳士のボクシングを披露する。捜査から帰ると、バイオレット・スミス嬢は退職することになり、軽馬車で駅まで送られることになったとの手紙が届く。




5/6 第五話 まがった男 第六話  まだらの紐
あらすじ あらすじ

マローズ連隊の連隊長バークレー大佐が邸で死んだ。側で倒れていた妻のナンシーに疑惑が集まる中、友人のマーフィ少佐はホームズに事件の解決を依頼する。バークレー大佐は一兵卒より身を起こした人物で、インド反乱の際に軍勲を立て、トントン拍子に出世していった。若い頃のナンシーは連隊の花で、孤立した連隊の救出劇の数ヶ月後にバークレーが射止めることになったという。幸せそうに見えた二人だったが、クリミア戦争やアフガン戦争などの昔話に花を咲かせている際に、バークレー大佐は茫然自失となる事が度々あった。事件の起こった「朝の間」には、奇妙な手製の棍棒と動物の足跡が残されていた。召使いの証言によると、事件のあった夜、救貧院でボランティア活動から帰ってきたナンシーが夫のバークレーと「朝の間」で口論となり、「デイビッド!デイビッド!」と叫ぶナンシーの声が聞こえてきたという。邸の捜査を終えたホームズとワトスンは、ナンシーの友人であるミス・モリスンの元を訪れる。事件のあった晩、救貧院にひときわ見窄らしい東洋風のなりをした背の曲がった男がやってきて、ナンシー・バークレーは酷く衝撃を受けた様子だった。ミス・モリスンの話から、男はインド帰りの元軍人で、軍人相手に手品を見せて生計を立てているという情報を掴む。軍人達の集う酒場に出向いたホームズとワトスンは、手品を披露する背の曲がった男と遭遇する。

ホームズのもとへやってきたヘレンは不安と恐怖に支配され、依頼に来るまでの経緯として、家族のことを含む次のことをホームズに話した。ヘレンの話を聞いたホームズは依頼を引き受け、亡きヘレンの母が遺した遺産について調べた後、友人のワトスンと共にロイロット邸へ調査に赴き、へレンが使っている部屋とロイロット博士の部屋を調査したホームズは、次の内容を始めとするいくつかの不審な点を目にする。調査で何かを感じていたホームズは、ヘレンに一刻の猶予も許さない命の危険があることを言い含めた上で、その部屋で何が起こるのかを確かめるべく、密かにヘレンとホームズが入れ替わって寝ずの番で調査することを約束する。約束通り、ヘレンと入れ替わって寝ずの番をしていたホームズとワトスンは、すっかり夜も更け切った頃、ヘレンの話にあった口笛の音を聞く。さらに妙な音を聞いたホームズは、突如マッチに火を灯すなり、ステッキで呼び鈴の引き綱を打ち付ける。すると、その少し後に隣のロイロット博士の部屋から、この世のものとも思えぬ断末魔の叫び声が聞こえて来た。ホームズとワトスンが博士の部屋に入ると、博士の頭にはまだら模様の毒蛇が巻き付いており、博士はその毒蛇に咬まれて絶命していた。全ては、ストーナー姉妹が結婚する際に渡されるべき母の相続財産を独占するために、姉妹を殺そうとしたロイロット博士の計略であった。凶器は、博士が密かにインドから取り寄せた「インドで最も危険な毒蛇」。それがジュリアが死に際に言い遺した「まだらの紐」の正体であった。博士はこの毒蛇を金庫の中に隠して密かに飼っており、口笛の音を合図に、通風孔から呼び鈴の紐を伝って隣室に入り、ベッドの人間に咬み付くように訓練していたのである。さらに、博士はこの犯行を他人に気付かれないよう、口笛の音で蛇が再び自室へ戻るようにも訓練していた。ベッドが床に固定されていて呼び鈴の紐の真下で眠らざるを得ないジュリアは、ロイロット博士が夜中に通風孔から送り込んだ毒蛇によって殺されたのであった。それに続いて博士はヘレンも同じ方法で殺すため、ヘレンの結婚が決まった際にわざと屋敷の改築工事を始め、ヘレンが問題のベッドで眠らざるを得ないように仕向けたのである。しかし、密かにヘレンと入れ替わったホームズにステッキで打たれた蛇は、驚いてロイロット博士の部屋に逃げ戻り、相手かまわず博士に咬み付いたのである。皿のミルクは蛇を手なずけるための餌であり、先が輪の形になった鞭は蛇を安全に捕まえるための道具なのであった。




7/8 第七話 青い紅玉 第二シリーズ 第八話  ぶなの木屋敷の怪
あらすじ あらすじ

モルカー伯爵夫人が所有していたブルーカーバンクルが、ホテルで何者かに盗まれる。捜査を担当したブラッドストリート警部は、従業員の証言より配管工のホーナーを宝石窃盗の容疑で逮捕するが、肝心の宝石の在処を話さないため、1000ポンドの懸賞金をかけるよう伯爵夫人に要請。一方、容疑をかけられたホーナーは無実を主張する。同じ頃、警備員のピータースンがホームズの元に一匹のガチョウと帽子を持ってやってきた。夜中に酔っぱらい同士のケンカがあって、注意すると警察と間違えられて四散し、ガチョウと古ぼけた帽子が置き土産となってしまったので、持ち主に返そうとホームズに相談しに来たのだった。ガチョウはピータースンにやり、古ぼけた帽子だけを預かることにしたが、ピータースンの女房がガチョウを調理していると、胃袋から盗難中のブルーカーバンクルが出て来る。ホームズは新聞の尋ね人欄に広告を出し、ガチョウと帽子の持ち主を捜し当て、更にガチョウの仕入れ先を突き止めるが、その場で同じ質問をしにやってきたジェームズ・ライダーと鉢合わせる。

「ぶな屋敷」と呼ばれる邸宅で住み込みの家庭教師を引き受ける事になった若い女性バイオレット・ハンターが依頼人として訪れる。彼女は毎週、女性の家庭教師紹介所へ行っていたが、ある日そこの事務室には担当の女性の他にルーカッスルという男性がいた。彼はバイオレットを見て、「これ以上の人はいない」と絶賛し、100ポンドという(当時の貨幣価値で)高額の年俸を約束する。だがその雇用条件には、亡母からも喜ばれていた長い金髪を切り、ショートにして来てほしいなどの奇妙なものがあり、その場では断ってしまう。しかし、生活が苦しくなっているところへせっかく舞い込んだ働き口を切り捨ててしまった事にバイオレットは後悔する。そこへ、ルーカッスル本人から“是非再考を求める”という手紙が届く。そこには何と、スカウトに応じてもらえるなら年俸を当初条件から20パーセント加算する用意があるとも書いてあった。あまりの高額な給料に不安を感じたバイオレットは、シャーロック・ホームズに調査を依頼する。そしてホームズの調査により、ぶな屋敷の秘密が明らかになる。ルーカッスルは前妻との間に生まれた娘が亡き妻から受け継いだ莫大な遺産の横取りを狙っており、バイオレットの存在が娘の替え玉として必要だったのだ。



9/10 第二シリーズ 第九話 ギリシャ語通訳    第二シリーズ 第十話 ノーウッドの建築業者
あらすじ あらすじ

ある日、ワトスン博士はシャーロック・ホームズに兄がいる事を知らされる。数字に強く政府の会計検査院を努めているという兄マイクロフトは、弟シャーロックに劣らぬ推理力の持ち主だったが、野心と精力に欠けるために自ら捜査に乗り出すことはなかった。私語厳禁という風変わりな規約のあるディオゲネスクラブで兄が待っているというので、ワトスンは喜んで同行する。クラブの一室に赴くと、マイクロフトが窓際に立って、弟を手招きした。窓の外にいる男の素姓を鋭い洞察力で互いに推理しあう兄弟に、ワトスンは感嘆する。1階上の住人が奇妙な事件を持ち込んできたのでここに呼んだという兄に、ギリシア人メラスを紹介される。メラスは通訳の仕事をしていたが、夜中に突然ラティマーなる男に呼び出されて目隠しした馬車で屋敷に連れられると、包帯で顔を覆ったギリシア人の男が椅子に座らされていたのだった。眼鏡をかけ、常に笑みを絶やさないケンプに書類に署名するかどうかを通訳しろと命じられたメラス。押し問答が続いたが、気づかれないように質問を付け足し、ギリシア人の素姓を探ると、ロンドンは初めてで3週間監禁され、食事も与えられていないという。もう少しで全てが明るみになる寸前にソフィなる女性が部屋に入ってきて、通訳は打ち切りとなった。メラスはどうしても同胞を助けたくて、シャーロックに調べて欲しいと頼む。マイクロフトは既に新聞広告を打ったが、音沙汰無しとのことだった。連中も広告を見たと踏んだシャーロックは、身辺に注意するようメラスに忠告するが、既に魔の手がメラスの背後に迫っていた。

新進の青年弁護士マクファレンが、血相を変えて、221Bのホームズに助けを求めに来た。ノーウッドで起きた放火殺人の容疑者として、自分の名前が新聞に載っていたのだ。現場に残された血の付いたステッキから、マクファレンが容疑者だと睨んでいたロンドン警視庁のレストレード警部も、221Bにやってきて、ホームズに容疑者引渡を要求するが、ホームズはマクファレンの話を聞くよう諭す。マクファレンの話によると、これまで面識が全くなかったオールデーカが昨日いきなり事務所にやって来て、正式な遺言証を作ってくれと頼んだ。遺言証の中身を見ると、マクファレンに財産の大半を譲るという。真意を問い糾すと、かつて愛していたマクファレンの母が別の男性と結婚して、その後その男性が死んで、息子のことが気になりだした。既に建築業は引退し財産もあるが、独り身で親類にやるのも嫌なので、一部を除いてかつて愛した女の息子に全財産を譲りたいという。遺言書の清書を持ってノーウッドのオールテーガ邸に出向いたマクファレンは、最後の仕上げとして遺言書に蝋で封をする。帰る間際になって父の形見のステッキを紛失したが、これから度々会う間柄だから見つけたら預かっておくと言われ、そのまま近くの宿に帰宅した。その翌日、オールデーカが放火殺人で殺され、自分に容疑がかかっている事を新聞で知ったというのだ。ホームズは遺言書の原本を見るが、文字のほとんどが乱れていることから、列車の中で書かれたと推測する。書いた本人が重要とは思ってない遺言書の真意は何なのか、ホームズとワトスンは、ブラックヒースのマクファレンの母の元に赴き、オールデーカとの成り行きを聞き出すが、結婚式に送った写真をズタズタに切り裂いて絶対に許さないと送り返し、その写真を見つけたマクファレンが父から或る程度の真実を聞いていたということだった。その件は犯行の動機として法廷で取り上げられるとホームズは心配するが、マクファレンの母は「神がお守り下さる」と冷静を保つ。ノーウッドの事件現場に赴いたホームズ達は、レストレード警部と捜査を競い合うことになる。ワトスンの調べで、オールデーカには遺産が全くないことが分かったホームズは、屋敷の周りの探索に当たる。そんな中、レストレード警部からマクファレンが犯人である決定的な証拠を見つけたとの電報が届く。レストレードの勝利宣言に失望しつつも、ホームズとワトスンはノーウッドへと赴くが・・・。




11/12 第二シリーズ 第十一話 入院患者 第二シリーズ 第十二話 赤髪同盟
あらすじ あらすじ

トレヴェリアン医師は、医学賞を受賞するほど将来を渇望されていたが、金がないために開業できないでいた。そんな折、ブレッシントンなる人物がトレヴェリアンの下宿先を訪れ、金を出すからブルック街で開業しないかと持ちかける。条件は収入の4分の3を頂くという事だったが、この投資は見事に成功した。心臓が弱かったブレッシントンは、ブルック街の診察室の2階に入院患者として入り、毎朝トレヴェリアンに診て貰っていた。ところがある日、近くで強盗が入ったことを新聞で知ると、酷く取り乱して、窓に檻をつけ、家を要塞化してしまう。毎日30分続けていた散歩も取りやめたところを見ると、金よりも命を狙われているようだとトレヴェリアンは悟ったが、日にちが経つと警戒心が薄らいだのか散歩も再開した。ある日、強梗症を患っている老いたロシア貴族が息子を連れて診察に訪れるが、診察中に症状が生じたので、処方のため硫酸アルミを取りに戻ってくると、患者も息子も消えていた。そこへブレッシントンが帰ってきたが、部屋に侵入者の跡が残されていたのを見て啜り泣くほど取り乱し、シャーロック・ホームズに相談するようトレヴェリアンに頼む。ブルック街の診察所を訪れたホームズは、ふたりの素性を隠しているブレッシントンに真実を話すようにとだけ告げ、ベーカー街に引き返す。ところが翌朝、ブレッシントンが寝室で首吊り死体となって発見された。

質屋を営むウィルソンは従業員を雇うため新聞広告を出したが、運の良いことに相場の半値で雇うことが出来た。見習いがしたいという男で、仕事は良くでき、難点といえばカメラが趣味で暗室代わりの地下室に篭もることくらいだった。ある日、従業員が赤毛連盟に関する欠員補充の広告を見つけ、立派な赤毛の持ち主には年200ポンド払うという。従業員に急かされて事務所に行ってみると既に赤毛の候補者達でいっぱいだったが、選考者であるダンカン・ロスがウィルソンを一目見たなり、立派な赤毛の持ち主として認められ欠員補充が決まった。仕事は事務所でのエンサイクロペディアの写本で、朝9時から午後の2時まで。ただしいかなる理由があっても事務所から離れてはならないのが条件だった。ちょうど従業員も雇ったところなので、条件を承諾するが、8週間後に突然連盟は解散した由の紙切れが事務所のドアに貼り付けられていた。この奇妙な出来事をホームズとワトスンに話したのだったが、二人は大笑いする。怒って立ち去ろうとするウィルソンをなだめすかしたホームズは、新しく雇った従業員の特徴を聞くと、或る人物が浮かび上がった。




13/14 第二シリーズ 第十三話 最後の事件 第三シリーズ 第十四話 空き家の怪事件
あらすじ あらすじ
この事件は、私立諮問探偵のシャーロック・ホームズに関する、最後の物語である。1891年4月24日、伝記作家で医師のジョン・H・ワトスンの医院へ、ホームズが突然姿を現した。ホームズは診察室の鎧戸を閉め、空気銃を警戒していると説明する。そして、1週間ほど大陸へ出かけるので同行して欲しいと頼む。事情を尋ねるワトスンに対し、ホームズは自らの宿敵であるジェームズ・モリアーティ教授について語る。モリアーティは21歳で二項定理に関する論文を書き評判になった天才で、大学の数学教授を務めたこともあった。一方で犯罪者としての素質を開花させ、ついには「犯罪界のナポレオン」と評すべき存在になったのである。現在では多数の手下を組織し、ロンドンで発生する悪事の半分と、未解決事件のほとんどに関わっているという。ホームズは自身と対等の能力を持つ教授と渡り合い、激しい闘争の末、その周囲へ網を張りめぐらせることに成功する。3日後には網が閉じられ、教授をはじめとする組織の構成員が残らず警察に逮捕されるところまでこぎつけたのである。網の存在に気付いた教授は、今朝ベーカー街221Bのホームズの部屋を訪れた。教授は手を引くように要求し、さもなければ破滅だと恫喝する。ホームズは、教授を破滅させられるなら自らの破滅も受け入れると応じ、二人の会見は終わった。 会見後、ホームズの命を狙った教授の手下からの襲撃が始まる。ホームズは、警察が行動を起こせるようになる3日後まで大陸で身を隠すことに決め、ワトスンに同行を頼みに来たのである。ワトスンは頼みを引き受け、今夜は泊まっていくよう勧める。ホームズは家に迷惑が掛かるからと辞退し、翌日ヴィクトリア駅で合流する方法を伝えると、塀を乗り越えて姿を消した。翌朝、ワトスンはホームズの指示通りに複雑な経路で移動した後、大柄な御者の馬車に乗って駅へ辿り着く。指定された列車の客室には、イタリア人の老神父がいるだけでホームズの姿はない。発車の寸前、老神父が変装を解き、ホームズの姿となる。驚くワトスンに、ホームズは用心のための変装だと説明し、周囲を警戒する。動き出した列車の窓からは、列車を止めさせようと追いすがる教授の姿が見えた。二人は教授の追跡から、ぎりぎりで逃れることに成功したのだ。 ホームズは昨晩221Bの部屋へ放火されたこと、ワトスンを乗せた大柄な御者は兄のマイクロフトであったことなどを話した後、教授が特別列車を用意させて追跡してくると予想する。このままでは港で大陸への船を待つ間に追いつかれるため、途中駅で降りて姿を隠すことに決める。荷物を残して下車した二人が身を隠している前を、教授を乗せた特別列車が走り抜けていった。3日後、ストラスブールに到着していた二人は、警察と電報で連絡を取り、組織を壊滅させたが教授だけは取り逃してしまったことを知る。ホームズは教授がすべてを賭けてでも自分に復讐すると考え、ワトスンに巻き込まれないうちにロンドンへ帰るよう勧める。しかし、ワトスンにはこの勧めを受け入れる気がまったくなかった。二人は旅を続けることに決め、ジュネーヴへ向かう。1週間後、二人はマイリンゲン(英語版)に到着して一泊する。そして翌日の1891年5月4日、ローゼンラウイ(英語版)へ向かう途中で、ライヘンバッハの滝を見物に立ち寄ったのである。 滝を見物する二人のもとへ、マイリンゲンの宿からの手紙を持ったスイス人の若者がやってくる。手紙によれば、末期の結核を患っているイギリス人女性が宿に到着したが、喀血して危篤状態になったのだという。同国人の医師であるワトスンに、女性を診て欲しいとの頼みであった。ワトスンはこの頼みを断ることができず、引き返すことに決める。ワトスンはホームズを残していくことをためらうが、話し合いの結果、別行動をとり夕方にローゼンラウイで合流することになる。ワトスンが引き返す途中で振り返ると、ホームズは岩に寄りかかり、腕組みをしながら滝を眺めていた。これが、ワトスンがホームズの姿を見た最後になったのである。マイリンゲンに戻ったワトスンは、病気のイギリス人女性が存在していないことを知る。途中で滝へ向かう人影を見ていたこともあり、不安に駆られたワトスンは急いでライヘンバッハの滝へ走ったが、そこにホームズの姿はなく、使っていた登山杖が残されているだけだった。登山杖が残された場所から先は、滝の間近まで続き断崖で行き止まりとなる小道になっていて、小道には2組の足跡だけがくっきりと残されている。どちらの足跡も滝へと向かっていて、戻っている足跡はない。小道の行き止まり付近は踏み荒らされ、争いの痕跡が残されている。ワトスンは大声で叫んでみるが、滝の轟音が帰ってくるだけであった。 登山杖の近くにホームズの銀製シガレット・ケースがあり、その下には手紙が残されていた。手紙には、眼前にいるモリアーティ教授の好意でこの手紙を書いていること、マイリンゲンからの知らせは嘘だと分かっていたがあえてワトスンを戻らせたこと、このような結末こそが自身にふさわしいと考えていることなどが記されていた。ホームズからワトスンに宛てた、別れの挨拶であった。その後の調査で、ホームズと教授は格闘の末に滝壷へ転落したのだろうと結論付けられた。ライヘンバッハの滝壷には、最も危険な犯罪者と、最も優れた法の擁護者が、ともに眠っているのである。 私立諮問探偵のシャーロック・ホームズが、犯罪組織の首領、宿敵モリアーティ教授とともにライヘンバッハの滝に姿を消してから、約3年が経過した。伝記作家で医師のジョン・H・ワトスンは、妻と悲しい離別をし、孤独な日々を送っていた。1894年春、ロンドンはロナルド・アデアの殺人事件にまつわる噂で持ちきりである。アデアは伯爵の次男で、クラブで行われるカード賭博が好きだった。クラブから帰宅した後、拳銃の弾で頭を撃ち抜かれて死んでいるのを家族に発見されたのである。遺体の様子から、カード賭博での勝敗計算をしていたところを撃たれたと推測される。しかし、鍵の掛かっていた室内からは拳銃が発見されず、窓は開いていたが侵入の痕跡が見つからない。狙撃であれば相当の達人だが、銃声は誰も聞いていなかった。その後の警察の捜査では動機も犯人の見当も付かないままである。ワトスンはかつてのホームズを模倣して事件の真相を推理してみるが、謎は解けない。殺人の起きたアデアの屋敷まで見物と調査に出かけたワトスンは、本を抱えた老人とぶつかり、その本を地面に落としてしまう。本を拾い上げてやり謝罪するワトスンを老人は罵り、姿を消した。やがて、何の成果もなく自宅へ引き上げたワトスンのもとへ、先ほどの老人が訪ねてくる。面会した老人はワトスンを罵った非礼を詫び、近所の本屋であると自己紹介する。そして、ワトスンの背後にある書棚には数冊分の空きがあるから、と手持ちの本を勧めてきた。書棚を振り返って隙間を確認し、再び老人に視線を戻したワトスンが見たのは、笑顔で立っている、死んだはずのホームズだった。ワトスンは仰天。本人曰く“生涯で最初かつ最後であろう”気絶をしてしまう。意識を取り戻したワトスンに、ホームズは変装で劇的な演出をして驚かせてしまったことを詫びる。そして、自分がなぜ生きているのか、この3年の間どこで何をしていたのかを語りだす。ホームズは日本の格闘術であるバリツを習得していたため、襲ってきたモリアーティ教授だけを滝壷へ落とすことに成功し、生き延びたのである。モリアーティの手下から今後も命を狙われ続けると考えたホームズは、自分を死んだことにすると決め、崖を登って身を隠す。ワトスンが、ホームズと教授は格闘の末に滝壷へ落ちて死んだのだと誤った結論を出して引き上げるまでの一部始終を、崖の岩棚から見守っていたのである。その後、教授に同行していた手下から襲撃を受けたが、何とかやり過ごして姿を消したのだった。 それから3年、兄のマイクロフト以外には生存の事実を隠し、世界各地を旅行したり化学実験を行ったりしていた。そして、ロンドンにいる教授の手下が1人になったことを知り、またその手下によると思われるアデア殺人事件が起きたことから、ついにロンドンへと戻ってきたのである。ホームズはワトスンの孤独を知っていたようで、悲しみを癒すには仕事が一番だと励ます。そして、以前のように自分の仕事を手伝って欲しいとワトスンを誘う。二人は夜のロンドンに出て、裏通りから空き家のひとつに辿り着く。そこはかつて二人が共同生活を送っていたベーカー街221Bの、向かいにある空き家、カムデン・ハウスであった。ワトスンが驚いたことに、221Bの部屋の窓には、ホームズのシルエットが室内の明かりでくっきりと映し出されている。 その正体は蝋細工の半身像で、ホームズがロンドンへ戻ったことを知って命を狙う、教授の手下に対する囮なのだった。ホームズの頼みを引き受けたハドスン夫人が、偽物と気付かれぬように時々像の向きを変えているのである。二人が息を潜めていると、カムデン・ハウスに別の何者かが侵入してくる。その男は銃を組み立てると、221Bの窓に映るホームズのシルエット目掛けて音も無く発砲する。同時にホームズとワトスンが男に襲い掛かり、取り押さえる。ホームズが鳴らした呼子笛の音に応えて駆けつけてきたのは、馴染みのレストレード警部だった。 取り押さえられた男、セバスチャン・モラン大佐はホームズを罵るが、ホームズは「旅の終わりは好いたふたりの巡り逢い」だとシェイクスピアの『十二夜』を持ち出して応じる。射撃の達人であるモラン大佐の使用した武器は、無音で拳銃の弾を発射できるよう改造された特殊な空気銃で、「最後の事件」の際にもホームズが警戒していたものだった。 モラン大佐をホームズ殺害未遂で逮捕しようとするレストレードに、ホームズはモラン大佐がアデア殺害事件の犯人であると話す。モラン大佐はトランプのイカサマで金を稼ぎ生活していて、そのイカサマをアデアに気付かれたのである。アデアはイカサマを止めるよう大佐に警告し、大佐と組んでいたときに勝った不当な儲けを清算しようと計算していたところを、空気銃で狙撃されたのだった。レストレードに手柄を譲り、ホームズとワトスンはベーカー街221Bへ戻る。二人はハドスン夫人に礼を言い、昔どおりにそれぞれの椅子へ腰を落ち着ける。こうしてホームズは帰還し、再び私立諮問探偵として活躍することになったのである。



15/16 第三シリーズ 第十五話 修道院屋敷 第三シリーズ 第十六話 マスグレーブ家の儀式書
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ケント州マーシャムの僧房荘園でサー・ユーステス・ブラックンストールが何者かに撲殺された。スタンリー・ポプキンズ警部はホームズに捜査を要請するが、現場に到着したときには、正気を取り戻した妻メアリ・ブラックンストールの供述で、最近この界隈を荒らし回っているランドール一家の強盗であることが明らかになる。念のため犯行現場を調査するホームズ。夫人を椅子に縛る際に呼び鈴の紐が鳴らないように切断された点に疑問が残ったが、屋敷内の使用人に内通者がいる可能性があると警部が取り調べているところだった。強盗達が飲み明かした3個のワイングラスについても引っかかったものの、夫人の供述から事件はほぼ解明されたので、ホームズとワトスンはロンドンに戻ることにした。 ロンドンへと戻る汽車の中、ワインの澱が一つのグラスにしか残っていなかったことから、現場には二人しかいなかったと導き出したホームズは、ワトスンを連れて僧房荘園へと舞い戻り、捜査を再開する。主人に殺されたとおぼしき犬の墓を見つけたホームズは、未亡人となったメアリに真実を打ち明けるよう諭す。メアリは事実は全て話したといって取り合わない。見切りをつけたホームズとワトスンは、サザンクロス汽船会社に赴き、クロッカー船長を見つけ出す。 ワトスンから再三休養を取るよう脅されていたホームズは、大学時代の友人レジナルド・マスグレーブの招待を受け、ワトスンと共にサセックスに休暇にやってきた。マスグレーブの執事ブラントンは主人よりも数段博識があり、館の来訪者に必ず覚えられるほどだったが、女たらしという欠点があり、気性の激しいウェールズ気質のメイド、レイチェルと婚約していたものの、浮気が絶えなかった。ブラントンを交えながら晩餐を楽しんだ翌朝、ブラントンがいないのを不思議に思いメイドのレイチェルに尋ねると、突然取り乱して気を失ってしまう。マスグレーブの話によると、昨夜コーヒーを飲んで眠れなくなったので、本を取りに書斎に行くと、ブラントンが当家の書類を読み耽っていたが、こちらに気づき、慌てて地図のような物をポケットにしまった。明日立ち去るよう命じたが、罷免は恥なのでせめて2週間留まらせてくれとせがむので1週間の猶予を与えたという。ブラントンが見ていたのはマスグレーブ家に古くから伝わる儀式書で、成人の折には暗誦させられるものだった。儀式書を読んだが、内容は宝探しの類のもので、先祖代々試してみたが結局宝は見つからずじまいだったという。翌日にはレイチェルも失踪。池をさらうが、最近捨てられた物と見られる錆びた金属と石ころのがらくただけが見つかっただけだった。謎を解き明かすためホームズたちは儀式書の解読に乗り出す。



17/18 第三シリーズ 第十七話 第二のしみ(第二の血痕) 第三シリーズ 第十八話 もうひとつの顔
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或る秋の火曜日早朝、ホームズの元に221Bにて高貴な二人が秘密裏に会いたいとの電報が届く。定刻にやってきたのは時の英国首相ベリンジャー卿とヨーロッパ担当相トレロニー・ホープで、外国君主から届いた書簡がホープの状箱より盗まれたたのを取り戻して欲しいという依頼だった。世間に知られればヨーロッパを戦争の渦に巻き込むため、公には捜査できないので、私立探偵であるホームズを頼ってきたのだという。書簡の内容を聞くが、国家機密だとして明かそうとしない首相に、ホームズは多忙を理由にこの依頼を断る。怒って帰ろうとした首相だったが、内容を打ち明けた。我が国の植民地発展に対する感情的な手紙で、公になれば国民感情を害し、世界大戦を引き起こすという。助言を求めた首相に対し、ホームズは「戦争の準備をなさい」とだけ言った。二人が帰ると、ホープの妻が入れ替わりにやってきて、紛失した書簡の内容を教えて欲しいとせがむがホームズは拒否。この手の仕事をやるのは3人いると目星をつけたホームズは、国際政治学者でスパイのルーカスの本を訪ねようとするが、既にルーカスが殺されたという新聞記事が載っている事をワトスンが告げる。交際のあったフランス人の女が起こした事件だったが、現場に赴くとレストレード警部と鉢合わせ、不思議な事が一つあるから事件のあった部屋を見て欲しいという。部屋の敷物には殺人の血痕がついていたが、裏返すと床には血痕がついておらず、何者かが敷物を動かしたようだった。 ケイト・ウィットニーの頼みで、3日間家に帰ってこない夫のアイザを連れ戻すためアッパースワンダム小路のアヘン窟へと向かったワトスンは、老人に変装したホームズと鉢合わせる。ホームズはセントクレア失踪事件を調査中だった。資産家でケント州リー市に豪邸を構えていたネヴィル・セントクレアは醸造家の娘と結婚し、幸福な毎日を送っていたが、月曜の朝、子供に積み木を買ってやると言ってロンドンに仕事に行ったきり帰ってこなくなった。同じ日に夫人は汽船会社から小包が届いているという知らせを受けロンドンに行った際に、アッパースワンダム小路に迷い込み、二階の窓から夫のネヴェルが顔を出しているのを見つける。こちらに気づいた夫は悲鳴を上げて顔を引っ込めた。夫人は部屋に押しかけるが、誰もいないと言い張るインド人水夫と中国人に追い返される。20分後にブラッドストリート警部を連れて戻ってきたが、二階には誰もおらず、隣の部屋に有名な物乞いブーン氏がいるだけだった。ブーンはシェイクスピアやディケンズなどの引用が得意で、シティ界隈で人気者になっていた。部屋を探していると、積み木と夫の衣服が見つかり、ブラッドストリート警部もようやく夫人の話を信じる。窓枠には血痕の跡があり、オーバーコートがなくなっていたが、後日潮が引くと、テムズ川から小銭が重し代わりに詰まったコートも発見された。ブラッドストリート警部はブーンを逮捕するものの、未だに死体は出てこずじまいだった。ホームズは月曜に殺されたと判断するが、夫人から金曜の消印で夫から手紙が届いたと打ち明けられる。筆跡は夫のものに間違いないと断言する夫人は、夫の生存を頑なに信じていた。



19/20 第三シリーズ 第十九話 プライオリ・スクール 第三シリーズ 第二十話 六ツのナポレオン
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深夜にプライオリ・スクールのハクスタブル校長が221Bを訪れ、そのまま失神してしまう。女王の重臣ホールダネス公爵の子息であるサルタイア卿が誘拐されたのだ。サルタイア卿と一緒にドイツ人教師のハイデガーも失踪し、自転車が一台なくなっていた。息子を無事発見した者には5000ポンド、犯人を捕まえれば更に1000ポンド出すと公示したが、三日経っても見つからずじまいだった。ホームズとワトスンは現場へと赴くが、プライオリ・スクールを捜索中にホールダネス公爵と秘書のワイルダーがやって来て、捜査を止めるよう求める。ホールダネス公爵は婦人と別居中で、公の噂になることを怖れ、極秘の捜査を警察に依頼していたのだった。

221Bで、ホームズとワトスン、警視庁のレストレード警部が一緒に夜を過ごしていた。何か変わった事件でも抱えているかと尋ねるワトスンに、レストレード警部は奇妙な事件の話を始める。モース・ハドスンで売られていたナポレオンの胸像が何者かに壊された。別の晩にはバーニコット博士の家に置かれていた同じ胸像が盗まれて玄関先で壊され、同じ夜に外科医院の胸像も壊されていた。そのどちらもハドスンの店で購入したナポレオンの胸像だという。ワトスンは固定観念に取り憑かれたアンチ・ナポレオンの犯行だと論じるが、話を聞いたホームズは、進展でもあれば連絡をくれとレストレードに頼む。後日、中央共同通信社のホリス・ハーカー邸でもナポレオンの胸像が壊されるが、玄関先で死体が発見される殺人事件にまで発展してしまった。レストレード警部と捜査を競い合うことになったホームズは、モース・ハドスンの店で仕入れ先を尋ねると、ゲルダー商会を教えられる。ゲルダー商会に赴き、支配人に遺留品の写真を見せると、イタリア人のベッポで、かつてここで腕の良い職人として働いていたが、同じイタリア人を決闘の際に刺してしまい、服役中だという。ホームズは11日前にベッポが釈放されたと睨んだ。ベーカー街に戻ると、レストレード警部が一足先に221Bにやって来ていて捜査の進展を述べる。被害者の身元を突き止めたのでイタリア街に出向き犯人を逮捕する予定だと話すと、ホームズはチヂックに行こうと誘った。




21/22 第四シリーズ 第二十一話 悪魔の足 第四シリーズ 第二十二話 銀星号事件
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ハーレイ街のエーガー博士の忠告に従い、ホームズはワトスンに付き添われてコーンウォールで休養を取ることになった。古代の遺跡や風光明媚な自然に触れていく中、ホームズは悪癖の元凶となっていたコカイン7%溶液を浜辺に捨てる。そんな折、地元のラウンドヘー牧師が血相を変えてホームズに助けを求めてきた。モーティマ・トリゲネス氏がカードゲームに興じて帰宅した翌日、家の居間で姉が変死し、同じく居間にいた兄弟が発狂したのだ。取り乱したトリゲネスは悪魔の仕業だと言い張るばかりだった。ワトスンは休暇中のホームズを気遣うが、俄然やる気を見せたホームズは現場の調査を開始する。その中でトリゲネスの証言と食い違う幾つかの不審点に気づく。海岸沿いの崖で推理に没頭していると、ライオン狩りで有名なレオン・スタンデール博士が現れ、捜査の進展を尋ねるが、ホームズは質問を煙に巻く。翌日、トリゲネスが妹と同じ形相で家で死んでいるのが発見され、ランプから焦げた粉が見つかった。ホームズはトリゲネスの部屋にあったのと同じランプを購入し、遺留品の粉をまぶして実験を試みるが……。

ホームズはワトスンを連れてキングス・パイランドへと出向くことになった。銀星号失踪事件の捜査をグレゴリー警部から頼まれていたのだ。銀星号のような有名な競争馬が、ダートムアの人口の希薄な場所で見つからないはずがないと踏んでいたのだが、一週間経っても銀星号は見つからないままだった。ダートムアにはロス大佐の厩屋の他に、ライバルのメープルトンの厩屋があった。キングス・パイランドへと向かう馬車の中で、まさかアマチュア探偵に頼むことになるとは、とホームズの目の前でロス大佐は愚痴をこぼす。キングス・パイランドに着いたホームズは、さっそく捜査を開始する。厩屋の従業員の証言によると、夜に怪しい探り屋が厩屋を訪れ、その翌朝に銀星号は消え、厩屋から離れた場所で調教師ストレーカの撲殺死体が見つかったのだったが、厩務員はカレーに阿片を混入されていたために熟睡していて物音に気づかなかった。死体の側には探り屋が巻いていたスカーフが落ちていたので、容疑者はすぐに逮捕されたものの、馬の居所については要領を得なかった。ストレーカの遺留品を見せて貰うホームズ。犯人と格闘した際に武器にしたと思われる白内障用のメスに、ロス大佐の指示書、婦人用の高価なドレスの請求書。ダートムアの荒野に調査に乗り出したホームズは、馬は群居性の高い動物であることから、キングス・パイランドに戻っていなければ、メープルトンの厩屋へ向かったと推察する。ホームズの予想通り、メープルトンへと向かう銀星号の蹄鉄跡と人間の足跡が見つかった。メープルトン厩屋の卑小な調教師と密約を取り交わすホームズ。馬主のロス大佐はアマチュア探偵のホームズを余り信用していなかったので、鼻を明かしてやろうと、一計を案じる。銀星号をレースに出走させても構わないと進言するホームズを、ロス大佐は全く相手にしていなかったが・・・。




23/24 第四シリーズ 第二十三話 ウィステリア荘 第四シリーズ 第二十四話 ブルース・パーティントン設計書
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ホームズの元にグロテスクな体験をしたので相談したいとの電報が届く。グロテスクという単語についてワトスンと論議しているうちに、手紙の主スコット・エクルズ氏が221Bにやってきたが、かなり取り乱している様子だった。社交的な性格のエクルズ氏は友人を介してスペイン大使館と繋がりのあるスペイン人アンディ・ガルシアと知り合い、共通の趣味である地図作成の為にガルシアの住むサリー州ウィステリア荘へとやって来たが、部屋は雑然としていて食事は酷いものだった。晩餐の最中に手紙が届き、ガルシアは封を開けて読むと、焦った様子で丸めて暖炉に投げ捨てる。就寝後にガルシアが寝室を訪れ、呼びましたかと尋ねる。呼んだ覚えがなく時刻を聞くと午前1時だと答えた。朝起きるとガルシアと執事はいなくなっていた。滞納した家賃を肩代わりさせる悪巧みだと考えたエクルズは不動産屋に問い合わせるが家賃は既に前払いされていた。次にスペイン大使館に問い合わせたが、ガルシアなる人物は全く知らないという。ホームズ達が現場に赴くと、アンディ・ガルシアの撲殺体が池の縁で見つかり、サリー州警察のベインズ警部が捜査に当たっていた。ウィステリア荘を捜索中、謎の黒人がワトスンの目に止まり追跡するが逃げられてしまう。帰りの馬車の中で推定死亡時刻は夜中の1時だというベインズ警部に、エクルズは驚く。ワトスンがひとりで宿に戻ると、ホームズは街の不動産屋を調べに行った後だった。ヘンダースンなる人物が住むハイ・ゲーブルを探索するよう置き手紙で頼まれたワトスンは、屋敷の離れの塔に婦人が助けを求める姿を発見するが、二人の娘に捕らわれてしまう。ふたりに屋敷の中に連れていかれると、地図学者を装ったホームズと再会する。秘書の男に屋敷の主ヘンダースンを引き合わされるが、最近引っ越してきたばかりでこの辺りの事情には詳しくないいう。屋敷を後にしたホームズ達は、ベインズ警部がガルシア殺しの容疑者として黒人を逮捕したことを知る。誤認逮捕だとベインズ警部に忠告するが・・・・・・。

暇を持て余していた221Bのホームズの元を、兄マイクロフトがブラッドストリート警部を伴って訪れる。新型潜水艦のブルース・パーティントン設計図が盗まれ、その数枚が、線路で死体となって発見されたウリッジ造兵所の若き職員カドガン・ウエストの懐から出てきたのだった。大英帝国の威信をかけて設計図を取り戻すようマイクロフトは急かす。捜査に乗り出したホームズは、線路に血の跡がなく、遺留品に切符もなく、ちょうど線路のポイント時点であることから、カドガン・ウエストは列車から落ちて死んだのではなく、別の場所で殺されて死体を列車の屋根に乗せられたのだと推理する。潜水艦設計図の責任者であるサー・ジェームズに話を聞きに行くと、事件のショックで既にこの世にはなく、代わりに弟のバレンタインが出迎えた。次に婚約者の元に赴いたホームズ達は、事件のあった夜、劇場へと向かう途上で、突然用事が出来たとかで帰るようせがまれたという証言を得る。婚約者に別れた場所に連れて行って貰うと、王室海軍特許庁が向かいにあった。特許庁を訪れたホームズは、盗まれた設計図に致命的な欠陥があることを知る。この手の仕事をするスパイを数名上げていく中で、一人の男が捜査線上に浮かび上がる。スパイの住居に不法侵入したホームズとワトスンは暖炉に燃やされた新聞記事を発見、ピエロという筆名を使い通信欄で連絡を取り合っていたと見て、犯人を誘き出すために罠を仕掛けた。




25/26 第四シリーズ 第二十五話 四人の署名 第四シリーズ 第二十六話 バスカビル家の犬
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ベーカー街221Bのホームズの元にメアリ・モースタンが相談に訪れる。10年前にインドからイギリス本国へ休暇に来た父モースタン大尉に電報で呼び出されてホテルに行ってみたが、父は消息を絶った後だった。4年後に新聞の尋ね人欄に住所を知らせる由の記載があり、広告を載せると、送り主のない高価な真珠が年に1度同じ日に送られてくるようになる。今朝になって手紙が来て、不遇の代償がしたいので指定の場所に二人の友を同伴するようにとの手紙が届く。メアリ・モースタンはホームズとワトスンに同行を頼んだ。約束の場所で御者に呼び止められた三人は、謎の人物の邸宅へと通される。そこには水ギセルを鎮静剤代わりに吸う奇異な容貌の男が待ちかまえていた。邸宅の主、サディアス・ショルトーは、父から財宝を託されていたことを三人に打ち明ける。父ショルトー少佐はインドにいた時期に、友人のモースタン大尉と共にアグラの財宝を発見した。ショルトーは先に財宝を持ってイギリス本国に戻っていたが、約束していた財宝の分け前を要求してインドからやってきたモースタン大尉と口論になり、心臓発作を引き起こしてしまう。せめてもの罪滅ぼしに、財宝の一部を娘の元に送るようにというショルトー少佐の遺言を守っていたというのが事の真相だったが、ショルトーはその後持病を悪化させ、謎の侵入者の影に怯えながら急死。遺骸の胸に、侵入者が現れたことを示す「四人の署名」の文字と、シーク教を象徴する4の意味の赤い印付きの紙片が残されていた。生前に隠し場所を話さなかったためにどこに財宝が眠っているのか分からなかったが、遂に隠し場所を発見して、メアリに分け与えるために手紙で呼び出したのだという。ホームズ一行はショルトーの兄が住むノーウッドの屋敷へと向かうが、鍵のかかった部屋の中で、双子の兄の死体が発見され、サディアス・ショルトーは兄殺しの容疑をかけられアセルニー・ジョーンズ警部に逮捕される。ホームズは真犯人発見の為に、犬のトービィを連れてテムズ河畔に辿り着くと、貸し船屋の女主人から義足の奇妙な男に船を貸したことを知る。ホームズは船を発見するため、ベーカー街イレギュラーズをロンドンの街に放った。

デヴォン州のダートムアからやって来たモーティマー医師が、サー・ジェイムズ・バスカビルの不審な死についてホームズの元に相談に訪れる。夜屋敷の外にいたジェームズ・バスカビルが心臓発作で死亡したのは、古くからの伝承にある魔犬の仕業だとモーティマー医師は信じ込んでいた。死体の側に犬の大きな足跡が残されていたというのだ。問題は、遺産相続でアメリカから帰国することになった甥のサー・ヘンリーに身の危険が及ぶかも知れないことだった。サー・ヘンリーの宿泊しているホテルに向かうと、靴が片方、しかも二足盗まれたと騒いでいた。更に翌日、善意ある警告とも悪意とも取れる手紙が届いたことをサー・ヘンリーと共にレストランで話していると、謎の尾行者がいることにホームズは気づく。尾行者の後を追いかけるが、後一歩の所で取り逃がしてしまった。サー・ヘンリーは100万ポンドの遺産を相続することになっており、命を狙われる理由は充分にあった。ホームズは別件の恐喝事件でロンドンを離れられないので、代わりにワトスン博士がサー・ヘンリーと同行することになる。バスカビル館に辿り着いたワトスンは、ベーカー街のホームズに逐一報告する。ダートムアでは殺人者のセルデンが脱獄して警備が厳重に張り巡らされていること、代々仕えてきた執事のバリモア夫妻が暇乞いを申し出ていること、モーティマー医師の友人で昆虫学者のステイプルトン、底なし沼が動物を飲み込むグリンペン湿原、ステイプルトンの妹ベリルがワトスンをサー・ヘンリーと間違えてロンドンに帰るよう忠告したこと。夜中に執事のバリボアが外に向かってランプで信号を送っている姿を目撃したサー・ヘンリーは、謎を解き明かそうとワトスンと共にピストルで武装して湿原へと赴くが、そこにいたのは脱獄囚のセルデンだった。




27/28 第五シリーズ 第二十七話 レディ・フランシスの失踪 第五シリーズ 第二十八話 ソア橋のなぞ
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休暇を送っていたワトスンは、ホームズに休暇の様子を手紙で報せていた。ある日、行動的な女性として衆目を集めていたカーファックス嬢が、いつものようにヨットで帰還しようとすると、弾みで海に投げ出されてしまう。そこへボーア戦争で負傷した英雄で車椅子のシュレシンジャーが湖に飛び込んで、見事に彼女を助けたのだった。シュレシンジャーは伝道会の募金活動を行っていて、カーファックス嬢も寄付しようと兄のラフトン伯爵を呼び寄せたが、酷い口論になったのを目撃する。また、顎髭の男が度々現れ、カーファックス嬢の前に現れたが、彼女は男を拒絶しているようだった。ワトスンから一部始終を手紙で知ったホームズは、すぐさまその足でロンドン警視庁に赴き、伝道会やシュレシンジャーなる人物について調べ上げ、ワトスンにカーファックス嬢から目を離さないよう電報で警告する。ワトスンはカーファクス嬢を探したものの、すでにホテルにはいなかった。ホームズ達は兄ラフトン伯爵に会い、コレクションの宝石をどこに保管しているのかを聞き出す。ペルメル街の海運銀行を教えられ、おそらくそこにカーファックス嬢が現れるだろうと出向くと、顎髭の男が現れ、ワトスンと一悶着を起こしたその隙に、銀行に訪れたカーファックス嬢に逃げられてしまう。顎髭の男は、かつてのカーファックス嬢の恋人グリーンだった。シュレシンジャーなる人物はピータースンという詐欺師で、殺人者でもあることを調べ上げていたホームズは、宝石の売られた盗品売買の店を突き止める。何かできることはないかとせがむグリーンに、店で見張るよう指示する。シュレシンジャーの妻が店にやって来て、後をつけると、葬儀屋で特注の棺桶の納品について話している所を目撃し、すぐさま221Bに引き返してホームズに行動を起こすようせがむが、法的手順に乗っ取らなければならないと突っぱねる。その後ホームズとワトスンはシュレシンジャーの家に赴き、銃で脅して強引に部屋を捜索して棺桶を発見するが、中に眠っていたのは小柄な老婆で、妻が50年連れ添った乳母だった。ふたりはなくなく退散する。自由奔放な女性なので、すぐに相手の正体が分かって逃げ出したんだろうとワトスンは納得させようとするが、腑に落ちないホームズ。チェスの駒を弄っているうちに、事件の真相が頭を過ぎる。

ソア橋で大富豪J・ニール・ギブスンのペルー人妻が射殺死体で見つかった。洋服ダンスから凶器の銃が見つかり、同時刻にソア橋で目撃したという証言から、家庭教師のグレース・ダンバーが殺人容疑で逮捕される。絞首刑の危機が迫る中、ニール・ギブスンはダンバーを助けるため、ホームズに事件の真相を明らかにするよう求めるが、家庭教師との関係を問われた上、嘘つき呼ばわりされた事に憤慨し、ホームズに怒りをぶちまけて221Bを飛び出していった。戻ってくると踏んでいたホームズだったが、当てが外れ、追い返したことを後悔しはじめる。ワトスンのアドバイスで独自に調査を開始することにしたホームズは、まず留置所に赴き、ダンバー嬢から事情を伺う。話によると、マリア・ギブスンに手紙で呼び出されたダンバーは、ソア橋で耳を塞がずにはいられないような罵詈雑言を浴びせられ、逃げるように屋敷に帰ったいうことだった。屋敷に直接赴き、ニール・ギブスンから再度事情を伺う。ワトスンは家庭教師と再婚するのに邪魔な妻を排除しようとしたのが動機だとギブスンを疑っていたが、ソア橋を訪れたホームズは或る実験を試みる。




29/30 第五シリーズ 第二十九話 ボスコム渓谷の惨劇 第五シリーズ 第三十話 高名の依頼人
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アリス・ターナーから私たちを助けて欲しいという手紙が届く。ホームズは休暇中のワトスンを引っ張り出して、のどかな田舎町にあるボスコム渓谷へと向かった。事件のない平凡な田舎町では、オーストラリア帰りのウイリアム・マッカーシーがボスコム渓谷の沼地で撲殺されたニュースが新聞を賑わせていた。現場にいたクラウダーの話によると、ジェームズ・マッカーシーが血相を変えて父が殺されたと助けを求めたので、一緒に向かうと、ウイリアム・マッカーシーが沼のほとりで俯せに倒れていた。死体の側にはジェームズの銃が落ちていたという。容疑者としてジェームズが逮捕され、マッカーシー親子が激しく口論しているのを、クラウダーの娘が目撃していた為、不利な立場に立たされていた。新聞によると、逮捕された時、息子は当然の報いだと口にした。死の間際、父はねずみ(ア・ラット)がどうとか呟いたという。ホームズの宿泊しているボスコムホテルに訪れたアリス・ターナーは、誤審だと主張する。ジェームズが法廷で証言を拒んだ口論の種は二人の結婚についてで、ジェームズの父は熱心だったが、アリスの父は反対していたという。ジェームズは22という若さからか、結婚には乗り気ではなかった。アリスはジェームズを心の底から愛していて、彼の無実をホームズに訴えた。全ての状況が不利に働いていたが、ホームズはジェームズに事情を聞きに留置所へ行く。久しぶりに里帰りしたジェームズは兎狩りに出かけると、父と沼で鉢合わせたが、父はなぜか早くここから消えろと急かす。口論の後、その場を離れてすぐに父の悲鳴が聞こえてきて、沼に戻ると父が俯せで倒れていたという。アリスとの結婚を拒んでいる理由は、若気の至りで酒場の年上女と結婚してしまったことにあった。新聞で死刑になることを知って便りを寄越した年上女はすでに夫持ちだったことを知る。現場に赴いたホームズは、実地検分の後、凶器は草むらに落ちていた石で、犯人は長身で左利き、右足が悪く、先の四角い狩猟用ブーツを履き、インド葉巻用のパイプで煙草を吸い、切れないペンナイフを持っている人物と断定した。

サー・ジェームズ・デマリー大佐の友人の娘バイオレット・メルビルが、グルーナ男爵との婚約を控えていた。グルーナ男爵は残忍な性格で、自分の妻をスイスとオーストリアの国境で殺害したとの噂が持ち上がっていたが、バイオレット・メルビルは全く意に介さない様子だった。高名な依頼人の名を明かさないデマリー大佐から二人の仲を裂くよう依頼されたホームズは、グルーナ男爵の邸に赴き、手を引くよう宣戦布告をする。殺人疑惑で動じないのなら、些細なことで彼女をグルーナ男爵から引き離せられるかもしれないと考えたホームズは、暗黒街に通じている肉屋のシンウェル・ジョンスンに頼んで、キティ・ウィンターなる女性を紹介される。キティは習作画のモデルだったが、かつてグルーナ男爵の愛人だった頃、ベッドの中で或る日記帳を読めとせがまれて拒むと、硫酸を浴びせられてモデルの出来ない体にされた。その鍵のかかった日記帳にはこれまでに付き合った女性の写真や名前、その他諸々のことが記載されていたのだという。いわば蝶の標本のように女性をコレクションしていた。キティとジョンスンがグルーナ男爵の手先に襲われるが、返り討ちにする。やがてホームズ自身にもグルーナ男爵の魔の手が伸び、二人の悪漢に襲撃されて大怪我を負った。体を気遣うワトスンだったが、予想よりも容態は良く、新聞に危篤の状態だと書かせてグルーナ男爵を油断させる。近々グルーナ男爵がアメリカ合衆国に旅立つことを知ったホームズは、ワトスンにこれから24時間中国の陶磁器について勉強するよう頼む。グルーナ男爵は無類の陶磁器コレクターで、国王の身代金ほどもある陶磁器の一対をデマリー大佐から借りたので、これをグルーナ男爵に持ち込んで足止めを計ろうとしたのだった。ワトスンは別人に化けて、グルーナ男爵の邸に訪れ、ホームズが日記帳を見つけるまで時間稼ぎを試みるが・・・・・・。




31/32 第五シリーズ 第三十一話 ショスコム荘 第五シリーズ 第三十二話 這う人
あらすじ あらすじ

ホームズは軍人傷病年金の半分を競馬につぎ込んでいるワトスンにショスコム荘について尋ねる。ワトスンの話によると、ショスコム荘で調教場を営んでいるサー・ロバートは危険な男で、数ヶ月前に金貸しブルーワーを鞭で叩いたことがあった。ホームズは金貸しサミュエル・ブルーワーの失踪の件で相談したいという電報が届いたと打ち明ける。暫くして依頼人ジョン・メイスンが221Bやって来て事情を話す。ショスコム荘のサー・ロバートは多額の借金を背負っていた。その借金を返すために自らが所有する競走馬ショスコム・プリンスに全てをつぎ込んでいたのだったが、馬が負ければ破滅の運命が待っていた。先日もブルーワーがやって来たが、今度来たら手痛い目に遭わせると忠告した。サー・ロバートの姉ベアトリスも馬好きで、午後になるとよく馬を見に来ていたが、ここ1週間は厩に立ち寄ることもなくなったどころか、あんなに仲が良かった弟とも口を聞かなくなった。メイスンは弟のサー・ロバートと激しい口論をしたと睨んでいた。姉ベアトリスは地代を得ていたが、サー・ロバートが使い込んでいたし、その地代もベアトリスが亡くなれば亡夫の弟に所有が移ることになっていた。更には水車小屋で鳴いていた姉の愛犬のジャスパーを処分しろと命じる。犬はサンディ・ベインにやり、ベインは青龍亭の主人に預けた。奇妙なことに夜になると度々サー・ロバートがどこかへ出かけるので、後をつけると、荒れ果てた教会で誰かと話し込んでいた。地下の暖炉からは人骨まで見つかる。サー・ロバートがサミュエル・ブルーワーを殺害したのではないかとメイスンは心配していた。ホームズはヨークの本命馬が絶好調との電報を打ち、サー・ロバートがショスコム荘から出払った隙に捜査を始めた。メイスンにあれから変わったことはないかと聞くと、地下室の暖炉で骨を見つけたハーヴィーが同僚の金を盗んで解雇されたという。青龍亭の主人からジャスパーを借りたホームズは、ベアトリス夫人の馬車が通る道で待ち伏せし、馬車が来ると犬を放すが、メイドが犬を近づけないよう追い払い、犬は馬車を追わなかった。更に地下の暖炉を調べると、S・Bの頭文字のついた財布が見つかる。

ワトスンの元に「暇ならば来い。暇でなくとも来い」との書き置きが届く。すこぶる機嫌の悪いワトスンが221Bを訪ねると、プレズベリ教授の娘は眠っていたのか否かという問題にホームズは直面していると打ち明けた。そんなことで呼び出されたのかとワトスンは呆れて詳細を問いただす。プレスベリ教授の下で秘書をしていたジャック・ベネットの婚約者イーデス・プレスベリは、夜中に何者かが自分の部屋に入ろうとしたのを目撃し、気絶してしまう。恐怖が拭えないイーデスはシャーロック・ホームズに依頼するよう頼む。教授との関係もあり探偵に頼むのは気が引けたものの、フィアンセの願いも断れず渋々ホームズの元に相談に訪れることにしたのだった。屋敷に赴いたホームズ達だったが、そこで予定より早く帰宅したプレスベリ教授と鉢合わせ、犬をけしかけられる。犬は勢いよく吼えたが、どちらかというと教授に向かって吼えているようだった。その後、今度はベネットが獣の影を見たというが、教授に疲れて何かと見間違えたのだろうと一蹴される。今一度教授の部屋を探索したホームズ達は、コマーシャル街のドラーク商会と何らかの取引があったことを突き止める。ワトスンが代わりに探りに行くと、二人組の男にナイフで脅された。221Bに戻りホームズに店と人物の特徴を述べると、おそらく口髭ウィルコットだと言う。動物園で猿の盗難が頻発していたことを新聞で知ったホームズは、ワトスンと共にドラーク商会に侵入する。地下室に猿の体液を採取する実験台があることを突き止める。口髭ウィルコックスと手下に襲われるが、返り討ちにし、ゴリラの檻に二人を閉じこめる。そんな折、プレズベリ教授が年の離れた年下の女性から婚約を破棄される。教授が部屋に閉じこもりで呼んでも怒鳴るだけなのを心配した二人はホームズの元に相談に訪れるが、犬のロイが吼えた期間が2日ずつ縮まっている事や、今日も小包が届いたことから、おそらく獣が現れると見たホームズ一行は、プレズベリ教授の屋敷に急行した。




33/34 《二時間スペシャルシリーズ》  第三十三話 犯人は二人 《二時間スペシャルシリーズ》  第三十四話 サセックスの吸血鬼
あらすじ あらすじ

ホームズは、愛想の良い笑顔と蛇のような心で人の心につけ込む恐喝王に関する事件を、老婦人から依頼される。クロフト子爵に絡む醜聞事件で、兄ジョージが売春婦とベッドに一緒にいたところを第三者に発見されて破滅に追い込まれたのだったが、弟のエドワードが兄を裏切った従卒ヴァイクの顔に向けて拳銃を発射、ヴァイクは裁判の後、行方を消した。兄の残された詩集から、「CAM Devil(悪魔 きたる)」の書き残しを手がかりに、ホームズ達は捜査を開始する。一方、婚約を控えていたドーキング大佐が騎兵隊司令部でピストル自殺を起こした。遺書の中にホームズ宛の手紙を見つけたレストレード警部は、221Bに赴き、事情を説明するようホームズに迫る。恐喝事件であることだけを示唆したホームズは、封筒の中から、美術商チャールズ・オウガスタス・ミルヴァートンの名刺を手に入れる。敵地探索を開始したホームズは配管工に化けて、ハムステッドにあるミルヴァートンの屋敷の中に潜り込み、仲睦まじくなったメイドから、屋敷内の様子を色々と聞き出す事に成功する。同じ頃、ミルヴァートンは次なる獲物を狙っていた。レディ・エヴァ・ブラックウェルで、ドーヴァーコート公爵との結婚を控えている身だった。エヴァはホームズの元に相談に訪れる。過去のラブレターを元にミルヴァートンから多額の金をゆすられていて、支払い猶予は公爵主催の婚礼を祝う舞踏会の日で、あと4日しかなかった。手紙を盗んだのはメイドのリリーで、友人シャーロットとドーキング大佐の破局を目の当たりにして思いついたのだろうという。エヴァの代理人として、直接ミルヴァートンを221Bに呼び出し、7000ポンドの値切り交渉を装って手紙を奪おうとするが、失敗。交渉中にもミルヴァートンの馬車が、恨みを買う者から斧で傷つけられる。諦めたホームズはミルヴァートンの屋敷に赴き、7000ポンドは支払うが、14日は舞踏会があるため、15日に支払いを猶予して欲しいと頼む。その頃221Bにはエヴァの叔母レディ・ダイアナ・スウィンステッドが訪れて、エヴァをゆすっている者の名前をワトスンから聞き出していた。別れ際に「あの男は黙らせるべきです」というセリフを吐いて立ち去る。手紙を取り戻すため、ミルヴァートンの屋敷に押し入ることを打ち明けるホームズ。ワトスンは頑なに反対するが、既に14日の舞踏会にミルヴァートンを誘い出す手筈を整えていた。渋々折れたワトスンは、ホームズと共に、ハムステッドのミルヴァートンの屋敷へと忍び込む。そこに現れたのは・・・・・・。

作家ジョン・ストックトンがサセックス州ランバリーの村に訪れてから、村人達は不安な日々を送っていた。ストックトンが鍛冶屋と馬車の修理について諍いになり、馬車で立ち去る際、振り向きざまに睨みつけると、鍛冶屋は血を吐いて即死。ペルーから戻ってきたファーガスン家に晩餐に招かれた時に赤ん坊に触れると、その後原因不明の病気で死んでしまったのだ。吸血鬼の噂で動揺に包まれた村を救って欲しいと、モリスン&ドッド法律事務所に紹介されたメリデュー牧師がホームズに依頼を寄越したのだった。吸血鬼の存在を信じるかと聞くホームズに、全然と答えるワトスン。索引で調べて、そのくだらなさに失望するホームズだったが、話を聞いていく内に依頼を引き受けることにする。ストックトンはランバリーにゆかりのある大地主セントクレア卿の子孫で、先祖の墓を探しに戻ってきたが、セントクレア卿は残酷な性格で、逆らう者に惨たらしい死を与えていた。19になる召使いが身籠もったまま教会に捨て置かれたことが発端で、村人達の怒りを買い、屋敷共々焼き討ちにあうが、身籠もった子供は生き延び、今でも村にはその子孫がいるという。ストックトンと共に廃墟へと赴いたホームズは、発狂するストックトンの指さす方角に幽霊を目撃する。赤ん坊が死んでからというもの妻はファーガスンと顔を合わせたがらなくなっていた上、息子のジャックまで取り込もうとしていたことでストックトンと口論になる。雨の中、屋敷から馬車で飛び出したストックトンは、スピードの出し過ぎで事故死してしまう。馬車の突っ込んだ木は、ジャックが落下した木と同じだった。孤立していたストックトンと、早くに母を亡くした孤独なジャックは、赤ん坊の葬儀をきっかけに、お互い心を通わせるようになっていたのだった。ストックトンの死後も、妻のメイドが夜事故現場を見物に行くと何者かに襲われ、首に二つの噛み跡が残る。ファーガスンの飼い犬が病気で弱っていた事に目をつけたホームズ。村人たちがストックトンの墓を暴くなどの混乱の中、ファーガスンはメイドの生き血を吸う妻を目撃する。




35/36 《二時間スペシャルシリーズ》  第三十五話 未婚の貴族 第六シリーズ 第三十六話 三破風館
あらすじ あらすじ

事件を解決した後のホームズの元には、取るに足らない依頼ばかりが舞い込んできて、すっかり滅入っていた。そんな状態の中、連日のように奇妙な夢を見る。その夢をスケッチブックに取り憑かれたように書き留めるのだったが、現実世界でも次から次へと奇妙な幻影に取り憑かれるようになる。不眠で夜を徘徊するホームズはイプセンの「幽霊」を稽古中の劇場に迷い込み、女優のフローラ・ミラーと擦れ違う。そこではライヘンバッハを彷彿とさせる滝壺の幻影を見た。心配したハドスン夫人に呼ばれたワトスンは、フロイトの夢判断についてホームズに講釈する。夢の内容はかつてのモリアーティ教授との死闘だった。空っぽの部屋に、張り地がズタズタになった椅子、バスカビル家の事件の際に訪れたグリンペン沼地から抜け出そうとする自分自身、男女ともつかぬ魔女のようなかぎ爪を尖らせた女が体を通り抜ける。それらの夢を繰り返し見るという。同じ頃、独身の貴族として知られたセント・サイモン卿は、アメリカの大富豪の娘ヘンリエッタ・ドーランと結婚することになっていたが、式の当日に花嫁が失踪してしまう。ヘンリエッタを見つけ出す依頼を221Bに持ち込むが、同じ頃、花嫁のウエディングドレスがハイド・パークの池から発見される。やる気のないホームズに代わり、ワトスンがサイモン卿の相手をしていたとき、ハドスン夫人からベールを被った女性からメモを預かったとホームズに渡す。そのメモには「モードとヘレナはいずこへ?」と書かれていた。サイモン卿が帰ると、ホームズはベールの女の人相をハドスン夫人に尋ねるが、ちょうど通りの向かいに件の女がいた。呼び止めるホームズだったが一足違いで、女は馬車で去っていってしまう。辛うじて女が誤って落とした手帳を手に入れたホームズは、ワトスンと共に手帳から女の素姓を明かそうと試みる。その後、ワトスンに伴われたモンゴメリー警部がホームズと対面し、フローラ・ミラーを逮捕した事を告げる。披露宴の日にサイモン卿と一悶着を起こしたり、花嫁と一緒にいるところを見たという証言があるだけでなく、以前ミラーはパーク・クラブの門前でセント・サイモン卿を狙撃したとの証言も得ていた。女優ミラーは、セント・サイモン卿のかつての愛人で、ウエディングドレスから発見されたメモに「例の場所にすぐに来るように。終日待つ F.M」と書かれていた事からも、ミラーが犯人であることは決定的だった。ホームズはなぜかメモの表ではなく裏を熱心に見る。同じ頃、ベールを被った謎の女が、ホームズに接触を図ろうとしていた。しばらくしてベールの女ヘレナ・ノースコートが221Bにやってくる。セント・サイモン卿と結婚していた姉のヘレナは、サイモン卿に財産を奪われ、精神病ということにされ、城に監禁されているのだという。監禁の状態の調査を請求するものの、調査員が城に訪れた際には、フローラ・ミラーがヘレナに扮して欺いていたのだった。アグネスは姉を取り戻そうと単身城に乗り込んだが、門番のトーマス・フルティエに襲われてしまう。ベールを取ると、アグネス・ノースコートの顔の半分には深い獣の傷跡が刻まれていた。ホームズとワトスンはヘレナを救出するためグラーヴン城へと赴く。同じ頃、フローラ・ミラーから全てを知らされたヘンリエッタ・ドーランも城へと向かっていた。

ワトスンが221Bのホームズの部屋を訪れると、黒人ボクサーがホームズを窓際に追いつめているところだった。話を聞くと、或る人物から頼まれて、これ以上ハロウの件で詮索しないよう忠告しに来たという。機転で恫喝屋を追い返したホームズは、手紙をワトスンに渡す。依頼主の名はメアリー・メーバリーで、三破風館にまつわる奇妙な出来事について相談したいという内容だった。ふたりはハロウ・ウィールドの三破風館へと赴く。三破風館の女主人メアリー・メーバリーは、ローマ大使館で書記官を務めていた孫のダグラスが病死してから、屋敷に一人で暮らしていた。ある日、不動産屋を名乗る男がやってきて、法外な値段で屋敷を買い取りたいのだが、条件として、身の回りもの以外の、家の中の家具から装飾品まで全てを持ち出してはいけないという。この条件のため、メーバリーは魅力的な申し出を断る。話の途中、聞き耳を立てていたメイドのスーザンがホームズに引き出され、スパイ行為を行っていたことを白状する。孫の死の1週間後に推薦状無しで雇ったという。先の黒人ボクサーと同様、スーザンもギャング集団バーニー・ストックデールの一味だった。孫のイタリアでの色恋沙汰が事件の遠因と見たホームズは、社交界のゴシップ記事執筆業ラングデール・パイクから情報を聞き出そうと試みる。渋々メモを渡されると、そこにはドイツの砂糖王の未亡人で、スペイン人の美女、イザドラ・クラインの名が記されていた。クラインはローモンド公爵との結婚を控えている身で、結婚に差し障りのある何らかの手紙を取り戻したいのではないかと推察する。華やかな仮面舞踏会の夜、公爵の母はこの結婚には賛成でないことをホームズに相談する。そんな中、三破風館に賊が押し入り、メーバリーを警護していたワトスンが黒人ボクサーに襲われ大怪我を負った。孫が書き遺した事件の鍵を握る私小説について打ち明けるメーバリー。決定的な証拠を手に入れたホームズは、イザドラ・クラインと対決する。




37/38 第六シリーズ 第三十七話 瀕死の探偵 第六シリーズ 第三十八話 金縁の鼻眼鏡
あらすじ あらすじ

アデレード・サベッジがホームズの元に相談に訪れる。夫のヴィクター・サベッジはオックスフォード・ロンバード銀行の重役だったが、詩作に熱中するあまり、アヘン窟に通うようになり、仕事への情熱が失せ、アヘン中毒になりかけていた。従兄のカルヴァートン・スミスが唆したと疑っていたアデレードは、ホームズとワトスンを、一同が会する晩餐会に招待する。ところが、晩餐会でのカーペット滑りの余興中に、ヴィクター・サベッジが倒れて数日後に絶命してしまう。アマチュア病理学者のカルヴァートン・スミスに寄ると死因はスマトラ病で、ロザーハイズのアヘン窟で感染したのではないかという。ヴィクター・サベッジの死で屋敷を含む遺産の全ては、遺言により従兄のカルヴァートン・スミスのものとなり、アデレード未亡人は屋敷を追い出されることになった。アデレードの依頼を受けて調査に乗り出したホームズは、衆目の集まる中、カルヴァートン・スミスに対して医学界から追放されるだろうと高らかに宣言する。その後、カーライルからローデシア・タバコが送られてくるが、血相を変えたハドスン婦人に呼ばれてワトスンがベーカー街の下宿先を訪れると、ホームズが同じスマトラ病に冒されていた。治療できるのは、専門家であるスミスしかいないから彼を呼ぶようワトスンに懇願するホームズ。血相を変えたワトスンに圧されてベーカー街221Bに訪れたカルヴァートン・スミスは、ヴィクター・サヴェッジの死の真相を、瀕死の探偵に耳打ちする。

コラム教授の秘書ウィロビー・スミスが何者かに首を刺されて殺された。現場はコラム教授の屋敷の廊下で、スミスの手には加害者の物と思われる金縁の鼻眼鏡が握られていた。メイドの証言によると、スミスは死の間際、メイドの耳に「先生、あの女です」とダイイング・メッセージを残していた。スタンリー・ホプキンズ警部に依頼されて捜査を開始したシャーロック・ホームズとマイクロフト・ホームズは、書斎の引き出しが荒らされていたのを発見したが、めぼしい物は入っていなかった。コラム教授の部屋を訪れて話を聞くが、要領を得ない。アレキサンドリア煙草に目がない教授でホームズも勧められたが、マイクロフトは嗅ぎ煙草を愛用していたので遠慮した。ウィロビー・スミスと付き合っていた、村の女性参政権運動の指導者アビゲイル・クロスビーに容疑がかかる中、ホームズはコラム教授の部屋である異変に気づく。




39/40 第六シリーズ 第三十九話 赤い輪 第六シリーズ 第四十話 マザランの宝石
あらすじ あらすじ

ハドスン夫人の友人であるウォレン夫人は下宿を営んでいたが、部屋から一週間以上も出ない奇妙な下宿人に気が滅入っていた。かつての下宿人でホームズに助けて貰ったエンリコ・フィルマーニから評判を聞いていて、ホームズに期待してやってきたのだった。ウォレン夫人の下宿には、週12シリングで貸す部屋が2階にあったが、一切部屋に入ってこないという条件で週3ポンド出すという依頼人が現れる。食事はベルが鳴ると部屋の前にある机に置いておくという具合だった。やる気を見せないホームズに代わって、ワトスン博士が独自に捜査に乗り出し、イタリア人エンリコ・フィルマーニの元を訪れるが、この行動が仇となり、フィルマーニは勤め先の劇場で喉を切られて殺害されてしまう。一方、フィルマーニが切り抜いていた新聞記事に、ナポリの赤輪党ブラック・ジョルジアーノの仕業と思われる殺人事件が8週間前にニューヨークで発生したとの記載があったことから、ジョルジアーノが今回の事件にも関与していると推測。また、危険を避けるため下宿先の人物が外部と何らかの方法で連絡を取り合っている可能性があると見て、デイリークロニクルの尋ね人欄を徹底的に洗い出す。そこには伝達暗号らしき記述が掲載されていた。そんな折、夫のウォレンが馬車で誘拐され、郊外で放り出されてしまう。おそらく謎の間借り人を誘拐しようと試みたのだろうと踏んだホームズは、部屋の前に鏡を置く。食事のトレイを取るために謎の間借り人がドアを開けると、鏡に映ったのは女だった。ホームズは女を説得し事の詳細を聞き出すことに成功する。フィルマーニ殺しの繋がりでホーキンズ警部の協力を得て、ピンカートン探偵社のリヴァートンもニューヨークからやってくることになった。

フランス政府に返還する予定になっていた110カラットのマゼラン・ストーンが何者かに盗まれた。カントルミア卿はシャーロックに宝石を取り戻すようマイクロフトを介して依頼するが、弟はスコットランドに行って留守だったため、代わりにマイクロフト自身が依頼を引き受ける。マイクロフトはブラッドストリート警部を伴って博物館に赴く。博物館員の証言によると、宝石が盗まれた日の閉館前には、ネグレット・シルヴィアス伯爵が訪れていた。シルヴィアス伯爵の元に赴くと、件の宝石を所有していることを堂々と仄めかす。宝石商にシルヴィアス伯爵が訪れたことを突き止めたマイクロフトは、店主からマゼランストーンの加工を頼まれたことや、数年前に腕利きの宝石職人ロジャー・プレズベリーが殺されたことを知る。

一方で、ワトスン博士の元には、ガリデブ老姉妹が訪れていた。同じガリデブと名乗る奇妙なアメリカ人がやってきて、アメリカで出会ったガリデブ氏の遺言により、3人の成人男子のガリデブが揃えば、500万ドルの遺産がその3人に譲られるというのだ。生物学者の兄ネーサン・ガリデブはすっかりその話に乗り気だったので、何とか思いとどませるようシャーロック・ホームズに依頼に来たのだった。遂に三人目のガリデブがバーミンガムで見つかったとガリデブから報告が来るが、その広告にはアメリカ風の綴りやバーミンガムにはない四輪馬車、井戸掘り機などが掲載されていた。ロジャー・プレズベリー殺しの犯人をブラッドストリート警部に洗って貰うと、シカゴ生まれのジェームズ・ウィンターなる人物に突き当たる。写真を見るとジョン・ガリデブだった。警部の話によると、ジェームズ・ウィンターはプレズベリーの助手で、5年の刑期を終えて2ヶ月前に出所したところだった。路上でホームズの使いからメモを受け取ったワトスンは、ガリデブ家の以前の下宿人についてガリデブ老姉妹に聞くが、4,5年前に忽然と姿を消し、その後は兄ネーサンが下宿人の部屋を占拠していた。同じ頃、宝石商が何者かに襲撃される。店主に呼び出されたマイクロフトは、ファン・セダーがロンドンに船で来ていることを教えられる。おそらくマゼラン・ストーンをそのままアムステルダムに運ぶのだろうと店主は読んでいたが、宝石の分割はプレズベリーの助手でも無理だとマイクロフトに教える。電報を受け取ったネーサン・ガリデブはバーミンガムへと赴く。ジョン・ガリデブが部屋にやってくると踏んだマイクロフトとワトスンは、ネーサンの部屋で待ち伏せをしていたが、案の定ジョン・ガリデブがやってきて、机を移動させ、地下室へと通じる蓋を開けて中へ潜った。そこはプレズベリーの宝石工房だった。ジョン・ガリデブことジェームズ・ウィンターを捕獲しようとするが、ワトスンが負傷してしまう。ウィンターはワトスンを刃物で脅しながらシルヴィアス伯爵と協定を結んでいた事を話すが、マイクロフトは「すでに伯爵はファン・セダーと共にアムステルダムへ出港した」と告げた。




41 第六シリーズ 第四十一話 ボール箱
あらすじ

クリスマスが近づいていた或る冬の日、221Bでは原因不明の墓暴きについて、ホーキンズ警部が報告に来ていた。ホームズはガルが怪しいと睨む。クリスマス・イブに警視庁に遊びに来ないかと警部から誘われ、ホームズは物憂げに「クリスマスか・・・」と呟く。数日後、スーザン・クッシングが、ホームズの元に相談に訪れた。毎週金曜には必ずお茶に来ていた妹のメアリー・ブラウナー夫人の連絡が途絶えたのを案じての事だった。尋ね人欄に広告を出せばいいとつれないホームズだったが、クリスマス・イブのパーティで、ミス・クッシングが届いたクリスマス・プレゼントを開けると、塩漬けにされた二つの耳が出てくる。ワトスンによると、二つは別人の耳だという。心辺りを尋ねたホームズは、もう一人の妹セーラについて話す。セーラは、下宿人のマルセルと仲を通じていたため、揃って家から追い出されたところだった。セーラの元に出向いて話を聞くと、メアリーはアレックと駆け落ちしたのだと言い張る。夫のジム・ブラウナーは酒飲みで度々メアリーに暴力を振るっていたというのだ。耳の送り主について心当たりがないか尋ねると、下宿を追い出されて恨んでいたマルセルの仕業だろうという。ホームズは彼女の証言を嘘だと見抜く。




主要登場人物
シャーロック・ホームズ:ジェレミー・ブレット(声:露口茂/諸角憲一)
世界で最も高名な探偵。常に知的刺激を求めることが最優先とし世間的には変人の類である。風変わりな事件の捜査には寝食を惜しんで当たるが、何事もなく退屈をもてあますとワガママになって荒れ、コカインに手を出す悪癖を持つ(NHK放映版では負の側面がほぼ全てカットされている)。本質は騎士道精神に満ち溢れた礼儀正しい紳士で友情にも非常に厚い。相棒ワトスンに人間的に全幅の信頼を置いている(知性に関してはその限りでない)。趣味でバイオリンの演奏をするときもある。論理の信奉者で、在り得ない事を除けば、如何に信じられないことだろうと真実であるという信条を持つ。多種多様な犯罪捜査に関する知識を持ち、当時の警察よりも先んじて指紋等の重要性に気付いている辺りに、先見性が伺われる。女性に対する視線は辛辣そのもの。だが才気や行動力を見せる女性に対してはその限りではなく、大家であるハドスン夫人には慈愛を持って接している。演じるジェレミー・ブレットは舞台の名優であり、エキセントリックかつ紳士という複雑なホームズ像を見事に表現。最高のホームズ役者として今なお知られている。役の重圧、妻の死去による双極性障害の悪化などから、幾度も降板の意志を示していたが、要望に応え続投。後期シリーズでは幼少時のリウマチ熱により弱っていた心臓の状態を喫煙や双極性障害の治療薬の副作用などで悪化させ、更に心臓病の薬の副作用で太ってしまうなど体調の芳しくない中、撮影途中で倒れてしまう事態に陥る。結局第6シリーズ終了後心臓麻痺で死去。原作全てを映像化という本シリーズファンの夢は潰えてしまった。
  ジョン・H・ワトスン



第1・2シリーズ:デビッド・バーク(声:長門裕之/金尾哲夫/立木文彦)
第3シリーズ以降:エドワード・ハードウィック(声:福田豊土/園江治)
ホームズの同居人かつ唯一無二の親友であり、話の語り手である医師。インドでの軍医経験があるが負傷して帰国し、友人を介してホームズと知り合う。奔放なホームズに悩まされることも多いが、常に友情と尊敬の念で彼を見守る。ホームズ曰く最高の相棒である。なお、原作よりは多少推理力・観察力が鋭くなっている。原作では結婚後開業医としてホームズとの同居生活に終止符を打つが、本作ではドラマ製作の都合から未婚のまま同居を続けている。初期シリーズでは血気盛んな若き元軍医をデビッド・バークが演じたが、家族と過ごす時間を増やしたいという理由で降板。作中でも第2シリーズ最終作最後の事件から次シリーズまで3年の空白があることから俳優交代はスムーズに行われた。後期ワトスンのエドワード・ハードウィックは穏やかな初老のワトスンを見事に演じ、作品のムードに落ち着きを与えている。

ハドスン夫人:ロザリー・ウィリアムズ(声:竹口安芸子)
ホームズが下宿するベーカー街221Bの家主。奔放な下宿人に相当手を焼いている。とは言えホームズの金払いの良さ、また彼が尊敬できる人物であることから、母のような立場で彼を見守っている。事件解決のためホームズが仮病を使った時、朝まで帰ってこなかった時などは心底から心配している描写が見られ、本作の人間関係の暖かさを象徴している。

レストレード警部:コリン・ジェボンズ(声:川辺久造)
ロンドン警視庁(通称スコットランド・ヤード)の警部。ある時はホームズに敵愾心を燃やして対抗し、ある時は目の前でホームズの才能を見せ付けられて賛嘆する。役人らしく尊大なところはあるが、自分の手に余る難事件の相談をもちかけにベーカー街の2人を訪ねることもある。ホームズが名声に興味を示さない質のために、事件解決の手柄を譲り受けている。
ブラッドストリート警部:ブライアン・ミラー(声:村越伊知郎)
スコットランド・ヤードの警部。行動的で標準的な捜査を行う。ホームズには協力的で一定の敬意を払っているが、時として行動を諌めたり諫言したりすることもある。



マイクロフト・ホームズ:チャールズ・グレイ(声:松村達雄:9話/それ以降:久米明)
シャーロック・ホームズの兄。ディオゲネス・クラブなるロンドン一風変わりなクラブの創設者の一人。シャーロックよりも頭脳は明晰であるが、行動力がないために探偵には向かないと兄弟は自分達を評している。その頭脳を買われて、英国政府の情報分析や政策決定に深く関わっているとされる。
本作においては後述する制作上の事情から登場作数も原作より増えた。演じるチャールズ・グレイの明朗さもあって、割と行動的な好々爺として描かれている。
ジェームズ・モリアーティ教授:エリック・ポーター(声:南原宏治)
シャーロック・ホームズ最大の敵。天才数学者という表の顔を持ちながら、ロンドンひいては欧州の犯罪を影で糸引く怪人物。ホームズの度重なる妨害に業を煮やし、彼の抹殺に乗り出す。本作においては、原作での初登場作となる「最後の事件」以前に放映された「赤毛同盟」において登場する。わずか2話のみの登場ながら、原作の挿絵にもよく似ている風貌のエリック・ポーターの重厚な演技により、いわば急遽登場したホームズの仇敵に恐ろしいまでの現実感が与えられた。

 


   主要登場人物

     サブタイトル一覧
第1シリーズ/The Adventures of Sherlock Holmes
第1話 ボヘミアの醜聞/A Scandal In Bohemia
記念すべき第一作。初短編集第一話の映像化。王族にも態度を変えないホームズの頑なさ、変装の妙技、そして全編を通じてホームズを驚嘆させた唯一の「あの女性」エレーナ・アドラー(原作訳本ではアイリーン・アドラー)の登場とバラエティに富んでいる。
第2話 踊る人形/The Dancing Men暗号解読の名シーンはNHK版では放映時間の都合でカットされてしまった。
第3話 海軍条約事件/The Naval Treaty
第4話 美しき自転車乗り/The Solitary Cyclistパブでボクシングを披露するホームズの若々しさが見物である。
第5話 まがった男/The Crooked Man
第6話 まだらの紐/The Speckled Band
原作において無理のあるシーンもスタッフの創意工夫によって忠実に映像化された。なおNHK再放送分より、一部語句が不適切な表現として変更されている。
第7話 青い紅玉/The Blue Carbuncle
軽妙なエピソードを愉快に映像化。クリスマスのムードに沿った救いのある演出が胸を打つ。



第2シリーズ/The Adventures of Sherlock Holmes
第8話 ぶなの木屋敷の怪/The Copper Beeches
第9話 ギリシャ語通訳/The Greek Interpreter
第10話 ノーウッドの建築業者/The Norwood Builder
レストレード警部初登場。原作中の焼死体をめぐる無理のある設定が若干変更されている。
第11話 入院患者/The Resident Patient
第12話 赤髪同盟/The Red-Headed League
奇抜な着想の名エピソード。本作では次回の伏線としてモリアーティ教授が登場、追加オリジナルとは思えぬ巨悪ぶりを示す。
第13話 最後の事件/The Final Problem
ライヘンバッハの滝での格闘シーン、及び墜落のシークエンスは白眉である。次シリーズの伏線として、滝周辺でワトソンがホームズを呼び続ける中、ワトソンに気付かれないように現場を去っていくホームズらしき人物の後姿が挿入されている。

第3シリーズ/The Return of Sherlock Holmes
第14話 空き家の怪事件/The Empty House
ホームズの帰還を描く。二代目ワトスンのお披露目でもあり、茶目っ気たっぷりのホームズ、失神するワトスン、快活なハドスン夫人、相変わらずのレストレードとキャラクター総出演が楽しい。
第15(18)話 修道院屋敷/The Abbey Grange
第16(17)話 マスグレーブ家の儀式書/The Musgrave Ritual
原作では昔話として語られるのみだが、本作ではワトスンを伴っての訪問中の突発事に変更されている。   
第17(16)話 第二のしみ/The Second Stain
放送訳題は「第二の血痕」になっている。
第18(19)話 もうひとつの顔/The Man with the Twisted Lip
邦訳題は「唇のねじれた男」が一般的であるがNHK基準に引っかかったか変更。内容に直結してしまっているのが難点である。
第19(15)話 プライオリ・スクール/The Priory School
第20話 六つのナポレオン/The Six Napoleons
レストレード警部が合流する機会の多いエピソード。日本では堺正章が有名にしたテーブルクロス引きをホームズがさりげなく行うシーンがある。



第4シリーズ/The Return of Sherlock Holmes
第21(23)話 悪魔の足/The Devil's Foot
幻想のシーンが印象的。この時期ジェレミーは降板を考えており、短髪なのはそのためである。      
第22(22)話 銀星号事件/Silver Blaze
第23(24)話 ウィステリア荘/Wisteria Lodge
原作は中篇。怪奇趣味を演出するあるシチュエーションは時代にそぐわないため削除されている。
第24(25)話 ブルース・パーティントン設計書/The Bruce-Partington Plans
第25(21)話 四人の署名/The Sign of Four(2時間スペシャル:日本では前後編)
第26話 バスカビル家の犬/The Hound of the Baskervilles(2時間スペシャル:日本では前後編)

第5シリーズ/The Casebook of Sherlock Holmes
第27話 レディ・フランシスの失踪/The Disappearance of Lady Frances Carfax
第28(29)話 ソア橋のなぞ/The Problem of Thor Bridge
馬車が主流だった時代に、シリーズ初の自動車(1901年型メルセデス)が登場する。
第29(28)話 ボスコム渓谷の惨劇/The Boscombe Valley Mystery
第30(31)話 高名の依頼人/The Illustrious Client
第31(30)話 ショスコム荘/Shoscombe Old Place
当時19歳のジュード・ロウが出演している。
第32話 這う人/The Creeping Man
原作での無茶な設定を怪奇趣味を施すことで映像化している。

2時間スペシャルシリーズ
第33(34)話 犯人は二人/The Master Blackmailer
シリーズ唯一のホームズのキスシーンが見られる、非常に珍しい作品。
第34(33)話 サセックスの吸血鬼/The Last Vampyre
同名原作を元にしてはいるが脚色が多く、話としては別物。
第35話 未婚の貴族/The Eligible Bachelor
原作「独身の貴族」「花嫁失踪事件」を元にした一作。



第6シリーズ/The Memoirs of Sherlock Holmes
第36話 三破風館/The Three Gables
原作においてホームズが黒人をののしるシーンがあるが(初期の原作では見られなかった差別意識である)、台詞態度とも真摯なものに変更。
第37話 瀕死の探偵/The Dying Detective
第38(40)話 金縁の鼻眼鏡/The Golden Pince-Nez
ワトスン役のハードウィックのスケジュールの都合でマイクロフトが三度登場。
第39(38)話 赤い輪/The Red Circle
第40(41)話 マザランの宝石/The Mazarin Stone (with The Three Garridebs)
戯曲を書き直した原作に、「三人ガリデブ」を組み合わせて映像化されたもの。ジェレミーが発作を起こし撮影直前に入院したため、登場シーンはマイクロフトに変更された。よって冒頭、終盤のジェレミーの出演は別撮りである。
第41(39)話 ボール箱/The Cardboard Box
復帰したジェレミー演じる最後のホームズである。

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