HOME Ken & Mary's Second Life

海外紀行 日本紀行   札所紀行 温泉紀行 Archives HIT-PRADE 日曜名画座 MAMI SITE-MAP RETIREMENT
Ken&Maryの日曜名画座
K&Mセカンドライフ名画鑑賞録
毎日が日曜日SecondLife
『一日一膳』 『一日一名画』 日曜名画座
尼僧物語  1959年(アメリカ) ★★★★  2001年宇宙の旅 1968年(アメリカ) ★★★★
主演:オードリー・ヘップバーン    監督スタンリー・キューブリック 主演:ケア・ダレー  
あらすじ あらすじ

ベルギーの都会ブルージスの家を棄てて、ガブリエル・バン・デル・マル(オードリー・ヘップバーン)は修道院に入った。医師として有名な父バン・デル・マル博士をはじめ、弟妹たちや恋人ジャンの住む俗世との縁を絶って、修道志願女としての彼女の生活が始まった。師長のシスター・マルガリタや、シスター・ウィリアム、修道院長マザー・エマニュエルのもとで、厳しい修道の日日が彼女に課せられる。沈黙、謙譲と没我、絶えざる反省と自己叱責の連続に、落伍していく修道志願女たちもあった。正式の見習尼となる前の日、ガブリエルは、俗世と自分を結ぶ唯一のきずなであるジャンに贈られた黄金の飾りのついた鉛筆を捨てた。こうして、彼女は見習尼となり、シスター・ルークの名を与えられた。彼女の望みは、やがて看護尼としてコンゴに派遣されることだった。熱帯医学の学校にやらされることになった彼女は、そこで、かつてコンゴにいたことのある、同じコンゴ行きを望むシスター・ポーリンとの反目に苦しんだ。マザー・マルセラは、彼女に謙譲の心を示すために、わざと試験に失敗することができるかと聞いた。しかし、苦しみの末、結局彼女は優秀な成績で試験に合格し、シスター・ポーリンとともに学校を卒業した。ブリュセル近郊の精神病療養所での奉仕の生活を経て、彼女は、かねて望みのコンゴに派遣された。シスター・ルークはここでヨーロッパ人病棟を受けもたされた。外科医フォルテュナティ博士(ピーター・フィンチ)の下で働くこととなった彼女は、無神論者ではあるが磊落な彼の人柄に何かひかれるものを覚えた。博士の有能な助手として、彼女の仕事は休む暇もなかった。ハンセン病患者収容所を経営するブエルミュレ神父を奥地に訪ねたり、現地民の青年イルンガを寛容の心によって信仰に帰依させたりして、彼女の生活は続いた。過労による結核菌の感染もフォルテュナティ博士の手あてによってなおった。だが、シスター・ルークはベルギーに呼びもどされた。故国はナチスの軍隊にふみにじられようとしていた。しかし聖職者は地下運動に参加を禁じられていた。父が死んだ報せを聞き、かねてから教えの道に忠実であろうとすればするほど苦しみを重ねてきた彼女は、遂に修道院を出ることに意を決した。必要書類にサインし、自室で元の衣服に着がえた彼女は、1人静かに修道院の扉をあけ、街路に歩を進めた。

旅客用宇宙飛行機オリオン号がケープケネディ空港から月に向かって飛び立った。旅客の中にはフロイド博士(ウィリアム・シルベスター)がいる。彼は最近月面で発見された謎の物体について専門技術家、学者たちが月の基地で開く会議に出席するのである。約1時間後、第5宇宙ステーションに到着した。やがてフロイド博士は月宇宙船エアリーズ号に乗りかえ、2日後に月世界に到着。月の基地では謎の物体をめぐる議論に花がさき、博士は物体をこの目で確かめるため、数人の科学者とともに、月の1キロほど上空を飛ぶ月バスに乗り、問題の場所、テイショ火口に行った。現地では石碑のような物体が発掘され、木星に向かって強烈な放射能を発射していた。この事件は、地球人が、ほかの惑星の何者かから挑戦を受けた、最初の出来事である。この事件を調査するため、科学者たちは、原子力宇宙船ディスカバリー号で木星へ向かって旅立った。宇宙船を操縦していたプール飛行士(ゲイリー・ロックウッド)とボウマン隊長(キア・デュリア)は、コンピューターからのただならぬ注意信号を受信した。2時間半後に原子力宇宙船に故障が起こる、というのだ。プール飛行士は宇宙カーに乗りこみ、アンテナを取り替えた。ところが、コンピューターはまたもや次の故障が起こると予言してきた。プール飛行士は再び宇宙カーに乗りアンテナ取り替え作業を始めたが、こんどは彼自身に事故が起こり、宇宙服の命綱が切れて暗黒の宇宙空間に放り出された。ボウマンは、もう1隻の宇宙カーに乗り、プール飛行士を助けに行ったが、宇宙カーが自由に動かない。やっと接近したものの、マジック・ハンドの装置がいうことをきかず、プール飛行士を助けることはできなかった。急いで母船に帰ろうとしたボウマンが格納庫に近づくと、急にドアが閉まり、中に入れないばかりか、宇宙船の内部では人工冬眠のカプセルにも故障が起こり、冬眠中の科学者が次々と死んでいった。一体、このような事故は何故起きたのだろう? すべての原因はコンピューターが人間を支配しはじめたのである。ボウマンはコンピューターを壊した。そして再び人間が指導権をとった。果てしなく広がる宇宙空間。人間が完全に支配する日も、そんなに遠くはないだろう……。




二都物語  1957年(イギリス) ★★★  ニュー・シネマパラダイス 1989年(イタリア・フランス)★★★
主演:ダーク・ボガード  ドロシー・テューティン  セシル・パーカー    主演:フィリップ・ノワレ ジャック・ペラン サルヴァトーレ・カシオ  
あらすじ あらすじ
優れた才能を酒に溺れさせるロンドンの弁護士シドニー・カートン(ダーク・ボガード)は、ルシー・マネット(ドロシー・テューティン)を愛したが、彼女は彼と瓜二つの亡命フランス貴族チャールズ・ダーネイ(ポール・ゲール)と結婚した。貴族の圧制に対する不満の高まるパリで、憎悪を一身に集める従兄のサン・テヴレモンド侯爵をきらって、ダーネイは英国に名をかえて亡命していたのである。しかし、ルシーの父マネット医師が、かつて十八年間も従兄の侯爵のためバスチーユの獄にあった身とは知るよしもなかった。マネット医師は釈放の後、パリで酒場をやるもとの召使デファージュに助けられ、旧友ジャーヴィス・ロリイ(セシル・パーカー)の力で娘と再会、ロンドンで生活していたのだった。そのころ、パリではサン・デヴレモンド侯爵が名もない一市民に暗殺されたのを機として、暴徒と化した民衆の蜂起により、革命が起り、旧い制度は葬られ、その下に恩恵をうけた人間が続々と断頭台に送られていた。侯爵の召使ガベルとその娘マリー(マリー・ヴェルシニ)が、貴族に仕えていたというのみの理由で獄に送られたのを知ったダーネイは、危険をおかして単身パリに急行したが、自身も貴族の故をもって捕えられた。ルシー父娘と召使プロスは、弁護士カートンに同行をたのんで裁判に急ぎかけつけ、老医師がバスチーユの受難者であることを証明して、ルシーの夫ダーネイを無罪にした。しかしデファージュ夫人により、侯爵の暴虐を訴える老医師自身の昔の手紙が反証として提出され、再びダーネイは死刑となった。絶望に沈むルシーの姿に、カートンは今こそ酒に溺れた生活の償いの時のきたのを悟り、容姿の似ていることを利用してダーネイの身代りとなり、彼をルシー父娘と共に英国に逃し、自からは断頭台に立った。 現在のローマ。夜遅く帰宅した映画監督のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(ジャック・ペラン)は、留守中に母(プペラ・マッジョ)からアルフレードが死んだという電話がかかっていたことを知らされる。その名を耳にした途端、サルヴァトーレの脳裏には、シチリアのジャンカルド村での少年時代の思い出が甦るのだった−−。当時、母マリア(アントネラ・アッティーリ)と妹の三人暮らしだったサルヴァトーレ(サルヴァトーレ・カシオ)はトトと呼ばれ、母親に頼まれた買物の金で映画を観るほどの映画好きだった。そんなトトを魅了していたのは映画館パラダイス座の映写室であり、また映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)たった。パラダイス座には司祭(レオポルド・トリエステ)の検閲があり、そのせいで村の人々はこれまで映画のキス・シーンを見たことがなかった。トトはいつも映写室に入り込む機会を窺っていたが、アルフレードは彼を追い返そうとする。が、そのうち2人の間には不思議な友情の絆が結ばれてゆき、トトは映写室でカットされたフィルムを宝物にして集めるのだった。しかしある日、フィルムに火がつき、パラダイス座は瞬く間に燃え尽きてしまう。そしてトトの懸命の救出にもかかわらず、アルフレードは火傷が原因で失明してしまうのだった。やがてパラダイス座は再建され、アルフレードに代わってトトが映写技師になった。もはや検閲もなく、フィルムも不燃性になっていた。青年に成長したトト(マリオ・レオナルディ)は、銀行家の娘エレナ(アニェーゼ・ナーノ)に恋をし、やがて愛を成就させ幸せなひと夏を過ごすが、彼女の父親は2人の恋愛を認めようとせずパレルモに引っ越しし、トトは兵役についた。除隊後村に戻ってきたトトの前にエレナが2度と姿を現わすことはなかった。アルフレードに勧められ、トトが故郷の町を離れて30年の月日が経っていた。アルフレードの葬儀に出席するためにジャンカルド村に戻ってきたトトは、駐車場に姿を変えようとしている荒れ果てたパラダイス座で物思いに耽るのだった。試写室でアルフレードの形見のフィルムを見つめるサルヴァトーレの瞳に、いつしか涙があふれ出す。それは検閲でカットされたキス・シーンのフィルムを繋げたものであった。



 ニューヨークの王様 1957年(イギリス)★★★  ニキータ  1990年(フランス)★★★
主演:チャールズ・チャップリン ドーン・アダムス オリヴァー・ジョンストン  主演:アンヌ・パリロー  ユーグ・アングラード  チェッキー・カリョ 
あらすじ あらすじ
王様シャドフ(チャールズ・チャップリン)はヨーロッパの小国エストロヴィアからアメリカへ亡命した。革命のため国を追われたのだ。ニューヨーク空港に着くと、王様は指紋をとられた。自由の国のはずなのに。ホテルに落着き、散歩に出たが、街の騒音、ロックンロール、性転換映画、西部劇の射ち合いなど、散々な目にあった。翌朝、目覚めたら、王様は一文なしになっていた。総理大臣が王様の財産をそっくり持ち逃げしたのだ。王様は生活問題に直面した。隣の部屋から歌声が流れてき、王様が鍵穴からのぞくと、美女が風呂に入っていた。テレビ・アナウンサーのアン・ケイ(ドーン・アダムス)が、王様を自分のショウ“パーティめぐり”に出演させるために近づこうとしたのだ。王様は彼女が気に入り、クロムウェル夫人のパーティに出席し、ごきげんになって大はしゃぎした。放送されていたと知って、王様は怒ったが、もう全米の人気者になってい、いろんなスポンサーが出演を申しこんできた。みんな断ったが、財政が底をついてき、ついにウィスキー会社の申し出を受けた。本番のとき、王様は生れて始めてのウィスキーにむせかえったりして大騒ぎになる。みごとに酔っぱらった。失敗と思ったら、最高の宣伝とスポンサーは大喜びした。−−王様は学校を訪問した。乱暴者ぞろいの生徒の中で、学校雑誌の編集をしているルパート少年だけは変っていた。この十歳の少年がマルクスの本を読んでいたのだ。王様はいろいろ論じあい、二人は仲よしになった。数日後、雪の中を少年が通りかかったので、ホテルにあげて話をきくと、両親が共産主義者として非米活動委員会に調査され、少年も追われているといった。少年は捕り、王様も彼をかくまったかどで委員会に呼びだされた。エレベーターの中で消火ホースにいたずらしたら、指が抜けなくなり、王様はそのまま証言台に立った。委員会を侮辱するもの、−−立場は不利になった。消防夫が火事と思って消火栓につなぎ、水がふき出、王様はやっと指が抜けた。委員たちは頭から水を浴びた。しかし王様の嫌疑は晴れた。−−王様は自由の国アメリカを去り、ヨーロッパへ帰ることにした。王様はアンと少年に見送られ、飛行機に乗った。見る見るニューヨークが遠去かった。 パリの路上に生きる粗暴な不良娘ニキータ(アンヌ・パリロー)。麻薬中毒の彼女は薬屋を襲撃しようとして3人の警官を射殺してしまう。ニキータは無期懲役刑を言い渡されるが、その生存能力の高さに政府の秘密機関が目をつけ、工作員として働くことを強要される。初めは抵抗したニキータだったが、選択は一つしかないことを知り、教育係のボブ(チェッキー・カリョ)による厳しい訓練に耐え、先輩のアマンド(ジャンヌ・モロー)のアドバイスもあって3年後には美しい女殺し屋に変貌していた。23歳の誕生日に初めて外出を許されたニキータは、ボブに連れていってもらったレストランで拳銃を与えられ、暗殺指令を受ける。無事仕事をこなした彼女は一人前の秘密工作員として認められ、コードネームをもらった。そんな日々の中、ニキータにも初めての恋が芽生えた。相手はスーパーのレジ係マルコ(ジャン・ユーグ・アングラード)。しかし婚約者となっても彼には秘密を打ち明けることはできなかった。ソ連大使館から機密情報を奪取する指令を受け潜入するが失敗し身も心も疲れきったニキータにマルコは仕事をやめろと言う。彼は全てを知っていたのだ。ニキータは一人逃亡し、残されたマルコは機密情報のマイクロフィルムをボブに渡し、ニキータを守ってくれるよう頼んだ。静寂の中、言いようのない寂しさが2人を包んでいた。





二十四の瞳  1954年(昭和27年) ★★★★★ 
西の魔女が死んだ 2008年(平成20年) ★★★★ 
主演:高峰秀子   主演:サチ・パーカー  
あらすじ あらすじ

昭和三年四月、大石久子は新任のおなご先生として、瀬戸内海小豆島の分校へ赴任した。一年生の磯吉、吉次、竹一、マスノミサ子、松江、早苗、小ツル、コトエなど十二人の二十四の瞳が、初めて教壇に立つ久子には特に愛らしく思えた。二十四の瞳は足を挫いて学校を休んでいる久子を、二里も歩いて訪れてきてくれた。しかし久子は自転車に乗れなくなり、近くの本校へ転任せねばならなかった。五年生になって二十四の瞳は本校へ通う様になった。久子は結婚していた。貧しい村の子供達は卒業を迎えても誰一人望み通り進学出来ず、母の死んだ松江は金比羅の食堂へ奉公に出された。八年後−−その頃擡頭した日本の軍国主義は久子を教壇から追い、大東亜戦争は夫まで殺した。島の男の子は次々と前線へ送られ、竹一等三人が戦死し、ミサ子は結婚し、早苗は教師に、小ツルは産婆に、そしてコトエは肺病で死んだ。久子には既に子供が三人あったが、二つになる末っ子は栄養失調で死んだ。終戦の翌年−−久子は再び岬の分教場におなご先生として就任した。教え児の中には、松江やミサ子の子供もいた。一夜、ミサ子、早苗、松江、マスノ、磯吉、吉次が久子を囲んで歓迎会を開いてくれた。二十四の瞳は揃わなかったけれど、想い出だけは今も彼等の胸に残っていた。

中学3年になったまい(高橋真悠)の元に“魔女”が倒れたという知らせが届く。祖母の家に向かう車の中で、まいの母(りょう)から祖母の訃報を聞く。魔女とは、英国人で、まいの母方の祖母のことだ。まいは2年前のことを思い出す。中学に入学したまいは、登校拒否になる。母は、“西の魔女”と呼ぶ祖母(サチ・パーカー)の家にまいを預ける。祖母は魔女の血筋で、草木についての知恵や知識を受け継ぎ、物事の先を見通す能力を持っているという。まいは自分も魔女になりたいと思い、修行を始める。魔女の修行とは、『早寝早起きをし、食事をしっかりとり、運動をし、規則正しい生活をする』ということと、『何事も自分で決める』といことだった。草原で摘んだワイルド・ストロベリーでジャムを作ったり、野菜やハーブを育てる生活は、まいの閉ざしていた心を解きほぐしていった。しかし近所に住むゲンジ(木村祐一)の言動に、まいは心をかき乱される。それでも彼に寛大に接する祖母を、まいは理解できない。遂にある出来事により、2人は心にわだかまりを残したまま、まいは祖母の家を離れることになった。まいは久々に祖母の家を訪れる。静かに横たわる祖母を前にして、不本意な別れ方をしたことを後悔するまい。しかし、祖母との約束を思い出したまいは死んだ西の魔女から、最後のメッセージを受け取るのだった……。




日本の面影(HNKドラマ) 1984年(昭和59年)  ★★★★★ 荷車の歌 1959年(昭和34年)  ★★★ 
主演:ジョージ・チャキリス 檀 ふみ 津川 雅彦
17回テレビ大賞優秀番組賞受賞作品 
主演:三國連太郎  
あらすじ あらすじ
ハーンは中学校と師範学校で英語を教える。月100円という。大工日当換算なら今の300万円ぐらいだ。先進国になった今でもこれほど取れる人はごくまれである。生徒は私語一つせず指命されれば元気に立ち上がって返事をする。江戸期の私塾はこんなだったのだろうとおもう。現代の中学校からは想像もできない真剣さだ。だが、ハーンはあるとき生徒の思考が画一的で創造力に乏しいと不満を述べる。蛍という題で作文させれば中国の蛍雪の説話からの発想しかできず、蛙という題では柳に飛びつく蛙である。よく時代を捉えていると思った。やがて彼は日本人の食生活の貧しさに気付く。動物食をもっと取らねば西洋文明をものにできないと苦言する。西田教頭が誤解して、夫人にビフテキの馳走を命じる。ハーンは宿で毎朝生卵10?個と牛乳を用意させ、お腹に悪いと担当女中を心配させる。習慣の違いからしょっちゅう出てくるハーンと周囲の食い違いは、どれもこれもコミカルで楽しいシーンである。西田教頭が病気になったと夫人がハーンに告げる場面がある。ハーンは、夫の不幸をなぜにこやかに笑みをたたえながら話すのだといかぶる。知るものには喜劇である。彼は宿住まいの気疲れから逃れようと一軒持つが、折からの冬の寒さに参ってしまう。紙一枚(障子)で雪寒が防げるかと、この時ばかりは日本を大いに恨む。松江の八雲旧宅は見学したことがある。結婚後移り住んだ家で、一人住まいを始めたときの家ではない。上級武家屋敷だった。確かに暖炉囲炉裏の設備のない寒々しい家屋だった。松江の武士は、火鉢だけで、今よりずっと寒かった山陰の冬を過ごしたらしい。とうとう風邪を引き発熱で寝込んでしまったとき、小泉せつが、西田の斡旋で急遽住み込み女中となって、ハーンの身の回りの世話を始める。独身外国人男性の家の住み込み女中は噂の種になった。実際にはハーンは手を着けなかった。後々の幸福の準備段階として肯ける。せつは月20円も手当に貰えるのだから妾奉公覚悟で出ていると周囲に云う。確かに20円は破格である。あまりデータはないが、金沢の江戸末期の武家の下女はなにもかも入れても年1両にならなかったし、大阪の宿屋では上の女中が年4両ぐらいだった。換算したら明治前期は高くて月3円が相場である。小泉一家は典型的な没落士族である。幕末に500石を取っていた上士中の上士の家系だが、明治に入ってからのお決まりの武士の商法でスッテンテンになり、今は貧しい長屋住まいになっている。あてにならぬ男共に代わって、せつが仕立物や機織りで一家を支えていた。複雑なのはせつが稲垣家の養女という立場にあることで、それに出戻りだった。出戻りと言ってもまだ22なのである。城山稲荷神社のお狐さまはハーンのころは2000体を数えたそうである。現代人には怖くも恐ろしくもないが、あの頃はどうだったのだろうと見物したときは思った。ともかく独特の雰囲気がある場所だ。それが画面に出てくる。求婚前のハーンの心を写すのにいい背景である。ハーンはもう40歳だった。ハーンはせつを娶ったことにより、小泉、稲垣両家の扶養を纏めて引き受ける羽目になる。中国残留孤児の老婦人が日本に引き揚げたとき、係累の中国人20人ほどもが同伴来日定住し、我々を吃驚させたことがあるが、明治のころの日本の一族という観念は今の中国のそれに似ていたと云えるのだろう。親族だけのささやかな挙式だった。神前結婚などは後世のものである。親族はせつが外国人になってしまうと反対し、籍を入れなかったという。ハーンは家庭に恵まれぬ育ちだったから、急にたくさんの親族を得て、少なくとも初めは素直に喜んだ。彼は結婚を機に転勤願いを書く。理由は冬の寒さと扶養家族の増加であった。転勤先は熊本の第五高等中学校であった。給与は倍の月200円に上がった。引っ越し家族は、女中の信と稲垣家の3人を合わせ6人だった。稲垣家をなぜ同居させるのか、当時の感覚は現代人には理解しがたい。小泉家はその後大阪に移るが、扶養は相変わらずだし、せつの弟がさらに資金をせびりに熊本まで来たりする。熊本での逸話に登場する人物の中では、伊丹十三演じる英語主任・佐久間先生が実にユニークである。皮肉が効きすぎるものの言い様に加え、話の途中に挿む奇妙な笑い声は忘れがたい。もう一人、真行寺君枝演じる雪女も印象的であった。映画の怪談では、岸恵子が観客の想像力に訴える素晴らしい演技を見せたが、真行寺はもっと若々しい雪女で見せてくれた。物語をせつと相談する場面がある。雪女は伝承民話だろうが、detailはせつとの合作であるらしい。隣家に入った強盗と家人とのやりとりはまことにけっさくで、前世の因縁から商道徳まで、時代を治めていた倫理観の縮図を見る思いだった。穏やかで人情味豊かな松江に対する荒々しい熊本の気風の対比、家族をえたハーンの新しい戸惑いなど、結婚から熊本までの第3部はこのシリーズでもっとも面白い1作である。第4部はそれまでの日本賛美に対する反動から始まる。ハーンはアメリカに戻ろうとさえ思うが、家族と親族を除けば自分にはなにも残らないと達観し、日本に帰化してライフワークとしての日本論を完成させようとする。盛名はすでに高く、東京帝国大学教授に400円の月給で任用される。彼は狭心症で死ぬ。狭心症は胸の痛みを伴うから、相当以前から死の予感はあったはずだ、と思うとせつに覚悟を促す姿は自然である。

明治二十七年--広島県の山奥の村。地主の屋敷に女中奉公するセキは、郵便配達夫の茂市に求婚された。茂市は、一銭も月給の上らない配達夫を止めて、荷車ひきになると言った。茂市に好意を感じていたセキは、勘当の身となりながらも嫁いだ。二人は、一台ずつ荷車を引いては村を出て、往復十里の道を町へ通った。やがて車問屋になる日を胸に描きながら。姑はセキに冷たく、茂市の弁当箱には米の飯をつめ、セキの弁当には粟飯をつめるような人だった。セキはやがてオト代を生んだ。オト代は気性の勝った娘に育った。祖母の荒い仕打ちに逆いいびられ通しのオト代は、コムラ夫婦に貰われていき、村を去った。セキは次々と子供を生んだ。姑が病気で倒れると、セキは心の底から看病をした。姑も、涙をこぼしセキの手を取って死んでいった。--茂市とセキは、車問屋を始めることが出来た。が、間もなく鉄道が通じ、山奥の村からは荷馬車が荷を運ぶようになり、手車は時代の波に取り残された。子供たちはそれぞれ一本立ちするようになった。オト代と次女のトメ子は結婚し、長男の虎男は鉄道の機関手、末っ子の三郎は電車の運転手になった。セキの上にも幸福な日が訪れたかに見えた。だが、茂市には隠し女があった。茂市は、オヒナというその女を家に連れこんでしまった。大東亜戦争--虎男も三郎も召集された。そして戦争は終ったが、三郎は戦死し、茂市は泥田の中で倒れて死んだ。「セキよ、長い間ようこらえてくれた。……」とセキの手を取りながら。茂市の葬式には、子供や孫たちがやって来た。供養にササ餅を作ろうとセキは言い、薪とササを取りに孫たちを乗せ、力強い足どりで荷車をひいた。行手には、戦地から帰った虎男の姿があった。










人間の条件 第一部 純愛変  1959年(昭和34年) ★★★★   人間の条件 第二部 激怒編  1959年 ★★★
主演: 仲代達矢 新珠美千代  山村 総    主演: 仲代達矢 新珠美千代  山村 総 

あらすじ あらすじ
空前のベストセラー五味川純平の半自伝的小説を、小林正樹監督が映画化したヒューマニズム巨編。戦争に懐疑的でありながら、否応なく戦地に駆り出された男の信念と苦悩を通して、戦争の不条理さを描いた全六部構成の超大作。第一部「純愛篇」では、太平洋戦争のさなか、招集免除を条件に南満州にある鉱山に労務管理として妻とともに赴いた梶が、現場の不正と闘いながら、労働者たちの劣悪な待遇改善のために奮闘する。  会社の増産目標を達成し表彰される梶。だが、過酷な労働実態から脱走者が相次ぐ。ついには、見せしめのため七人の労働者が脱走犯のぬれぎぬを着せられ、処刑されることになってしまう。一方裏で脱走を手引きし甘い汁を吸う者もおり、梶と親交の深かった中国人の若者は、利用されたあげく自らの命を絶ってしまう。そして脱走犯とされた労働者たちが処刑される時を迎えるが、梶は決死の覚悟で処刑を中止させようとする。



人間の条件 第三部 望郷編  1959年 ★★★   人間の条件 第四部 戦雲編  1959年  ★★★
主演:仲代達矢 新珠三千代 佐藤慶  主演: 仲代達矢 佐田啓二 川津祐介 
あらすじ あらすじ
時招集令状が届き、厳寒の地に送られた梶は、古参兵の理不尽な仕打ちに耐えながら厳しい訓練を受けていた。妻の美千子は、労働者処刑事件での梶の無実を訴えた手紙を中隊長宛てに送るが、この手紙によって梶は思想犯の兄を持つ新城とともに上から目をつけられてしまう。そんな折、美千子が梶のもとを訪れるが、これが二人一緒に過ごす最後の夜となった。その後、梶に命の危機が・・・。 九死に一生を得て、病院で目覚めた梶はしばしの療養ののち退院し、軍に復帰。そこで昔の友人・影山と再会し、少尉となっていた彼から初年兵の教育を手伝ってほしいと頼まれる。梶は引き受ける交換条件として、内務班の編成を変えることを要求。厳しい上下関係の中で非人道的な行為が横行する軍隊組織を少しでも変えようとする。やがて戦況が悪化し、影山は戦死。前線での壮絶な戦いの中、梶は目の前で仲間を次々と失っていく。



人間の条件 第五部 死の脱出編  1961年  ★★★ 人間の条件 第六部 曠野の彷徨編  1961年 ★★★
主演:仲代達矢 新珠三千代 中村玉緒  主演: 仲代達矢 高峰秀子 川津祐介 
あらすじ あらすじ
敵の攻撃を受け、梶の隊は彼を含む3名を残して全滅。関東軍が事実上崩壊したと判断した梶は、敗残兵としてひたすら歩き続け、迷い込んだ密林で避難民と遭遇する。梶たちが持っていた食料で何とか食いつなぎ、どこまでも続く密林を進む中、彼らは飢えや食虫毒から次々と亡くなっていく。何とか密林を抜けても、生きるための闘いの日々が続き、梶の目の前にはさらなるむごい現実がつきつけられる。 梶たちは、老人と女性ばかりの開拓部落へと行きついた。部隊を解散し各自の意思で行動しようとしたやさき、敵軍が通りかかり、梶たち敗残兵は全員降伏。敵地へ連れていかれ、過酷な労働に従事する。そこで捕虜を管理していた桐原は梶に恨みをもっており、梶を陥れようと画策する。ある事件で激しい怒りと絶望を味わった梶は、桐原と対決した夜、収容所を抜け出す。



にあんちゃん  1959年(昭和34年)  ★★★★★  人情紙風船   1937年 ★★★★
監督: 今村昌平. 出演: 長門裕之, 松尾嘉代, 沖村武 監督 山中貞雄 出演 中村翫右衛門 河原崎長十郎
あらすじ あらすじ

昭和二十八年の春。佐賀県にある鶴ノ鼻炭鉱では、ストライキが行われていた。そのさなかに、安本一家の大黒柱である炭鉱夫の父親が死んだ。残された喜一、良子、高一、末子の四人の子供たち。喜一は二十歳になったばかりだ。安本一家が住んでいる山の中腹の長屋の人たちも、皆その日暮しの苦しい生活をしていた。長屋の子供たちは学校へ弁当も満足には持っていけない。喜一が失業した。一家共倒れを防ぐため、高一と末子を辺見家にあずけ、喜一は良子と長崎に働きに出かけた。しかし、辺見家でも生活は苦しく末子は栄養失調になった。赤痢が発生した。末子も罹病した。保健婦のかな子と、末子の担任教師桐野が働いた。やがて、決定的な時が来た。会社が炭鉱を廃坑すると宣言したのである。人々はやむなく家をたたみ、山を下りていった。高一と末子も、帰って来た喜一に連れられて、閔さんの家に引きとられた。しかし、汚ない堀立小屋で異臭がひどく、夜逃げして炭鉱に戻った。−−桐野はかな子をハイキングに誘った。が、かな子の答えは冷たかった。許婚者がいたのだ。高一も働きに出かけた。漁港の荷運びだ。喜一は佐賀のパチンコ屋に就職した。かな子は東京に転勤になった許婚者を追って鉱山から去った。高一は東京へ行った。しかし、東京へ着くとすぐ警察に保護された。中学生が、それも一人で九州から職を探しに来たという話に、不審に思った自転車屋の主人が警察に連絡したのである。送り返されて高一は炭鉱村に帰った。嬉し泣く末子の肩を抱きながら、やはり兄妹一緒に生きていこうと思った。

江戸貧乏長屋浪人の首吊りが発生、役人が調べに来る。長屋の住人である髪結いの新三は、長屋の連中で浪人の為にお通夜をしてやろうと言い、大家を説き伏せてをせしめる。お通夜が行われるが、長屋の連中はがただで飲めると喜び陽気な馬鹿騒ぎを行う。同じ長屋にいる浪人の海野又十郎は、父の知人の毛利三左衛門に仕官の口を頼みに行くが、邪険に扱われ相手にしてもらえない。その毛利三左衛門は質屋である白子屋の店主の愛娘お駒をさる高家の武士の嫁にしようと画策している。しかし当のお駒は番頭の忠七とできている。新三は自分で賭場を開いていたが、ヤクザの大親分弥太五郎源七の怒りを買い散々な目にあってしまう。そのせいで金に困り、髪結いの道具を白子屋に持ち込むが相手にしてもらえない。海野又十郎は、懲りずに何度も毛利三左衛門に会いに行くが、ある日どしゃぶりの雨の夜に「もう来るな」と言われてしまう。同じ日の夜、忠七が店へ傘を取りに戻っているのを待っているお駒を見かけた新三は、彼女を自分の長屋に連れて帰ってしまう。白子屋の用心棒をしている弥太五郎源七を困らせる為だ。誘拐を知った白子屋、嫁入り前の大事な時だと源七らを使って、長屋にお駒を引き取りにくるが、新三は源七らを追い返してしまう。その後、大家の計らいで、お駒は無事に白子屋へ帰され、大家と新七は50両の大金を得、その夜、その金で宴会をする。誘拐の片棒を担いだ又十郎も分け前の金を貰って宴会に行くが、真面目だと思われていた又十郎の行為に長屋の女房たちは良い顔をしない。それを知った妻のおたきがとったは…




ニッポン無責任時代  1962年(昭和37年) ★★★  憎いあんちくしょう1962年(昭和37年)★★★
. 出演:植木等 重山規子 ハナ肇 出演:石原裕次郎 浅丘ルリ子 芦川いづみ
あらすじ あらすじ
口八丁、手八丁の平均(たいら・ひとし)は、バー「マドリッド」で太平洋酒乗ッ取り話を小耳に挟んだ。太平洋酒の氏家社長に同郷の先輩の名を持ち出し、まんまと総務部勤務になった均の初仕事は、大株主富山商事の社長を買収することだった。小切手一枚で見事成功。新橋芸者まん丸も彼の凄腕にコロリ、係長に昇進とは全く気楽な稼業である。しかし三日天下とはよくもいったもの、乗ッ取り男・黒田有人が富山の持株を手に入れたと判って、均はたちまちクビになった。黒田の黒幕は山海食品社長大島良介だが、彼の娘洋子はボーイ・フレンドの氏家孝作と駈け落ちをした。さて、均は新社長就任パーテーで黒田に会ったが、余興と宴会のとりもちの巧さから渉外部長に返り咲いた。ところで伝統ある太平洋酒が山海食品の子会社になるとは、太平側の社員にしてみれば無念な話である。一方、トントン拍子の均の下宿にマドリッドの女給京子、芸者まん丸、太平洋酒の女秘書愛子が押しかけ、恋のサヤ当てを始めた。均は愛子の猛烈なキッス攻めにフラフラである。その頃、大島邸を訪ねた黒田が令嬢洋子の結婚話を切り出したところ、彼女には氏家孝作という好きな相手がいると判った。均の次の仕事は、太平洋酒の商売仇である北海物産からホップの買いつけである。均は煮ても焼いても食えない北海の石狩社長を、桃色フィルムとお座敷ヌードで攻略したが、美人局の真似とはもってのほか、そのうえ公金横流し、御乱行がバレてクビになった。だが転んでもただ起きない均は、洋子の縁談のことで大島と黒田が頭を痛めていると知るや洋子の居場所をタネに、氏家社長の復職を迫った。かくて一転、二転、三転、晴れてその日は氏家家と大島家の結婚式、タキシード姿で現れた均が北海物産の新社長とは誰が知ろう!
北大作はマスコミから追いまわされる「現代のヒーロー」で、映画出演、テレビ座談会、司会、原稿執筆等々、一分一秒まで予定で埋っている。そんな彼を支配するのは、マネジャー兼恋人の榊典子という近代娘。二人は二年前から「ある瞬間」がくるまで、指一本ふれないという約束をかわしている。時間で動く機械のような生活に倦怠を感じている大作の前に、井川美子が現れて情勢は一変した。「ヒューマニズムを理解できるドライバーを求む。中古車を九州まで連んでもらいたし。但し無報酬」という奇妙な三行広告が、大作の受け持つテレビ番組とりあげられたのが事の始まり。美子の恋人で医師の敏夫は、九州の片田舎に住んでもう二年も離れたままだが、今なお二人の間には純愛が続いている。大作の体中の血がたぎった。「僕が運びます!」彼が本番最中のテレビ・スタジオを飛び出したので、典子やディレクターの一郎は大あわて。典子はスポーツ・カーで、ジープを飛ばす大作を追った。いち早くこの事件から新番組を企画した一郎たちの取材班、新聞社の車がそれに続いた。静岡、豊橋、名古屋、京都−−。典子は愛する大作の突飛な行動を正当化し、話題の焦点にしようと一芝居打つが、それは失敗に終った。大作の心には、井川美子の純愛をたしかめることしかないのだ。幾多の困難を排してジープは一路九州へ。福岡の山笠まつりの混乱の中で、群衆にもまれた典子は大作に救い出された。大作は典子との間にあった倦怠が崩れ、ついに「ある瞬間」がやってきたのを知った。阿蘇の大噴火口を越えると、目的地は近い。洗川村では美子と敏夫が大作を待っていた。ジープを渡した大作は、東の空にのぼる太陽を見つめて、典子に叫んだ。「さあ、きょうから僕たちの第一日目だ!」と−−。



日蓮と蒙古大襲来 1958年(昭和33年) ★★★  紅の豚 1992年(平成4年)★★★ 主題歌:さくらんぼの実る頃
. 出演:長谷川一夫 市川雷蔵  勝新太郎  監督:宮崎駿  声:森山周一郎 加藤登紀子 岡村明美
あらすじ あらすじ
十幾年の求道の遍歴を終えた日蓮--蓮長は「吾れ今日より日本の柱とならん」と、故郷安房の土を踏み、清澄寺に集った人々の前で開宗第一声を放った。現在の仏法はすべて邪法だ、法華経以外に真の平和は得られぬと説く彼の言葉は、人々の期待を裏切り、追放される身となった。しかし彼の両親は改めて説かれ最初の法弟子となった。力を得た蓮長は名を日蓮と改め、救国救民の首途についた。鎌倉に庵を結んだ日蓮は、弟子日昭を得、連日、南無妙法蓮華経の旗を掲げ辻説法をつづけた。他宗信者の迫害もあったが、国を愛する彼の信念は強く、帰依者も増えた。日蓮は数々の予言を含め為政者の反省を求める立正安国論を幕府に提出した。が、日蓮を憎む幕府の重臣極楽寺重時らによって草庵を焼討ちされた。日蓮は新弟子日朗と難を避け身を隠したが、そのころ起った大地震で鎌倉が崩壊するや、隠れ家を出て難民救済に当ったため幕吏に発見され、伊豆へ流罪となった。しかし日蓮の救国に捧げる真摯な態度は若き執権補佐北条時宗に聞え、時宗は日蓮の流罪を解いた。かくて数年、日蓮の予言が事実となって現れ始めた。九州博多には世界を席捲した蒙古からの使者が到着した。時宗は蒙古の世界制覇の野望を見破り、使者を追放した。一方日蓮も蒙古船の訪れこそ国難の前兆と、各方面に警告の書状を発し時宗に面会を求めた。が、日蓮を敵視する時宗の母や執事頼綱のため国を乱す狂僧として捕えられ、竜の口で処刑されることになった。刑場へ行く途中、日蓮の祈りで雷鳴が起り、再び難を免れたが、今度は佐渡へ流刑となった。やがて、日蓮が警告しつづけた異国侵略は事実となり、文久十一年夏、蒙古十万の軍船が来寇、壱岐、対馬を血祭にあげるや直ちに博多湾に迫った。時宗は鎌倉武士の出陣を命ずるとともに偉大なる予言者日蓮を、丁重に鎌倉へ迎えた。時宗は日蓮を伴い博多へ出陣した。が、数をたのむ蒙古軍は意外に強く、箱崎、博多が焼き払われた。日蓮は博多の一角で敵国降伏を祈りつづけた。すでに三割の軍勢を失った日本軍は遂に翌日の決戦を迎えることになった。ところが、その夜、突如として起った暴風雨は、蒙古の軍船を木の葉の如く奔弄、全艦隊を博多湾海底深く葬り去った。夜を徹して祈りつづけた日蓮の前には日輪が厳かに昇りつつあった。 第一次大戦時、イタリア空軍のエース・パイロットだったポルコ・ロッソ。彼はある事がもとで自分に魔法をかけ、豚に姿を変えた。今ではアドリア海にはびこる空賊を捕らえる賞金稼ぎ。その彼を煙たがる空賊達はポルコを倒すため、アメリカのパイロット、ドナルド・カーチスを雇い入れた。腕はやたら立つくせに、どこか陽気で女に惚れっぽい気のいい奴だ。彼は、エンジンの不調に手を焼くポルコを待ち伏せて、まんまと撃墜に成功する。ポルコのかつての飛行機仲間であり、今はホテル・アドリアーノのマダムであるジーナに一目惚れしていたカーチスは、ポルコがいない間に彼女に言い寄るが、私には待っている人がいると、あっさりかわされてしまう。ポルコは壊れた愛機を馴染みの修理工場ピッコロ社へと運び込む。そこで出会うピッコロの孫娘・フィオ。艇の設計改造をやるという彼女に、ポルコは一旦は憤慨するものの、熱意に満ちた彼女に負けて全てを任せてしまう。快活で屈託のない彼女の姿がポルコには新鮮に映った。そして完成したポルコ艇は想像通り完璧だった。やがてフィオはポルコ艇に乗り込み、彼と行動をともにする。蘇った艇を操り、ようやくアジトに戻ったポルコたちを待ち受けていたのは、例の空賊どもだった。地上でポルコを襲う彼らの卑劣さにフィオは激怒し、彼らにポルコ対カーチスの再試合を迫る。そこへ颯爽と登場するカーチス。高飛車に出ようと格好をつけるカーチスだったが、フィオを見るなり再び一目惚れ。彼女を賭けるという条件で話に乗ってしまう。決闘の前夜、ポルコはフィオにせがまれるままに、第一次大戦での体験を語った。そして遂にやって来た決闘当日、大勢の空賊やフィオに見守られながら大空中戦を繰り広げるポルコとカーチス。果ては2人の殴り合いとなりポルコはカーチスを倒すのだった。




二等兵物語  1955年(昭和30年)★★★ 喜劇 にっぽんのお婆ちゃん 1962年(昭和37年)  ★★★ 
. 出演:伴淳三郎, 花菱アチャコ, 松井晴志  監督:今井正 出演:ミヤコ蝶々 北林谷栄 飯田蝶子  
あらすじ あらすじ
終戦も間近い昭和二十年六月、古川凡作は令状を受けて入営する朝、急な神経痛の発作で足腰が立たなくなった。乳母車で入営した発明心に富む凡作は、「不髄の身が乳母車で入営」と思わぬ英雄扱いを受けた。新聞でこれを読んだ初瀬悦子という女性が感激のあまり、慰問に来てくれ、凡作は有頂天だった。だが、軍隊生活は正気の沙汰とは思われないほど厳しい。ある夜、こっそり悦子と逢った凡作は弾薬庫の近くで、うっかり煙草の吸殻をこぼれた石油の中に捨て、やっとのことで消しとめたが、駈けつけた隊長の若林から殊勲甲と激賞され、従卒に抜擢された。役目は隊長と妾マリとの連絡係である。だがへマをやったばかりに、隊長の奥さんからマリと結婚しろと迫られた。凡作は親友柳田二等兵の親子愛に持前の義侠を発揮して、柳田の招集解除を交換条件にマリと式をあげた。ところが、隊長は言を左右にして約束を果たさず、金鵄勲章でごまかしてしまった。凡作は悦子の誤解をとくため、女装して軍需工場へ潜り込むがスパイ容疑で憲兵につかまり、本物の八路軍のスパイが現れるまで赦されなかった。やがて終戦の日、若林隊は大混乱に陥り、隊長以下古参兵たちがあさましくも物資を奪い合うのを見るや、怒りに燃えた凡作は銃で脅かして、全員を整列させた。そして、日頃のウップンを思い切り晴らしたうえ、彼らに反省を求めた。一同の心にも凡作の熱意は通じ、全員は一つ心になって泣いた。復員の日、迎えに来た悦子と柳田の息子に「これから何の発明をするの」と訊かれた凡作は、「いつまでも平和がつづく機械を作るのだ」と昂然と答えた。

秋の陽ざしも弱々しい浅草仲見世。レコード屋の前で橋幸夫の「木曽節三度笠」を聴きながら、サトとくみはすっかり意気投合。くみは工員を八十人も使っている製靴工場の御隠居だそうだし、サトの方も息子夫婦がポリエチレンの会社をやっていて、これまた全くの楽隠居だという。それにしてはくみの服装が粗末だし、サトの顔にも生気がない。焼鳥屋の店員昭子が楽しそうな二人に声をかけ、自分の店に案内する。ビールをあおって二人はご機嫌だ。やがて店を出たサトたちは、街角で化粧品のセールスマン田口と知り合う。女房とのノロケ話に二人は過ぎし昔の結婚生活を思いうかべて涙ぐむ。夕ぐれ近く、二人は田口と別れた。その頃、郊外の老人ホーム福寿園では、福田園長たちが蒼くなっていた。このホームのお婆さんがひとり、遺書まで残して失踪したからである。ゆうべ配給になったドラ焼が一個なくなり、無実の罪をきせられた彼女が腹いせに飛び出したのだと、元洋傘直し屋の兼井がいう。園長は警察に電話をかけた。松屋デパートのネオンが隅田川の水面に映りははじめた頃、二人のおばあちゃんは吾妻橋のまん中にしゃがみ込んでいた。サトが、実は息子と嫁に邪魔にされて死場所を探しに家出たと打ち明ければ、くみも「私もそろそろ世の中においとましようと思ってたのさ」と、意外なことをロ走った。老人ホームを飛び出したのは彼女なのだ。川を覗いてはドブ臭いからとあきらめ、都電では車輪が鉄で痛かろうと迷っていると、巡査につかまった。二人は親切な昭子を思い出して孫だといったため、焼鳥屋の寮に送られ「木曽節三度笠」のにわか講習で元気をとり戻す。が、再び巡査に会い、サトは“鬼の夫婦”が住む都営住宅へ、くみは老人ホームへ戻されてしまう。一夜明けて……朝から嫁と口論をはじめたサトはテレビのつまみをひねるうち、きのう別れたくみの大写しを見た。福寿園の中継放送である。その夜「わては友達のとこへ行くわ。あんたのとこには、もう厄介にならんでよろし」と、サトは啖呵をきって横になった。あしたにでも、くみをたずねて行くつもりか、風呂敷包みがひとつ、彼女の枕許においてあった。



 人間の証明 1977年(昭和52年) ★★★  逃げる女2016年(平成28年)NHKドラマ ★★★★
. 出演:岡田茉莉子 高沢順子 松田優作    . 出演:水野美紀  仲里依紗  遠藤憲一 賀来賢人    
あらすじ あらすじ
東洋的な風貌を頬に刻んだひとりの黒人青年が、ニューヨーク・バンクで六千ドルの大金を白人紳士から受け取り、みすぼらしいスラムをあとに、一路東京へと飛び発った。キスミーに行くという言葉を残して。東京ロイヤル・ホテルの四十二階で、人気絶頂の女流デザイナー八杉恭子のファッション・ショーが始まって間もないころ、エレベーターの中で、黒人が胸にナイフを突き刺し、西条八十詩集を抱いたままその場に倒れて死んでいた。男の名は、ジョニー・ヘイワード。麹町署に捜査本部を置き、警視庁の那須班の刑事たちは、エレベーター・ガールの証言から、ジョニーが死にぎわに口走った“ストウハ……”という言葉を最初の手がかりとして、捜査を開始した。棟居刑事とベテラン刑事横渡らは、現場近くの潜水公園を検証し、そこで古い麦わら帽子を発見した。ストウハ……、それはストロウ・ハット(麦わら帽子)のことなのか?−−その夜、別の場所で車による轢殺事件が起きた。東洋技研の新見部長に、家の近くまで送られてきたホステスのなおみが車から降りて間もなく、別の方向から走ってきた車にはね飛ばされた。運転していた郡恭平は、女友達の路子と共に、なおみの死体を車に担ぎこみ、海に棄てた。一方、なおみのことが気にかかり、彼女と別れた場所に戻った新見は、そこで血のにじんだ時計を見つける。それは息子の恭平に、八杉恭子が買い与えた物だった。ニューヨーク市誓の刑事ケン・シュフタンは、日本からの依頼で、ジョニーの身元捜査のため、彼のアパートを訪ね、そこでパーク・アベニューに住む、ライオネル・アダムスの名を記したメモを見つけた。アダムスの話によると、数カ月前、彼の車にぶつかってきたウィルシャー・ヘイワードという名の黒人に六千ドルを要求され、彼の息子のジョニーに支払ったという。一方、失踪した愛人のなおみを追っていた新見は、時計の持主が郡恭平であることをつきとめた。新見から依頼を受けた棟居と横渡が、郡家を訪れると、すでに恭平はニューヨークへ発ったあとである。恭平が事故を起こした事を知った恭子が、彼を国外へ逃がしたのであった。郡家からの帰途、おでん屋に立ち寄った棟居と横渡は、酔い痴れた客が、西条八十の詩の中の“霧積”と言葉を口ずさむのを耳にする。ジョニーが言った“キスミー”それは、もしかすると、この霧積のことではないのか? 早速その霧積へ飛んだ棟居と横渡は、この地に古くから住む中山たねという老婆が、昔、霧積にやって来た黒人の親子連れを見かけたことがあるという話を聞きこみ、そのたねのもとへ駈けつけたが、たねはその直前に殺されていた。棟居らは、たねのいとこよしのから、たねが終戦直後、横須賀でバーを開いていたこと、そしてその店で意外な女性が働いていたことを知った。中山たねが、昔見かけた黒人の親子連れというのは、この女と、ウィルシャー・ヘイワード、そしてジョニーのことではないだろうか。ウィルシャーが、わが身を犠牲にしてまで、息子を日本へ旅立たせた訳は、ジョニーを母に会わせるためだったのではないだろうか? そして、日本へやって来たジョニーと、この母との間に何かが起きた−−棟居はいっきにニューヨークに飛び、25分署のケン・シュフタンとコンビを組んで、ジョニーの父親ウィルシャー・ヘイワードの捜査を開始したが、意外にも日本とアメリカの二人の刑事は、宿命的な絆によって結ばれていたのだ。戦後30年、さまざまな生き方をしてきた人々が、見えない一本の糸にからまれるように、深く関り合う。東京とニューヨークを結ぶこの捜査がすすむにつれ、事態の展開は、息をのむような新しい事実をほりおこし、また意外な事件を生んでゆく…。
えん罪が晴れて、8年ぶりに刑務所を出所した梨江子。児童養護施設での殺人事件の犯人とされていたのだ。梨江子は、アリバイを否定した親友のあずみを探しはじめる。長年苦しんだ梨江子に周囲はなおも冷たい。苛烈な取調べを行った刑事の佐久間は、償いの気持ちで梨江子を案じる。が、若い刑事の安藤は、状況を冷静に見ていた。梨江子は自分をえん罪におとしいれたあずみを探すうちに、勤めていたカフェにたどり着く。が、女主人の綾乃から、あずみは新婚旅行中と聞き、衝撃を受ける。あずみを待つ梨江子は、カフェの女主人・綾乃の飾らない人柄に、ふと安らぎを感じる。嵐の夜、カフェに美緒が突然現れる。再会に戸惑う梨江子。傍若無人な美緒を、綾乃も持て余す。一方佐久間と安藤は、梨江子を案じつつ新たに起こった殺人の捜査を始めるが...。かつて梨江子を裏切ったあずみは、待ち合わせ場所に現れなかった。梨江子は綾乃の元を離れ、再びあずみを探す旅に出る。なぜか執拗についてくる美緒を振り払うことができない。一方佐久間と安藤もあずみの失踪を知り、ちらつく梨江子と美緒の姿に、不審を抱く。情報を得たい梨江子は、高校時代の友人・深見を訪ね、あずみの秘められた一面を改めて知ることに。そして思いがけず、父・喬雄ら家族に再会するが...。梨江子と美緒の周囲で殺人が起きていることに、佐久間は動揺する。追ってきた佐久間と安藤から、美緒は巧みに梨江子を逃がす。佐久間たちは、父親の喬雄や、友人の深見らに梨江子の居所を尋ねる。が、その強い反感から、えん罪事件の残した傷がいかに大きいか、を悟る。裏切ったあずみをなおも探す梨江子は、児童養護施設の先輩職員・斉藤を訪ねる。斉藤は、事件の真相を明らかにするべく、梨江子のために力を尽くしてくれた人物でもあった。梨江子と美緒は、あずみと施設で一緒に育った千夏のもとへ。千夏が不在の間、留守番をすることになった二人。お互いの気持ちは反発と共感を繰り返しつつ近づくが、行き違いから美緒は去ってしまう。安藤は、のちの美緒らしき少女が関わった陰惨な事件に行き当たる。一方、発見された水死体があずみではないかと、半信半疑の佐久間。梨江子の過去を探ろうと、児童養護施設の先輩職員・斉藤を訪ねる。追ってきた佐久間と安藤から、またも逃げ出した梨江子と美緒。逃避行のうちに、梨江子は美緒に対して愛しさに似た気持ちを覚え、かたくなだった自分の変化をも感じる。が、そんな矢先、あずみの水死体が上がったことを知る。美緒を責めるが、自分を殺せと迫る彼女を突き放せない。佐久間たちが近づいていることを知り、梨江子はある決意を固める。が、美緒の拳銃が思わぬ結末を導く。



 日本の黒い夏 冤罪 2000年(平成12年)  ★★★   日蓮 1979年(昭和54年) ★★★ 
 出演: 中井貴一  寺尾聰   細川直美     出演:萬屋錦之介   田村高廣    岸田今日子   中村嘉葎雄
あらすじ
1995年初夏、松本市。高校の放送部に所属するエミとヒロは、一年前に起きた“松本サリン事件”での一連の冤罪報道を検証するドキュメンタリー・ヴィデオを制作していた。ふたりが訪れたのは地元のローカル・テレビ局。この放送局以外、どこも協力的ではなかったのだ。さて、局では報道部長の笹野と彼の部下で記者の花沢、浅川、野田がふたりのインタビューに答えてくれた。彼らは、事件当時の取材の様子を回想する。それは、閑静な住宅街で突然起こった死傷者を多数出した有毒ガス事件だった。翌日、警察は事件の被害者であり、第一通報者でもある神戸俊夫の自宅を容疑者不詳のまま殺人容疑で家宅捜査し、数種類の薬品を押収。その中から青酸カリが見つかったことから、神戸が薬品の調合ミスを犯して有毒ガスを発生させたとのではないか、という見解を示した。一方、スクープが欲しいマスコミ各社は、裏が取れていないにもかかわらず、警察情報として神戸が犯人であるかのように受け取れる報道を開始。更に、それを鵜呑みにした視聴者は神戸一家を迫害し始めた。もはや、神戸が犯人であることを誰もが信じて疑わなかった。事件で意識不明となった妻を抱え、自らも幻覚幻聴に悩む神戸は戸惑いを隠せない。ただ、笹野だけはあくまで裏が取れていないという理由から、神戸容疑者報道を控えていたが、彼にも視聴率を取りたい上司から圧力がかかり、視聴者や番組のスポンサーからもクレームが寄せられていた。やがて、有毒ガスはサリンであることが判明した。しかも、サリンは一サラリーマンの家庭で作られるようなものではないことも分かる。そんな中、あるカルト集団の影が捜査線上に浮上してくる。しかし、警察上層部は捜査結果を無視して、見込み捜査と情報操作を押し進めようとするばかり。そして3月、東京で地下鉄サリン事件が発生してしまうのである。話を聞き、幻滅するエミたち。笹野は、そんな彼らに報道する“目”、あるいはそれを受け取る“目”を期待していきたいと言った。とそこへ、カルト集団がサリン事件の犯行を認めたとの配信が届く。その後、笹野は容疑の晴れた神戸の特番を制作、番組は反響を呼んだ。 日蓮は承久四年、安房小湊こ生まれた。幼名は善日丸、父貫名重忠は遠州の領主だったが領地争いに敗れ、妻梅菊と共に安房に流された。流民の子と迫害される善日丸をやさしくいたわる地主の娘浜夕も鎌倉武士に嫁ぐため小湊を去る。孤独な善日丸は天台の名刹清澄寺に入り修業すること四年、剃髪して是聖坊蓮長と名乗り、その後、鎌倉寿福寺で禅の修業をする。しかし、禅や念仏では民衆の窮状を救えないとの疑問を抱いた蓮長は比叡山へ向かう。比叡山での厳しい修業、奈良、京都の寺々を廻り、求道十年、ついに蓮長は法華経こそ釈迦の説いた本当の教え、最高至上の仏教との確信を得て、その布教に生涯を捧げる決心をし、故郷の安房へ帰った。ある早朝、清澄山の山頂に立った蓮長は、自ら日蓮と名を改め、東海から昇り始めた太陽に向かって「われ日本の柱とならん、眼目とならん、大船とならん」と叫んだ。鎌倉に戻った日蓮は「極楽浄土は、この世にある。法華経を信ぜよ」と辻説法を説いていると、奇しくも幼馴染の浜夕と再会する。日蓮の努力は徐々に実を結び、浜夕と夫の工藤義隆の入信、また日昭、日朗、比企熊本、四条金吾等の弟子も出来、信者も増えはじめた。その頃、鎌倉では飢饉、疫病、地震等の災害が相次いで起り、民衆の窮乏はその極に達し、この惨状を憂う日蓮は「立正安国論」を書いて北條時頼に提出し、政治を正して民衆を救えと要求するが、逆に時頼に伊豆に流されてしまう。二年後、赦面された日蓮の布教活動は増々活発となり、その行動を危険視した平頼綱は日蓮を斬首しようと謀るが、謀略を知った執権北條時宗は赦免使を立てて日蓮を救おうとする。断罪直前、大竜巻が起り幕府方は人馬もろとも宙に舞い日蓮は奇跡的に難を逃れたが、佐渡に流されてしまう。しかし、佐渡での言語を絶する寒さと飢えの中を、阿仏房夫妻の情で生きぬいた日蓮は、そこで「開目鈔」「観心本尊抄」等の代表作を完成する。やがて「立正安国論」で驚告した日蓮の予言が的中し、蒙古軍が日本に迫って来た。北條時宗は日蓮を赦免し、敵国降伏の祈祷の協力を要請するが、日蓮は幕府が法華経を主経と認めることを条件として、禅の信者の時宗と対立する。絶望して身延山に入った日蓮に、さらに、弟子、信者が拷問虚殺されるという悲報がもたらされる。弘安四年、闘いと迫害の生涯を生き続けた日蓮もすでに六十歳、ついに花の咲く日を見ることが出来ぬと悟り、如何なる困難に遭遇しようとも法灯を守りつづけてくれるように弟子たちに切々と頼む。翌弘安五年秋、風雲児日蓮はその多難な生涯を閉じた。



濡れ髪三度笠 1959年(昭和34年)★★★  ★★★ 
. 出演: 市川雷蔵 本郷功次郎 淡路恵子    出演:  
あらすじ あらすじ
十一代将軍家斉の三十八番目の若君長之助は、老臣久保寺平左街門とともに幼少より岡崎藩にあずけられ、居候的な生活を送っていた。その彼が突然甲州鷹取藩五万一千右の城主に封ぜられることになった。老中堀尾備前守は自分の娘が生んだ家斉の若君を鷹取藩主にするため、長之助殺害を企んで岩間五郎太をさしむけた。かつて、岡崎で長之助を救ったことのある旅鴉濡れ髪の半次郎は、鉄火肌の女お蔦、のんきな大阪者弥次喜多の二人と共にの道中で、江戸に向う長之助主従と会った。半次郎は同じ宿で、年貢の金を用だてるため身売りの旅に出ている田舎娘おさきと知りあったが、長之助と彼女は、一目で互いに心を触れ合せたようだった。長之助に対する再三の刺客の襲撃を、半次郎は追い払った。だが乱闘で傷ついた平左衛門は、長之助の身分を半次郎に明かして死んだ。半次郎は長之助を守る決心をして、おさきをお蔦にあずけ、自分と長之助は別行動で行く先々の貸元の所に草鞋をぬいで、身辺を警戒した。大井川まで来た時、刺客一味はお蔦とおさきをさらって、二人をおびき出そうとした。半次郎は大胆にも単身一味の所に乗りこんで、倍額の金で雇ってやろうといって一味を味方につけてしまった。喜んで一千石の家老にしてやるという長之助の申し出に、半次郎は怒って宿を出た。彼の言葉に人の世の真実を知った長之助は、おさきに五十両を与えて家に帰した。長之助とお蔦は夫婦を装って箱根の関所についた。備前守の腹心川辺の厳重な調べで二人が窮地におちた時、半次郎とおさきが現れて急場を救った。かくて無事に松平伊豆守の江戸屋敷についた長之助は、満座の中で悪人備前守の企みをあばき、自分は自由な町民になると宣言して大名を辞退した。長之助は晴れ晴れと、品川の宿外れで半次郎、お蔦、おさきの一行においついた。



ネットワーク  1976年(アメリカ)★★★  NEXT 2007年(アメリカ)★★★
. 出演:フェイ・ダナウェイ ウィリアム・ホールデン 出演:ニコラス・ケイジ カリー・フェリス ジュリアン・ムーア リズ ジェシカ・ビール
あらすじ あらすじ
最盛期に28%の視聴率を誇ったUBSのビール(ピーター・フィンチ)のイブニング・ニュースも今や12%という低落。1%の伸びが年200万ドルの増収となるTV界にあって、これは致命的な敗退を意味する。ましてそれがネットワークの顔の報道番組となればなおさらだ。これが直接の引金となり、ジェンセン(ネッド・ビーティ)率いるCCAがUBS乗取りを果たし、創立者は会長に追いやられ、CCAより新しい社長が就任した。報道部長マックス(ウィリアム・ホールデン)はそんなビールに番組解任を通告する。翌日、ビールは自分が辞めさせられる事、さらに自殺予告までを本番中にしゃべり、マックス達をあわてさせた。番組がオンエアされた。八方破れの暴言に視聴率は27%と上がった。野心家で報道部大改革以来クローズアップされているダイアナ(フェイ・ダナウェイ)は反応し、ビールを現代の偽善と戦う予言者として、再び売り出しを図ろうとした。ある雨の日、突然生本番中に入りこんだビールの社会不満の言動が大ヒット。次々にかかってくる問い合せの電話。金脈を掘り当てた喜びのダイアナ。新しい『ビール・ショー』は人気を博し、48%の大台へ。真に史上画期的な報道番組だ。ダイアナのアイデアはエスカレートする。次は過激派グループと契約し、ビールをからませた衝撃シリーズ。ダイアナの狙いはズバリ当った。UBS年次総会で認められる彼女。だが成功もつかの間、彼女達の足元が崩れ始めた。現代の予言者として過激化するビールが、UBSの親会社CCAを非難しだしたのだ。当然ジェンセンは、ビールの言動変更を迫った。翌週、ビールはジェンセンの理論を滔々とぶつ。だが低下する視聴率。ダイアナと社長はあわてた。なんとかジェンセンのお気に入りロボットとなったビールを番組から降ろさなくては。切羽詰まった彼女らが最後にとった手段は、想像を絶する凄まじいものだった。
クリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)は、自分に直接関係のある2分先の未来を見ることができる。そのことを周囲に隠しながら生きているクリスだったが、そんな彼にもってこいの職業がラスベガスのマジシャンであった。二流のショーは満場になることもない。しかし、余分な金が必要な時はブラックジャックで稼ぐことができた。ある夜、いつものようにひと稼ぎして、カジノの換金所で現金を受け取っていたクリスは、今歩み寄ってくる男が強盗をする2分先の映像を見る。クリスは反射的にその男を暴力で阻止するが、他人の目には、一方的に男を攻撃したクリスが悪いということになってしまう。なんとか逃げ帰ったクリスに、カリー・フェリス(ジュリアン・ムーア)というFBI捜査官が訪ねてきた。ロサンゼルスを核兵器によって爆破しようとしているテロリストの陰謀を阻止するために、クリスに協力してほしいという。しかし、クリスはそんな面倒なことに関わるつもりは全くなかった。そんな折、時々彼の頭をよぎっていた女性リズ(ジェシカ・ビール)にようやく出会うことができたクリスは、喜びに胸をときめかせる。しかし、お互いに恋心が芽生えるようになった頃、カリーがリズに近づいてくる。リズを巻き込みたくないクリスは、自分の能力をリズに告白、再会を約束して彼女をひとりで逃がす。そんな中、カリーはクリスを捕まえ、テロリストの行動を読めと強引に迫る。突然、クリスの頭に、テロリストに捕らえられたリズの姿が映った。クリスの頭に浮かぶイメージをもとに、カリー率いるFBIは場所を特定。彼らはロサンゼルスへ向かった……。



ネバーランド 2004年(アメリカ・イギリス)★★★  )★★★
.出演:ジョニー・デップ   ケイト・ウィンスレット   ジュリー・クリスティ   出演:
あらすじ あらすじ
1903年のロンドン。劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)は、新作『リトル・メアリー』の評判が悪く、失意のまま近所の公園へ散歩に出掛けた。そこで彼は、デイヴィズ一家と運命の出会いを果たす。母のシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)に連れられた4人兄弟のうち、長男のジョージ(ニック・ラウド)、次男のジャック(ジョー・プロスペロ)、末っ子のマイケル(ルーク・スピル)は無邪気に騎士ごっこに興じていたが、繊細な三男のピーター(フレディ・ハイモア)は遊びの輪から外れていた。ジェームズは一家と仲良くなり、再会を約束。それを知った彼の妻メアリー(ラダ・ミッチェル)は、シルヴィアの母が社交界の名士であるデュ・モーリエ夫人(ジュリー・クリスティ)であることから、デイヴィズ一家を夕食会に招待した。しかしジェームズはシルヴィア親子と仲良くなるばかりで、メアリーは嫉妬。夫婦仲が険悪になっていく一方、ジェームズはいつしかピーターに、幼い頃の自分を重ねるようになっていた。そんな彼の思いは、新作『ピーター・パン』の誕生へと結実する。だがやがて、シルヴィアが不治の病を患ってしまう。『ピーター・パン』の公演は大成功となるが、そのことでジェームズはメアリーに別れを告げられる。ジェームズは、シルヴィアの自宅で『ピーター・パン』を上演。そして彼女の死去後、ジェームズは子供たちの後見人になるのだった。



眠狂四郎・殺法帖  1963年(昭和38年) ★★★
眠狂四郎・勝負  1964年(昭和39年) ★★★
主演:市川雷蔵 中村玉緒,  主演:市川雷蔵  藤村志保
あらすじ あらすじ

狂四郎が“巣"と呼んでいる大川端の船宿喜多川に赴く途中、手裏剣の襲撃をうけた。闇の中に姿を溶かしているのは伊賀者と知れた。迫る刺客を斬りすてたものの、ついに一人槍丸という小男を逃がした。冷たく無表情な顔が、常盤津の師匠文字若の離れに移ったのはそれから数日後のことであった。そこで加賀前田藩の奥女中千佐の訪問をうけ、命をつけ狙う唐人陳孫から護ってくれるよう依頼された。指定の清香寺に出向いた狂四郎は、意外にも陳孫から千佐が前田藩の間者であることを知らされた。怒った狂四郎は千佐を前に前田藩のからくりをあばいた。すなわち、前田藩主は豪商銭屋五兵衛と結んで大規模な密貿易を働いて巨富を築いた。しかし公儀への発覚を恐れ銭屋一族を処断し、復讐を企む銭屋の仲間の陳孫を抹殺するために、狂四郎に近づけたというのだ。全てをみやぶられた千佐は拒絶の姿勢を崩して狂四郎を誘ったが、狂四郎の胸の内は唯人間を品物同様に利用する者への憤りだけがあった。又も陳孫に誘われて河口迄来た狂四郎は、そこに死んだはずの五兵衛を見て鷺いた。しかも金銭をつんで協力を要請した。狂四郎の虚無な眼はそれをうけながしたが、それを予期した陣孫は千佐を拉致し去った。前田侯にバカ気た茶番の決着をつけるよう迫る狂四郎は、江戸表から金沢へと追った。金沢には、千佐の出現以来狂四郎につきまとう槍丸が千佐の居場所とつきとめて待っていた。陳孫の許を脱出した千佐は九谷焼を営む蔵六の家に身を寄せて狂四郎を待っていた。又捨丸は前田家の命運を動かし、密貿易に絡む文書を秘めた碧玉の仏像の所在を探っていた。陳孫から奪った木筥は狂四郎の手に渡った。対い合う陳孫と狂四郎を捨丸が救い勝負はおあずけとなった。狂四郎は小筥をはさんで、千佐の出生の秘密を語った。前田侯は千佐の実父であり、母は出家しているという。北の海に面した砂丘の尼寺に馳けつけた千佐と狂四郎の見たのは、絞殺された尼僧の姿だった。陳孫と五兵衛のしわざだ。円月殺法と小林寺拳法の対決の時が来たのだ。

愛宕神社の境内、狂四郎は赤座軍兵衛と名乗る侍の手から老人を救った。一向に風采のあがらないその老人が朝比奈という勘定奉行の職にある男と聞いて狂四郎は興味を唆られた。狂四郎の耳には幾つかの興味ある事実が入った。家斉の息女高姫は堀家に嫁ぎながら、早くから夫を失い奔放で驕慢な生活をしていること、そして、用人主膳は札差、米問屋などに賄賂とひきかえに朝比奈の抹殺を約していること。又赤座も朝比奈を狙っていること。等々。ある日、遊楽帰りの高姫に出会った狂四郎は、主膳が手練の殺人者をくり出す事を知りながら、小気味よいいたずらっけを楽しんでいた。よりすぐりの殺人者が揃った。赤座、増子、榊原、海老名それに、キリスト教の布教に囚われている夫を救うため、主膳の膝下にある采女が加わっていた。動機も武術も異る五人は、狂四郎の身辺に危害を加えようと立ち廻った。ある日狂四郎の前にあらわれた采女の妖しい魅力にひきつけられて居酒屋ののれんをくぐると、不覚にも高姫の罠にかかり、両手を縛られ、高姫の褥の傍に据えられた。動けぬ狂四郎を前に、手をかえ品をかえてせまってくる殺人者の中を、生きぬけた狂四郎に、全てを失敗した主膳は、狂四郎と柳生但馬守との御前試合を計った。冷い眼をすえる高姫の前で、見事狂四郎は相手の胸をついた。敗北を認める高姫の口から、思わず浪人狂四郎を慕う言葉がもれた。が、なをもあきらめない主膳は、采女を囮りに狂四郎を狙っていた。殺気をはらむ武蔵野の枯野原を、対決の時は刻一刻と迫まっていった。




眠狂四郎・女妖剣  1964年(昭和39年) ★★★  
眠狂四郎・無頼剣  1966年(昭和41年) ★★★ 
主演:市川雷蔵 藤村志保  主演:市川雷蔵 藤村志保 
あらすじ あらすじ

狂四郎はある朝浜町河岸に横たえられた、全裸の美女二人の死体を見た。鳥蔵と名乗る男はそれが、大奥の中臈綾路と、お半下女中の美乃であると狂四郎に告げた。だがその烏蔵は隠れ切支丹の科で役人に捕えられた。この頃江戸では、豪商備前屋が、金力を武器に、老中水野忠成を抱き込み、大奥の女達に秘かに麻片を送っていた。浜町河岸の死体は、残忍な菊姫に麻薬責めにされ殺されたのだった。そして菊姫は鳥蔵の妹小鈴に、兄を救う手段と称して、牢内のバテレン、ヨハネス・セルディニイを誘惑させた。しかし、約束は守られず、鳥蔵は殺され、小鈴は自殺して果てた。狂四郎は、鳥蔵が死ぬ間際に、浜松へびるぜん志摩という狂四郎と血のつながる女がいると聞かされ、浜松へと旅立った。途中、狂四郎は、備前屋の刺客や、情慾のとりこになった巫女に悩まされたが、愛刀無相正宗がその難を救った。大井川で足どめされた狂四郎は、妖艶な鳥追い女と旅篭に入った。女と酒を飲み、女体を抱き寄せた狂四郎は、目がかすむのを知り愕然とした。女は、狂四郎の目をつぶすために使わされたのだった。だが、狂四郎の目は、宿敵少林寺拳法の達人陳孫の手当で回復した。再び浜松に向った狂四郎は、隠れ切支丹に案内されて舟小屋で、びるぜん志摩に会った。しかし、隠れ切支丹を追う役人のとりまきで、びるぜん志摩は肩口に傷を負った。狂四郎は、優口に口をつけて、その毒を出そうとしたが、その瞬間清純な尼僧の顔に恍惚の表情が走った。舟小屋の外に連れ出した狂四郎は、菊姫の配下武部光源一味に襲われ、志摩を海上につれ去られた。備前屋のまわし者や武部らを斬り倒し舟倉でびるぜん志摩に会った狂四郎は、志摩が備前屋のまわし者で切支丹になりすましては、信徒を売っていたこと、狂四郎を船にひき寄せるため配下にさらわれたことを知り、責めた。妖艶な表情に変った尼僧は、肌をあらわに狂四郎を誘ったが、狂四郎の剣は一刀のもとに斬った。そこに宿敵陳孫が現われ、念願の一騎打ちとなったが、血にぬれた狂四郎の剣は陳孫に深傷をあたえた。勝負はあずけた!海に逃げる陳孫を残して、狂四郎は志摩の骨を抱いて海上の人となった。

眠狂四郎は武部仙十郎から、大塩忠斎の残党が不穏な動きを企てていると聞かされた。江戸一番の油問屋弥彦屋と一文字屋が押込み強盗にあい、町辻では角兵衛獅子兄妹、女芸人勝美太夫なるものが現われ、不思議な火焔芸を披露しているが、これは大塩一味と関係があるという仙十郎の狙いだった。というのは、越後の地下水から油精製(石油)を研究した大塩忠斎・格之助父子が、その権利を一万両でゆずり貧民救済資金にしようと計画したが、義挙は商人の裏切りによって、挫折し、大塩父子が処刑されていたからだ。その帰途、狂四郎は弥彦屋お抱えの用心棒、日下部玄心の一党に襲われた勝美を救った。勝美は狂四郎の顔をみて驚いた。狂四郎と格之助が似ていたためであった。勝美の口から、一文字屋と弥彦屋を襲ったのは愛染と名乗る浪人一味で、中斎の恨みを晴らさんため、老中水野忠邦をも狙っており、しかも、格之助から油精製の図録を盗んだのは、一文字屋巳之吉に命じられた勝美であり、商人たちは図録を盗んでおいて大塩を幕府に売ったのだ。勝美はその後で自分の罪の深さを知って、巳之吉に恨みを返さんため動いていると聞かされた。勝美を銀杏長屋に送った狂四郎は、そこで愛染一味に襲われた。愛染一味は図録を盗んだ勝美を殺そうと狙っていたのだ。愛染と対決した狂四郎は驚いた。愛染は狂四郎と全く同じ円月殺法を遣ったからだ。それは狂四郎を鏡に写したごとく正確で、勝負は持ちこされた。亥の子祝いの日、愛染一味は弥彦屋と一文字屋を焼き払い、忠邦を襲った。そこには狂四郎が待ちうけていた。愛染と狂四郎の一騎打ち。同じ円月がゆっくり廻っていった。静かに倒れふしたのは愛染の方であった。





 眠る男 1996年(平成8年)  ★★★★ ねらわれた学園 1981年(昭和56年) ★★
監督: 小栗康平. 出演: 役所広司, アン・ソンギ, クリスティン・ハキム  モントリオール世界映画祭審査員特別大賞  ベルリン映画祭国際芸術映画連盟賞 主演:薬師丸ひろ子 高柳良一 長谷川真砂美 
あらすじ あらすじ

山あいにある温泉町の一筋町。ここでは、様々な人たちが様々な暮らしを営んでいる。キヨジとフミの老夫婦の家には、山で事故に遭って以来、意識を失ったまま眠り続けている拓次という男がいた。フミは拓次を病院から引き取り、献身的な介護を続けている。拓次を毎日のように見舞うのは、知的障害を持つ青年・ワタルだった。感受性豊かな彼は、事故に遭った拓次の第一発見者でもあり、人一倍彼のことを心配していた。水車小屋には傳次平という老人がおり、自転車置き場と小さな食堂を経営するオモニに育てられている少年・リュウは、傳次平からいろいろな話を聞くのを楽しみにしている。町では、南アジアの国からやってきた女たちが、“メナム”というスナックで働いていた。そのひとりであるティアは、故国の河で我が子を亡くした過去を持っている。ティアは町の人たちと接するうちに、次第に町の暮らしになじんでいった。拓次の幼友達である電気屋の上村は、最近になって、小さい頃、拓次とよく遊びに行った山の奥にある山家のことを思い出すようになっていた。そこに誰が住んでいて、それが本当にあったのかどうかも定かではなかったが、独り暮らしの老婆・たけから山家が本当にあったことを聞いた上村は、もう一度そこへ行ってみたくなって仕方がなかった。冬が過ぎ、春が訪れ、やがて夏になり季節が巡ると、人々の生活にも少しずつ変化が見えた。寝たきりだった拓次はついに息をひきとってしまい、いんごう爺さんの提案で、“魂呼び”が試みられたが、それも空しい結果に終わった。しかしその後、神社で催された能芝居を観ていたティアが、森の中で死んだはずの拓次と再会する。不思議な体験をした彼女は、何かに導かれるように上村が探す山家へたどり着き、翌日、そこで上村と出会うのだった。ふたりは、涸れていると言われていた井戸に水が涌きでていることを知る。上村はブロッケン現象の起こる山頂で、拓次に人間の命について問いかけるのだった。そのころ町の温泉では、湯が以前に比べて熱くなったことや、最近、南の国の女たちを見かけなくなったことなどが噂されていた。

春。第一学園の優等生三田村由香も二年生に進学していた。ある日、由香と級友の耕児が下校中、走って来るトラック前に出た三輪車が、矢の様に後戻りした。心の中で「戻りなさい」と叫んだ由香は不気味な不安を感じた。剣道部の選手、耕児は対校試合に出場した。敗けが続き、最後に残った耕児は危いところで逆転勝ちを続け、第一学園の勝利に終った。実は、観戦していた由香が「敗けないで」と心の中で念じ続けていたのだ。自分の奇妙な力に不安をつのらせる由香は、耕児に相談するが、彼は頭から取り合わない。そんな彼女に、成績のトップを競う有川が「お前みたいな奴は、そのうち復讐されるんだ」と訳のわからぬ事を話した。さらに、彼女のところに、京極と名乗る男がやってきて、「僕と手を組もう、世界を思うままに支配できる」と誘った。有川は学力向上のために「英光塾」という所に通っていたが、この塾は京極の手で操られているのだった。数日後、由香たちのクラスに高見沢みちるが転校してきた。みちるは不思議な魅力と魔力で生徒や先生を翻弄、先徒会会長になって、風紀を乱した生徒を取締る学内パトロールを組織して自分の思い通りに学園を作り変えていく。それが超能力の仕業と気付く者はなく、唯一人、由香だけが疑問を抱き始めた。パトロールはエスカレートし、耕児たちの不満はつのった。そして、みちるのやり方に批判的だった山形先生が交通事故に遇い、瀕死の重傷を負った。また仲間の野村や村瀬も不自然な事故に遭うに至ってついに由香と耕児は立ち上がった。すべての原因は「英光塾」にあると、由香、耕児はそこへ向った。そして、みちる、京極を倒した由香。学園は昔と同じ明るさを取り戻すのだった。



 野ばら  1957年(ドイツ) ★★★★  
 野のユリ  1963(アメリカ)  ★★★ 
主演:ミハエル・アンデ   主演:シドニー・ポワチエ  
あらすじ あらすじ

動乱のハンガリーから、オーストリアにたどりついた、ひとりぼっちのトニー少年(ミハエル・アンデ)と愛犬のフロッキは、収容所行のバスにも乗り遅れて途方にくれているところを、昔ドナウ河の汽船の船長だったというブリュメル老人(ヨゼフ・エッガー)に救けられた。そして、老人と少年と犬とは、楽しい毎日を過しはじめたのである。ある日曜日、教会のミサでウィーン少年合唱団の歌うミサ曲の調べを聞いたトニーは、たちまち美しい声に魅せられ、合唱団入りを夢見るようになった。トニーに音楽の天分があることを知ったブリュメル老人は、少年の幸福のためにも、彼をウィーン少年合唱団に入れる決心をした。老人と共に合唱団を訪れたトニーは、親切な団長(パウル・ヘルビガー)の計らいで試験をパスし、誰からも愛される団員の一人になった。しかし、トニーにとって唯一つ淋しいことがあった。それは、週一度の家族との面会日に、彼には贈物を沢山もってやってきてくれるママのいないことだった。そうしたトニーを、寮母のマリア(エリノア・イェンセン)は優しく愛してくれた。夏がきて、合唱団は東チロルの山荘に、アメリカ演奏旅行にそなえて合宿した。ところがある日、マリアの部屋にあった千シル紙幣が紛失した。その前の晩、花束を送ろうとマリアの部屋に行ったトニーが、何か一枚の紙きれを持出したのを見た団員がいた。トニーは団長に調べられた。山荘に来あわせていたプリュメル老人もトニーを問いつめた。トニーは何にも言わなかった。そして、谷川に向っていきなりかけだし、橋から転落して気を失った。容態は危険をつげた。その時、なくなった筈の紙幣がみつかり、あの夜トニーが持出したのは、マリアの写真だったのが解った。野外ミサの“アヴェ・マリア"の大合唱の歌声の響くうちに、トニーは意識をとりもどした。やがて演奏旅行出発の日がきた。ブリュメル老人と愛犬フロッキは合唱団のバスをいつまでも見送った。

キャンプ用具を積み込んだステーション・ワゴンを運転して気楽な旅を続けている黒人ホーマー(シドニー・ポワチエ)はアリゾナ砂漠のはずれでエンストをおこし、荒地を耕す東独を亡命してきた、修道女たちとあった。修道女たちは、この荒地に教会を建てるという無謀な望みを持っていた。ホーマーは水を貰い、かわりに雨洩りの修理を申し出た。テントで眠っていたホーマーは、翌朝マリア院長(リリア・スカラ)にたたき起こされ、教会設立の準備を命じられた。しかし、マリア院長から渡されたのは、下手な教会のスケッチが1枚だけ。純真なマリアは、神様の導びきでホーマーが、自分たちのためにやってきたに違いないと思い込んでいたのだ。気のいいホーマーはマリア院長の熱意と断固たる信念に押しきられ、仕事を手伝うことになった。建築資財は修道女たちが集めることになった。ホーマーも、女たちに頼りにされて仕事が次第に面白くなっていった。しかし食事の粗末なことには、ホーマーも閉口し、村の建設会社で働き、その給料で食料品を買った。しかしマリア院長は、ホーマーが、資財より食料品を買いこむのが気にいらず、ついにホーマーと衝突し、ホーマーは怒って去っていった。それから何日目かの日曜日が来た。砂漠地帯を歩く修道女のもとに、遊びつかれたホーマーが帰ってきた。修道女たちは感動をもって彼をむかえた。心をいれかえたホーマーは月給で建築資財を買い、独力で教会を建てようとした。これを聞き知った建築会社の社長が助力をかってでた。マリア院長は双手をあげて歓迎した。ホーマーも1度は自尊心を傷つけられ、ムクれたものの、自分の指示の下に仕事がすすめられることに満足した。やがてこの友情と信頼にささえられて教会は完成した。修道女たちが、霊歌を歌うのを後に、ホーマーはステーション・ワゴンで静かに遠ざかっていった。




 野いちご  1951年(スウェーデン) ★★★  
ノーマ・レイ  1979年(アメリカ) ★★★
.監督: イングマール・ベルイマン. 出演: ヴィクトル・シェーストレム 主演:サリー・フィールド ボー・ブリッジス ロン・リーブマン  
あらすじ あらすじ

私(ヴィクトル・シェーストレム)は七十六歳の医師、他人との交渉を好まず、もっぱら書斎にひきこもっている。六月一日、私を襲った数々の出来事と夢と思索とは、自を裏切ってきた惨めな人生を思い知らせるものであった。その日、私は五十年にわたる医学への献身によって、名誉博士の称号をうける式典に出席することになっていた。息子エヴァルドの妻、マリアンヌ(イングリッド・チューリン)が同乗して車はルンドへ向う。思いついて青年時代を過した邸に立ち寄った。草むらの野いちごは、たちまちありし日の情景をよみがえらせた。−−野いちごを摘む可憐なサーラ(ビビ・アンデショーン)は私のフィアンセだった。だが、大胆な私の弟がサーラを奪った。傷ついた私の心は未だに癒えない。ここから三人の無銭旅行者を乗せた。若い彼等の溢れんばかりの天衣無縫さに接して、私はいまさらのように無為に過ごした年月が悔まれた。曲り角で、すれ違う車とあやうく衝突しかけて、相手の車は転覆した。乗っていた二人を同乗させたが、彼らはみじめな夫婦だった。あたり構わず口論し、互にさげすみ、しまいには叩き合った。マリアンヌは二人を降ろした。廻り道をして、私は九十六歳の老母を訪ねた。彼女は他人にも自分にも厳しく、親族は誰も寄りつこうとしない。死さえも彼女をさけているようだ。車中、またしても私はまどろんだ。暗い森の中に連れて行かれた私は、妻カリンと愛人の密会を見た。それは私がかつて目撃した光景そのままであった。めざめた私は、妻の告白をきいて以来死を生きていることに気付いた。マリアンヌは、エヴァルトも死を望んでいるのだと話した。車はルンドに着き、ファンファーレと鐘の音に包まれて式典は荘重に行われた。エヴァルトの家にくつろいだ私は、いつになく暖い感情にひたっていた。ベッドに横たわるとまたしても夢の世界に入っていた。−−野いちごの森からサーラが現れて私を入江に連れて行った。父は静かに釣糸をたれ、傍では母が本を開いていた。彼の心境をそのままにすべては安らかであった。



アメリカ南部の町O・P・ヘンリー紡績工場に、女工として働いているノーマ・レイ(サリー・フィールド)は、2児の母である。1人は、ノーマが学校を出てすぐ結婚し、その後酒場の喧嘩で殺された最初の夫との間の児であり、もう1人はその後に生んだ父なし児である。無知な女ノーマは、先夫を失ってから、とかく素行がおさまらなかった。ノーマの父バーノン(パット・ヒングル)と母リオナ(バーバラ・バクスレイ)も、ノーマと同じ紡績工場で働いているが、この工場には組合もなく、工員たちはコキ使われ、搾取されるままになっているため、年老いた2人は疲れきっていた。ある日、この町にニューヨークからルーベン(ロン・リーブマン)という男がやって来た。彼はユダヤ系で、ニューヨークに本部をもつアメリカ紡績工員労働組合に所属しており、この町の工場に組合を組織するために派遣されて来たのであった。ノーマがルーベンと出会ったのは、彼女が逢引きしていた男と喧嘩して殴られたモテルであった。モテルに本拠を構えたルーベンは、毎朝出勤して来る工員にビラを配布しながら彼らが工場から不当な待遇を受けていることを知らせ、組合を組織することを勧誘した。ルーベンとの親しみが増すにつれ、無知なノーマにも労働者としての意識が目ざめ、狼狽した工場側は、彼女を買収する手をうった。やがて、ノーマの前に、ソニー(ボー・ブリッジス)という男が現れ、彼女に結婚を申し込み、2人は結ばれることになった。ノーマはルーベンに積極的に協力し、町の教会に工員たちを集めたり、自宅で集会を開いたりした。やがて、ノーマは正式にユニオンに加盟し、組合運動にますます力を入れるが、そんな彼女にソニーは不平を言うようになった。一方、ルーベンとノーマは、運動を通して強い絆で結ばれ、肉体的には結ばれなかったが、互いに愛を感じていた。ノーマの父の死は、彼女の組合運動に拍車をかけ、折から作業中のノーマは紡績機械の上に踊り上がり、「ユニオン」とクレヨンで書いた厚紙を同僚たちに見せた。この結果、彼女は留置所に入れられるが、ルーベンが保釈金を払ったので彼女は釈放された。O・P・ヘンリー紡績工場にユニオンを組織するという問題は投票の結果、組合側の勝利となり、やがて、使命を終えたルーベンが ニューヨークヘ帰る日が近づいた。別れを惜しむルーベンは、彼
女のエネルギッシュな行動をほめたたえ、自分の車に乗った。そんな彼を、ノーマは微笑みながら、いつまでも見送るのであった。



 野良犬  1949年(昭和24年) ★★★★ 
 野菊のごとき君なりき(野菊の墓) 1955年(昭和30年) ★★★★
主演:三船敏郎   主演:有田紀子 田中晋二 笠智衆  
あらすじ あらすじ

射撃練習を終えた村上刑事はコルト式けん銃に弾を装てんして無雑作に私腹の上着のポケットにねぢこんだ。彼は連日の活躍に大分疲労を感じながらバスに乗り帰途についたが、途中のバスの中で一大事が起った。それは彼のピストルが盗まれたのである。ポケットに手をやった時はすでに遅く、周囲の怪しい奴が降りたのですかさず後を追ったが残念ながら姿を見失ってしまった。真夏の午下がりの出来事であった。彼は早速警視庁捜査第一課の中島警部に事情を訴え出たが、そのピストルの中には七発の実弾が入っており、事の重大さに今更ながら若い村上刑事は当惑するのであった。何分の処分がきまるまででも、じっとしているわけにもいかないので、中島係長の暗示でスリ係の老刑事市川に相談する。すると鑑識課の手口カードを調べて当時の様子を分析したところ、市川刑事の知っているスリのお銀が捜査線にあがった。気のはやる村上刑事は、市川刑事とお銀の巣へ乗り込んだ。お銀は最初しらばくれていたが、強引な村上刑事の食い下がりにしびれを切らして、場末の盛り場の貸ピストル屋をばく然としらせてくれた。それからというものは村上刑事はボロボロ服に変相して毎日探し歩いた。その甲斐あってか村上刑事は遂につきとめたが責任を感ずる余り失策してしまった。それから村上刑事は淀橋の事件担当刑事の佐藤と一緒に仕事をすることになった。佐藤は熟練者だけあって仲々手際よく事件にあたった、そして貸ピストル屋から端緒を得た彼等は、本多という男に目星をつけた、すぐ手配して本多の逮捕にとりかかったが、彼は後楽園の球場にいるという聞き込みに、五万人という数の中から彼をおびき出し、ピストルに対する警戒をしながら、彼の写真を内外に配布して難なく捕いた。しかしそれで解決したわけではなかった。村上のピストルは本多の背後にいる遊佐新二郎の手もとにあって彼が主役を演じていることがわかってきたからである。村上と佐藤両刑事は次々と捜査網を縮めて行った。そして遊佐の情婦のハルミをつきとめているうちにピストル強盗事件は、村上刑事がピストルを紛失してから三件あったが、彼等は遊佐の所在をつきとめることにすでに成功していた。佐藤刑事は単身遊佐の後を追った、村上刑事はハルミの白状を彼女のアパートで待っていたが、不覚にも佐藤は村上に電話する時に遊佐の弾に倒れてしまった、驚いた村上は急拠かけつけて自分の血によって、佐藤の一命を食い止めた、純情な村上はざんきに耐えなかったが、遊佐が高とびしようとする一瞬ハルミの必死の密告によって、遊佐を引きとめることが出来た。遊佐の手には村上のコルトが握られていた、村上はピストルを佐藤に貸したため持っていなかったが、一発は村上の腕に、あと二発は樹木に流れた。これで七つの弾は全部弾かれた。数日後村上と佐藤は警察病院から街の屋根々々をうれしそうにながめていた。

河の流れに秋のけしきが色濃い。渡し舟の客、斎藤政夫翁は老船頭に、遠くすぎ去った想い出を語った……。この渡し場に程近い村の旧家の次男として政夫は育った。十五歳の秋のこと、母が病弱のため、近くの町家の娘で母の姪に当る民子が政夫の家に手伝いにきていた。政夫は二つ年上の民子とは幼い頃から仲がよかった。それが嫂のさだや作女お増の口の端にのって、本人同志もいつか稚いながら恋といったものを意識するようになって行った。祭を明日に控えた日、母の吩咐で山の畑に綿を採りに出かけ二人は、このとき初めて相手の心に恋を感じ合ったが、同時にそれ以来、仲を裂かれなければならなかった。母の言葉で追われるように中学校の寮に入れられた政夫が、冬の休みに帰省すると、渡し場に迎えてくれるはずの民子の姿はなかった。お増の口から、民子がさだの中傷で実家へ追い帰されたと聞かされ、政夫は早々に学校へ帰った。二人の仲を心配した母や民子の両親のすすめで、民子は政夫への心をおさえて他家へ嫁いだ。ただ祖母だけが民子を不愍に思った。やがて授業中に電報で呼び戻された政夫は、民子の死を知った。彼女の祖父の話によると、民子は政夫の手紙を抱きしめながら息を引きとったという。政夫の名は一言もいわずに……。渡し船をおりた翁は民子が好きだった野菊の花を摘んで、墓前に供えるのであった。






 ノンちゃん雲に乗る  1955年(昭和30年) ★★★★
のんのんばあとオレ  1991年(平成3年) ★★★
主演: 鰐淵晴子 原節子  主演:佐藤広純  岸部一徳 もたいまさこ  
あらすじ あらすじ

小学二年生のノンちゃんは森の木にのぼって池を見つめていると、枝が折れて池に落ちた。すると急に白ビゲのお爺さんに拾い上げられて雲にのっていた。そこには同級生でいたずら坊主の長吉もいる。ノンちゃんはお爺さんにお家の話をした。麦畑の中にあるノンちゃんの家には、お父さんお母さん、兄さんのほかに犬のエスや鶏もいる。お父さんはシュギを持っている。むずかしいものらしくて、いつも「僕の主義だ」と言いはる。お母さんは世界中で一番好きなお母ちゃんである。ノンちゃんは東京に生れ、病気になったので田舎に来たのだが、お爺さんと話しているうちに、はじめてお母さんが雪子という名であることに気づいた。するとお母ちゃんが急に自分から離れた気がして淋しかったが、そのためなおさらお母ちゃんが好きになった。兄さんは那須の与一が大好きだ。ノンちゃんは兄さんと喧嘩ばかりする。ノンちゃんは二年生になったら、東京へつれて行ってもらう筈だった。ところがお母さんと兄さんがノンちゃんを置きざりにして東京へ行ってしまった。ノンちゃんは悲しくて泣いた。そして池へ行って水へ落ちたのだ。お爺さんは嘘をつけば家に帰れるといったがノンちゃんにはどうしても嘘がいえない。お爺さんは「それでいいのだよ」といって、ノンちゃんを優しく抱きあげ、雲にのせて下界におろしてくれた。ふと気がつくと、木から落ちて気を失ったノンちゃんを家の人たちやお医者さんが見つめていた。

1931年(昭和6年)。鳥取県の境町で暮らす村木茂は小学校3年生。住み込みのお手伝いであるのんのんばあの語る妖怪やお化けの世界に魅せられている。学校では居眠りをしたり、空想の世界にひたったりして先生や母から怒られてばかりだが、毎日楽しく遊び回っていた。 ある日、茂は肺病のため東京から境港に療養に来ていた千草という少女に出会う。不治の病を嘆き拗ねていた千草だったが、茂やのんのんばあの語る不思議な世界に引き込まれ、いつしか茂と千草は仲良くなっていた。 夏休みに入ったある日、茂は兄・弟と一緒に米子の街にドーナツを食べに行く。茂は、千草に食べさせてやろうかと一瞬迷ったが、結局自分がドーナツを食べてしまう。あとになって千草はドーナツが好きだったと知り、後悔の思いから彼女にドーナツを買ってきた茂だったが、千草は病が進行して危篤に陥っていた。茂は、千草を励ますために彼女と約束していた十万億土の絵を必死になって描き上げるが、時すでに遅く、千草は茂への感謝の言葉を口にしながら息を引き取っていた。 千草の早すぎる死を悲しむ茂を、のんのんばあは「しげーさん(茂さん)の心には千草さんの魂が入ったのだよ。たくさんの人の魂が心に宿るから人は優しくなれるのだよ」と励ますのだった。



 打倒・ノックダウン 1960年(昭和35年)★★★
 のぼうの城 2011年(平成23年)★★★
主演:赤木圭一郎 二谷英明 稲垣美穂子   主演:野村萬斎 榮倉奈々 成宮寛貴  
あらすじ あらすじ
チャンピオン白坂に打たれて大山がダウンして以来、野中拳会長野中の夢は破れた。数日後、スポーツライターに誘われて京南大のボクシング部を訪れた野中はレクリエーションにボクシングをやるという高野昭に目をつけた。そしてその強烈なパンチとファイトにもう一度夢をかけることにした。亡父の遺志をついで兄の雄介と共に電気工学の道に入るという昭はプロ入りを断った。昭が女子学生ひろ子とナイトクラブに出かけた夜、雄介が愚連隊に襲われた。自首して出た加害者という男が替玉で、真犯人が元ボクサーの石垣であることを知った昭は石垣を倒した。昭は無期停学になり雄介も新しい設計が盗作だという理由で会社をクビ同様にされた。自由を欲する昭はあくまで野中の申し出を断り、野中もいさぎよく諦めた。雄介傷害事件の張本人が、昭を経済的窮地に追い込んで勧誘しようとする部下の中原であったことを知った野中は怒ったが、二人の話をきいた昭は野中の潔白を知り、プロ・ボクサーになる決心をした。雄介は悲しんだが、野中の叱咤のもとに昭ははげしい練習をつんだ。そして相手を次々にKOした昭はゴールデン・ボーイと騒がれ、野中の野望は燃えた。祝盃をあげる昭を従妹の美知子が訪れたが、ひろ子は故意に媚態をつくして美知子をうとんじた。昭の進撃は凄じく、二十連勝ののち、ウエルター級チャンピオン白坂とのタイトル・マッチが調印された。大山はそんな昭を嫉んだ。決戦のときは来た。若い昭の気負いは老巧白坂の思うツボであり、昭は白坂のパンチに何度もマットに這った。最終ラウンド、両眼ははれあがり血だるまになった昭のパンチが白坂をたたいた。ダウン、白坂はついに立ち上らなかった。しかし昭も意識を失って倒れた。両眼失明寸前という昭に、医師は昭のボクサー生活が終ったことを宣告した。野中の絶望、ひろ子は去った。制止する美知子をふりきって訪れた昭の目の前で白坂は死んだ。やがて病院を出た昭の心は、不思議に明るく強い希望にもえていた。 戦国末期。天下統一を目前に控えた豊臣秀吉(市村正親)は、最後の敵、北条家に大群を投じていた。周囲を湖で囲まれ“浮き城”の異名を持ち、人々が平穏に暮らす“忍城”に対し、秀吉は2万の軍勢で落とすよう、寵愛の家臣・石田三成(上地雄輔)に命じる。忍城の侍たちに緊張が走る中、農民や子供たちと楽しそうに戯れる侍、成田長親(野村萬斎)がいた。城主・成田氏長(西村雅彦)の従弟で、智も仁も勇もないが人気だけはある不思議な男。領民からは“でくのぼう”を意味する“のぼう様”の愛称で呼ばれ、皆に慕われていた。そんな長親に密かに想いを寄せる城主の娘、甲斐姫(榮倉奈々)。長親の幼馴染で歴戦の強者、丹波(佐藤浩市)。その丹波をライバル視する豪傑・豪腕の和泉(山口智充)。戦の経験は無いが“軍略の天才”を自称する靭負(成宮寛貴)。緊迫する仲間たちを前に、長親は呑気なことを言って皆を唖然とさせるが、ある日、天下軍が遂に忍城を包囲する。成田氏長は「秀吉軍とは一戦も交えずに速やかに開城せよ」との言葉を残し、長親に城を任せ、既に小田原に向かっていた。忍城の500人の軍勢では2万の大軍相手に戦っても勝ち目はない。やむなく開城することを決意する長親たちだったが、天下軍の威を借り、なめきった態度を取る長束正家(平岳大)と対面した長親は、一転戦うことを決意。長親のその強い決意に導かれるように、丹波をはじめとする武将たちや普段から長親を慕う百姓たちも立ち上がる。それは、戦によって名を挙げることに闘志を燃やす三成の思う壺であったが、秀吉に三成を支えるよう命を受けた盟友・大谷吉継(山田孝之)だけは、忍城軍のあり得ない士気の高さに警戒心を抱く。忍城軍は襲いくる大軍を前に、農民や老兵までが侍に劣らぬ活躍を見せ、地の利を生かし、騎馬鉄砲や火攻めなど多彩な戦術で天下軍を退けていく。想像を超える忍城軍の奮闘ぶりに三成は、城の周辺に巨大な人工の堤を築き、それを決壊させる“水攻め”を決断。濁流が流れ出し、領民たちは高台にある忍城本丸に必死に逃げ込む。このままでは本丸が沈むのも時間の問題。だが、忍城軍が絶望に包まれる中、長親はただ一人で武器も持たずに小舟で三成が築いた堤へと向かっていくのだった……。



 野火 1959年(昭和34年) ★★★  のだめカンタービレ全編 2009年(平成21年) ★★★
主演:船越英二   ミッキー・カーチス   滝沢修   山茶花究      主演:上野樹里   玉木宏   瑛太  
あらすじ あらすじ
曹長はなぐった。再び病院へ帰れと命じた。田村一等兵はのろのろと歩き出した。それは死の宣告に等しかった。病院からも追い出されたばかりだ。どこにも行く所がないのだ。−−比島戦線、レイテ島。日本軍は山中に追いこまれていた。田村は病院の前に寝ころぶ同じように原隊から追われた連中の仲間に加わった。彼らが厄介ばらいされたのは、病気で食糧あさりに行けないからなのだ。安田という要領のいい兵隊は、足をハラしていたが、煙草の葉を沢山持っていた。永松という若い兵が女中の子だというので、昔、女中に子を生ませた安田は、彼を使うことにした。翌日、病院は砲撃され、田村は荒野を一人で逃げた。海辺の教会のある無人の町で、田村は舟でこぎつけてきた男女のうち女を射殺してしまう。恐怖からである。そこで手に入れた塩を代償に、彼は山中の芋畠で出会った兵たちの仲間に入った。彼らは集結地という、パロンポンを目指していた。すでに雨季がきていた。密林の中を、ボロボロの兵の列が続いた。安田と永松が煙草の立売りをしていた。−−オルモック街道には、米軍がいて、その横断は不可能だった。山中で、兵たちは惨めに死んだ。幾日かが過ぎ、田村は草を食って生きていた。−−切断された足首の転がる野原で、彼は何ものかの銃撃に追われた。転んだ彼を抱き上げたのは、永松だった。永松は“猿”を狩り、歩けぬ安田と生きていたのだ。安田は田村の手榴弾をだましとった。永松の見通し通り、安田はそれを田村たちに投げつけてきた。彼が歩けぬのは偽装だったのだ。二人に安田が仲直りを呼びかけてきた。永松の射撃で、安田は倒れた。永松がその足首を打落している時、何かが田村を押しやり、銃を取らせ、構えさせた。“待て田村、わかった、よせ”銃声とともに、永松はそのままくずおれた。田村は銃を捨て、かなたの野火へ向ってよろよろと歩き始めた。あの下には比島人がいる。危険だった。が、その人間的な映像が彼をひきつけるのだ。その時、その方向から銃弾が飛んできた。田村は倒れ、赤子が眠るように大地に伏したまま動かなくなった。すでに、夕焼けがレイテの果しない空を占めていた。 プラティニ国際音楽コンクールで優勝した千秋真一(玉木宏)は、エリーゼ(吉瀬美智子)の差し金で、若き日のシュトレーゼマン(竹中直人)が指揮を務めた「ルー・マルレ・オーケストラ」の常任指揮者となる。さっそくフランク(ウエンツ瑛士)とマルレ・オケを偵察しにいく千秋だったが、大雑把でバラバラな演奏と全くやる気の感じられないオケの態度を目の当たりにして愕然とする。老舗のオケではあるが、近年は資金不足のためリハもままならず、多くの団員が辞め、公演も観客が集まらずに悪循環が続いているらしい。しかも、コンサートマスターのシモンは、千秋に協力的ではない。千秋は絶望感を抱えながら毎日を過ごしていた……。一方、“のだめ”こと野田恵(上野樹里)は、フランク、ターニャ(ベッキー)、黒木(福士誠治)と共に、コンセルヴァトワール(音楽学校)の進級試験を控え、日々練習に励んでいた。そんな中、千秋の指揮者就任を聞いて人一倍喜んでいたのだめは、千秋から定期公演でラヴェルの「ボレロ」のチェレスタの演奏を依頼される。妄想が広がるのだめだったが、その大役はひょんなことから、コンセルヴァトワールに転入してきた孫Rui(山田優)が引き受けることになった。のだめは落ち込むが、千秋を気遣い健気に振る舞う。準備不足の中、マルレ・オケの公演の日がやってきた。しかし、千秋には思いもかけない恐ろしい結末が待っていた……。




海外紀行 日本紀行  札所紀行 温泉紀行 Archives HIT-PRADE 日曜名画座 MAMI RETIREMENT SITE-MAP




HOME Ken & Mary's Second Life

NO-SIDE  It aims at a happy retirement
Copyright c1998-2007 Ken&Mary. All rights reserved.