HOME Ken & Mary's Second Life

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Ken&Maryの日曜名画座
K&Mセカンドライフ名画鑑賞録
毎日が日曜日SecondLife
『一日一膳』 『一日一名画』 日曜名画座
尼僧物語  1959年(アメリカ) ★★★★  2001年宇宙の旅 1968年(アメリカ) ★★★★
主演:オードリー・ヘップバーン    監督スタンリー・キューブリック 主演:ケア・ダレー  
あらすじ あらすじ

ベルギーの都会ブルージスの家を棄てて、ガブリエル・バン・デル・マル(オードリー・ヘップバーン)は修道院に入った。医師として有名な父バン・デル・マル博士をはじめ、弟妹たちや恋人ジャンの住む俗世との縁を絶って、修道志願女としての彼女の生活が始まった。師長のシスター・マルガリタや、シスター・ウィリアム、修道院長マザー・エマニュエルのもとで、厳しい修道の日日が彼女に課せられる。沈黙、謙譲と没我、絶えざる反省と自己叱責の連続に、落伍していく修道志願女たちもあった。正式の見習尼となる前の日、ガブリエルは、俗世と自分を結ぶ唯一のきずなであるジャンに贈られた黄金の飾りのついた鉛筆を捨てた。こうして、彼女は見習尼となり、シスター・ルークの名を与えられた。彼女の望みは、やがて看護尼としてコンゴに派遣されることだった。熱帯医学の学校にやらされることになった彼女は、そこで、かつてコンゴにいたことのある、同じコンゴ行きを望むシスター・ポーリンとの反目に苦しんだ。マザー・マルセラは、彼女に謙譲の心を示すために、わざと試験に失敗することができるかと聞いた。しかし、苦しみの末、結局彼女は優秀な成績で試験に合格し、シスター・ポーリンとともに学校を卒業した。ブリュセル近郊の精神病療養所での奉仕の生活を経て、彼女は、かねて望みのコンゴに派遣された。シスター・ルークはここでヨーロッパ人病棟を受けもたされた。外科医フォルテュナティ博士(ピーター・フィンチ)の下で働くこととなった彼女は、無神論者ではあるが磊落な彼の人柄に何かひかれるものを覚えた。博士の有能な助手として、彼女の仕事は休む暇もなかった。ハンセン病患者収容所を経営するブエルミュレ神父を奥地に訪ねたり、現地民の青年イルンガを寛容の心によって信仰に帰依させたりして、彼女の生活は続いた。過労による結核菌の感染もフォルテュナティ博士の手あてによってなおった。だが、シスター・ルークはベルギーに呼びもどされた。故国はナチスの軍隊にふみにじられようとしていた。しかし聖職者は地下運動に参加を禁じられていた。父が死んだ報せを聞き、かねてから教えの道に忠実であろうとすればするほど苦しみを重ねてきた彼女は、遂に修道院を出ることに意を決した。必要書類にサインし、自室で元の衣服に着がえた彼女は、1人静かに修道院の扉をあけ、街路に歩を進めた。

旅客用宇宙飛行機オリオン号がケープケネディ空港から月に向かって飛び立った。旅客の中にはフロイド博士(ウィリアム・シルベスター)がいる。彼は最近月面で発見された謎の物体について専門技術家、学者たちが月の基地で開く会議に出席するのである。約1時間後、第5宇宙ステーションに到着した。やがてフロイド博士は月宇宙船エアリーズ号に乗りかえ、2日後に月世界に到着。月の基地では謎の物体をめぐる議論に花がさき、博士は物体をこの目で確かめるため、数人の科学者とともに、月の1キロほど上空を飛ぶ月バスに乗り、問題の場所、テイショ火口に行った。現地では石碑のような物体が発掘され、木星に向かって強烈な放射能を発射していた。この事件は、地球人が、ほかの惑星の何者かから挑戦を受けた、最初の出来事である。この事件を調査するため、科学者たちは、原子力宇宙船ディスカバリー号で木星へ向かって旅立った。宇宙船を操縦していたプール飛行士(ゲイリー・ロックウッド)とボウマン隊長(キア・デュリア)は、コンピューターからのただならぬ注意信号を受信した。2時間半後に原子力宇宙船に故障が起こる、というのだ。プール飛行士は宇宙カーに乗りこみ、アンテナを取り替えた。ところが、コンピューターはまたもや次の故障が起こると予言してきた。プール飛行士は再び宇宙カーに乗りアンテナ取り替え作業を始めたが、こんどは彼自身に事故が起こり、宇宙服の命綱が切れて暗黒の宇宙空間に放り出された。ボウマンは、もう1隻の宇宙カーに乗り、プール飛行士を助けに行ったが、宇宙カーが自由に動かない。やっと接近したものの、マジック・ハンドの装置がいうことをきかず、プール飛行士を助けることはできなかった。急いで母船に帰ろうとしたボウマンが格納庫に近づくと、急にドアが閉まり、中に入れないばかりか、宇宙船の内部では人工冬眠のカプセルにも故障が起こり、冬眠中の科学者が次々と死んでいった。一体、このような事故は何故起きたのだろう? すべての原因はコンピューターが人間を支配しはじめたのである。ボウマンはコンピューターを壊した。そして再び人間が指導権をとった。果てしなく広がる宇宙空間。人間が完全に支配する日も、そんなに遠くはないだろう……。




二都物語  1957年(イギリス) ★★★  ニュー・シネマパラダイス 1989年(イタリア・フランス)★★★
主演:ダーク・ボガード  ドロシー・テューティン  セシル・パーカー    主演:フィリップ・ノワレ ジャック・ペラン サルヴァトーレ・カシオ  
あらすじ あらすじ
優れた才能を酒に溺れさせるロンドンの弁護士シドニー・カートン(ダーク・ボガード)は、ルシー・マネット(ドロシー・テューティン)を愛したが、彼女は彼と瓜二つの亡命フランス貴族チャールズ・ダーネイ(ポール・ゲール)と結婚した。貴族の圧制に対する不満の高まるパリで、憎悪を一身に集める従兄のサン・テヴレモンド侯爵をきらって、ダーネイは英国に名をかえて亡命していたのである。しかし、ルシーの父マネット医師が、かつて十八年間も従兄の侯爵のためバスチーユの獄にあった身とは知るよしもなかった。マネット医師は釈放の後、パリで酒場をやるもとの召使デファージュに助けられ、旧友ジャーヴィス・ロリイ(セシル・パーカー)の力で娘と再会、ロンドンで生活していたのだった。そのころ、パリではサン・デヴレモンド侯爵が名もない一市民に暗殺されたのを機として、暴徒と化した民衆の蜂起により、革命が起り、旧い制度は葬られ、その下に恩恵をうけた人間が続々と断頭台に送られていた。侯爵の召使ガベルとその娘マリー(マリー・ヴェルシニ)が、貴族に仕えていたというのみの理由で獄に送られたのを知ったダーネイは、危険をおかして単身パリに急行したが、自身も貴族の故をもって捕えられた。ルシー父娘と召使プロスは、弁護士カートンに同行をたのんで裁判に急ぎかけつけ、老医師がバスチーユの受難者であることを証明して、ルシーの夫ダーネイを無罪にした。しかしデファージュ夫人により、侯爵の暴虐を訴える老医師自身の昔の手紙が反証として提出され、再びダーネイは死刑となった。絶望に沈むルシーの姿に、カートンは今こそ酒に溺れた生活の償いの時のきたのを悟り、容姿の似ていることを利用してダーネイの身代りとなり、彼をルシー父娘と共に英国に逃し、自からは断頭台に立った。 現在のローマ。夜遅く帰宅した映画監督のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(ジャック・ペラン)は、留守中に母(プペラ・マッジョ)からアルフレードが死んだという電話がかかっていたことを知らされる。その名を耳にした途端、サルヴァトーレの脳裏には、シチリアのジャンカルド村での少年時代の思い出が甦るのだった−−。当時、母マリア(アントネラ・アッティーリ)と妹の三人暮らしだったサルヴァトーレ(サルヴァトーレ・カシオ)はトトと呼ばれ、母親に頼まれた買物の金で映画を観るほどの映画好きだった。そんなトトを魅了していたのは映画館パラダイス座の映写室であり、また映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)たった。パラダイス座には司祭(レオポルド・トリエステ)の検閲があり、そのせいで村の人々はこれまで映画のキス・シーンを見たことがなかった。トトはいつも映写室に入り込む機会を窺っていたが、アルフレードは彼を追い返そうとする。が、そのうち2人の間には不思議な友情の絆が結ばれてゆき、トトは映写室でカットされたフィルムを宝物にして集めるのだった。しかしある日、フィルムに火がつき、パラダイス座は瞬く間に燃え尽きてしまう。そしてトトの懸命の救出にもかかわらず、アルフレードは火傷が原因で失明してしまうのだった。やがてパラダイス座は再建され、アルフレードに代わってトトが映写技師になった。もはや検閲もなく、フィルムも不燃性になっていた。青年に成長したトト(マリオ・レオナルディ)は、銀行家の娘エレナ(アニェーゼ・ナーノ)に恋をし、やがて愛を成就させ幸せなひと夏を過ごすが、彼女の父親は2人の恋愛を認めようとせずパレルモに引っ越しし、トトは兵役についた。除隊後村に戻ってきたトトの前にエレナが2度と姿を現わすことはなかった。アルフレードに勧められ、トトが故郷の町を離れて30年の月日が経っていた。アルフレードの葬儀に出席するためにジャンカルド村に戻ってきたトトは、駐車場に姿を変えようとしている荒れ果てたパラダイス座で物思いに耽るのだった。試写室でアルフレードの形見のフィルムを見つめるサルヴァトーレの瞳に、いつしか涙があふれ出す。それは検閲でカットされたキス・シーンのフィルムを繋げたものであった。



 ニューヨークの王様 1957年(イギリス)★★★  ニキータ  1990年(フランス)★★★
主演:チャールズ・チャップリン ドーン・アダムス オリヴァー・ジョンストン  主演:アンヌ・パリロー  ユーグ・アングラード  チェッキー・カリョ 
あらすじ あらすじ
王様シャドフ(チャールズ・チャップリン)はヨーロッパの小国エストロヴィアからアメリカへ亡命した。革命のため国を追われたのだ。ニューヨーク空港に着くと、王様は指紋をとられた。自由の国のはずなのに。ホテルに落着き、散歩に出たが、街の騒音、ロックンロール、性転換映画、西部劇の射ち合いなど、散々な目にあった。翌朝、目覚めたら、王様は一文なしになっていた。総理大臣が王様の財産をそっくり持ち逃げしたのだ。王様は生活問題に直面した。隣の部屋から歌声が流れてき、王様が鍵穴からのぞくと、美女が風呂に入っていた。テレビ・アナウンサーのアン・ケイ(ドーン・アダムス)が、王様を自分のショウ“パーティめぐり”に出演させるために近づこうとしたのだ。王様は彼女が気に入り、クロムウェル夫人のパーティに出席し、ごきげんになって大はしゃぎした。放送されていたと知って、王様は怒ったが、もう全米の人気者になってい、いろんなスポンサーが出演を申しこんできた。みんな断ったが、財政が底をついてき、ついにウィスキー会社の申し出を受けた。本番のとき、王様は生れて始めてのウィスキーにむせかえったりして大騒ぎになる。みごとに酔っぱらった。失敗と思ったら、最高の宣伝とスポンサーは大喜びした。−−王様は学校を訪問した。乱暴者ぞろいの生徒の中で、学校雑誌の編集をしているルパート少年だけは変っていた。この十歳の少年がマルクスの本を読んでいたのだ。王様はいろいろ論じあい、二人は仲よしになった。数日後、雪の中を少年が通りかかったので、ホテルにあげて話をきくと、両親が共産主義者として非米活動委員会に調査され、少年も追われているといった。少年は捕り、王様も彼をかくまったかどで委員会に呼びだされた。エレベーターの中で消火ホースにいたずらしたら、指が抜けなくなり、王様はそのまま証言台に立った。委員会を侮辱するもの、−−立場は不利になった。消防夫が火事と思って消火栓につなぎ、水がふき出、王様はやっと指が抜けた。委員たちは頭から水を浴びた。しかし王様の嫌疑は晴れた。−−王様は自由の国アメリカを去り、ヨーロッパへ帰ることにした。王様はアンと少年に見送られ、飛行機に乗った。見る見るニューヨークが遠去かった。 パリの路上に生きる粗暴な不良娘ニキータ(アンヌ・パリロー)。麻薬中毒の彼女は薬屋を襲撃しようとして3人の警官を射殺してしまう。ニキータは無期懲役刑を言い渡されるが、その生存能力の高さに政府の秘密機関が目をつけ、工作員として働くことを強要される。初めは抵抗したニキータだったが、選択は一つしかないことを知り、教育係のボブ(チェッキー・カリョ)による厳しい訓練に耐え、先輩のアマンド(ジャンヌ・モロー)のアドバイスもあって3年後には美しい女殺し屋に変貌していた。23歳の誕生日に初めて外出を許されたニキータは、ボブに連れていってもらったレストランで拳銃を与えられ、暗殺指令を受ける。無事仕事をこなした彼女は一人前の秘密工作員として認められ、コードネームをもらった。そんな日々の中、ニキータにも初めての恋が芽生えた。相手はスーパーのレジ係マルコ(ジャン・ユーグ・アングラード)。しかし婚約者となっても彼には秘密を打ち明けることはできなかった。ソ連大使館から機密情報を奪取する指令を受け潜入するが失敗し身も心も疲れきったニキータにマルコは仕事をやめろと言う。彼は全てを知っていたのだ。ニキータは一人逃亡し、残されたマルコは機密情報のマイクロフィルムをボブに渡し、ニキータを守ってくれるよう頼んだ。静寂の中、言いようのない寂しさが2人を包んでいた。





 二番目のキス  2005年(アメリカ)★★★   年()★★★ 
主演:ドリュー・バリモア ジミー・ファロン ジョベス・ウィリアムズ  主演:
あらすじ あらすじ
ビジネス・コンサルタントとして成功をおさめたリンジー(ドリュー・バリモア)と、高校の数学教師ベン(ジミー・ファロン)。住む世界の違うふたりが運命の出会いを果たしたのは、10月のことだった。これまで自分と同様の野心を持つ男としかつきあったことのないリンジーにとって、裏表がなく、ユーモアのセンスにあふれたベンは新鮮で安らぎに満ちた存在だった。学校が春休みのあいだ、故郷のボルチモアへ一緒に行こうというリンジーの誘いを、ベンは断った。家族に会いたがらないのは真剣交際ではないからでは? と、疑うリンジーだが、ベンがボルチモアへ行けない理由は別にあったのだ。実はベンは、ボストン・レッドソックスの熱烈なサポーターで、毎年春休みの時期は球団のキャンプを見学しにフロリダまで出かけていたのだ。いよいよメジャーリーグが開幕し、リンジーはベンと共に生まれて初めてフェンウェイ・パークに足を踏み入れた。当然のごとく、周囲は全員ベンに負けず劣らずの熱狂的なサポーターだ。自分が一人だけ浮いていることを痛感したリンジーは、売店でレッドソックスの本を買い込み、勉強に励む。そんな調子で3カ月が経過し、昇進のチャンスを目の前にしたリンジーには、ベンにつきあい野球場へ通うことが重荷になりつつあった。そしてある晩、ファール・ボールに頭を強打されたことをきっかけに、リンジーは球場通いをギブアップ。仕事に集中したいのでベンとは試合のあとで会うようにしたいと申し出る。それ以来、二人の関係はギクシャクしはじめる。最初の不協和音が鳴り響いたのは9月の初め。パリへ出張することになったリンジーの「一緒に行こう」という誘いを、ベンがマリナーズ戦を理由に断ったことが原因だ。そのとき、自分が妊娠したかもしれないと感じていたリンジーは、このままベンと結婚したらどうなるかを真剣に考え始める。一方ベンも、恋をとるか野球をとるかで悩んでいた……。 あらすじ



 年()★★★   年()★★★ 
主演:  主演:
あらすじ あらすじ
あらすじ あらすじ



二十四の瞳  1954年(昭和27年) ★★★★★  西の魔女が死んだ 2008年(平成20年) ★★★★ 
主演:高峰秀子   主演:サチ・パーカー  
あらすじ あらすじ

昭和三年四月、大石久子は新任のおなご先生として、瀬戸内海小豆島の分校へ赴任した。一年生の磯吉、吉次、竹一、マスノミサ子、松江、早苗、小ツル、コトエなど十二人の二十四の瞳が、初めて教壇に立つ久子には特に愛らしく思えた。二十四の瞳は足を挫いて学校を休んでいる久子を、二里も歩いて訪れてきてくれた。しかし久子は自転車に乗れなくなり、近くの本校へ転任せねばならなかった。五年生になって二十四の瞳は本校へ通う様になった。久子は結婚していた。貧しい村の子供達は卒業を迎えても誰一人望み通り進学出来ず、母の死んだ松江は金比羅の食堂へ奉公に出された。八年後−−その頃擡頭した日本の軍国主義は久子を教壇から追い、大東亜戦争は夫まで殺した。島の男の子は次々と前線へ送られ、竹一等三人が戦死し、ミサ子は結婚し、早苗は教師に、小ツルは産婆に、そしてコトエは肺病で死んだ。久子には既に子供が三人あったが、二つになる末っ子は栄養失調で死んだ。終戦の翌年−−久子は再び岬の分教場におなご先生として就任した。教え児の中には、松江やミサ子の子供もいた。一夜、ミサ子、早苗、松江、マスノ、磯吉、吉次が久子を囲んで歓迎会を開いてくれた。二十四の瞳は揃わなかったけれど、想い出だけは今も彼等の胸に残っていた。

中学3年になったまい(高橋真悠)の元に“魔女”が倒れたという知らせが届く。祖母の家に向かう車の中で、まいの母(りょう)から祖母の訃報を聞く。魔女とは、英国人で、まいの母方の祖母のことだ。まいは2年前のことを思い出す。中学に入学したまいは、登校拒否になる。母は、“西の魔女”と呼ぶ祖母(サチ・パーカー)の家にまいを預ける。祖母は魔女の血筋で、草木についての知恵や知識を受け継ぎ、物事の先を見通す能力を持っているという。まいは自分も魔女になりたいと思い、修行を始める。魔女の修行とは、『早寝早起きをし、食事をしっかりとり、運動をし、規則正しい生活をする』ということと、『何事も自分で決める』といことだった。草原で摘んだワイルド・ストロベリーでジャムを作ったり、野菜やハーブを育てる生活は、まいの閉ざしていた心を解きほぐしていった。しかし近所に住むゲンジ(木村祐一)の言動に、まいは心をかき乱される。それでも彼に寛大に接する祖母を、まいは理解できない。遂にある出来事により、2人は心にわだかまりを残したまま、まいは祖母の家を離れることになった。まいは久々に祖母の家を訪れる。静かに横たわる祖母を前にして、不本意な別れ方をしたことを後悔するまい。しかし、祖母との約束を思い出したまいは死んだ西の魔女から、最後のメッセージを受け取るのだった……。




日本の面影(HNKドラマ) 1984年(昭和59年)  ★★★★★ 荷車の歌 1959年(昭和34年)  ★★★ 
主演:ジョージ・チャキリス 檀ふみ 津川雅彦 17回テレビ大賞優秀番組賞受賞作品 主演:三國連太郎  望月優子 
あらすじ あらすじ
ハーンは中学校と師範学校で英語を教える。月100円という。大工日当換算なら今の300万円ぐらいだ。先進国になった今でもこれほど取れる人はごくまれである。生徒は私語一つせず指命されれば元気に立ち上がって返事をする。江戸期の私塾はこんなだったのだろうとおもう。現代の中学校からは想像もできない真剣さだ。だが、ハーンはあるとき生徒の思考が画一的で創造力に乏しいと不満を述べる。蛍という題で作文させれば中国の蛍雪の説話からの発想しかできず、蛙という題では柳に飛びつく蛙である。よく時代を捉えていると思った。やがて彼は日本人の食生活の貧しさに気付く。動物食をもっと取らねば西洋文明をものにできないと苦言する。西田教頭が誤解して、夫人にビフテキの馳走を命じる。ハーンは宿で毎朝生卵10?個と牛乳を用意させ、お腹に悪いと担当女中を心配させる。習慣の違いからしょっちゅう出てくるハーンと周囲の食い違いは、どれもこれもコミカルで楽しいシーンである。西田教頭が病気になったと夫人がハーンに告げる場面がある。ハーンは、夫の不幸をなぜにこやかに笑みをたたえながら話すのだといかぶる。知るものには喜劇である。彼は宿住まいの気疲れから逃れようと一軒持つが、折からの冬の寒さに参ってしまう。紙一枚(障子)で雪寒が防げるかと、この時ばかりは日本を大いに恨む。松江の八雲旧宅は見学したことがある。結婚後移り住んだ家で、一人住まいを始めたときの家ではない。上級武家屋敷だった。確かに暖炉囲炉裏の設備のない寒々しい家屋だった。松江の武士は、火鉢だけで、今よりずっと寒かった山陰の冬を過ごしたらしい。とうとう風邪を引き発熱で寝込んでしまったとき、小泉せつが、西田の斡旋で急遽住み込み女中となって、ハーンの身の回りの世話を始める。独身外国人男性の家の住み込み女中は噂の種になった。実際にはハーンは手を着けなかった。後々の幸福の準備段階として肯ける。せつは月20円も手当に貰えるのだから妾奉公覚悟で出ていると周囲に云う。確かに20円は破格である。あまりデータはないが、金沢の江戸末期の武家の下女はなにもかも入れても年1両にならなかったし、大阪の宿屋では上の女中が年4両ぐらいだった。換算したら明治前期は高くて月3円が相場である。小泉一家は典型的な没落士族である。幕末に500石を取っていた上士中の上士の家系だが、明治に入ってからのお決まりの武士の商法でスッテンテンになり、今は貧しい長屋住まいになっている。あてにならぬ男共に代わって、せつが仕立物や機織りで一家を支えていた。複雑なのはせつが稲垣家の養女という立場にあることで、それに出戻りだった。出戻りと言ってもまだ22なのである。城山稲荷神社のお狐さまはハーンのころは2000体を数えたそうである。現代人には怖くも恐ろしくもないが、あの頃はどうだったのだろうと見物したときは思った。ともかく独特の雰囲気がある場所だ。それが画面に出てくる。求婚前のハーンの心を写すのにいい背景である。ハーンはもう40歳だった。ハーンはせつを娶ったことにより、小泉、稲垣両家の扶養を纏めて引き受ける羽目になる。中国残留孤児の老婦人が日本に引き揚げたとき、係累の中国人20人ほどもが同伴来日定住し、我々を吃驚させたことがあるが、明治のころの日本の一族という観念は今の中国のそれに似ていたと云えるのだろう。親族だけのささやかな挙式だった。神前結婚などは後世のものである。親族はせつが外国人になってしまうと反対し、籍を入れなかったという。ハーンは家庭に恵まれぬ育ちだったから、急にたくさんの親族を得て、少なくとも初めは素直に喜んだ。彼は結婚を機に転勤願いを書く。理由は冬の寒さと扶養家族の増加であった。転勤先は熊本の第五高等中学校であった。給与は倍の月200円に上がった。引っ越し家族は、女中の信と稲垣家の3人を合わせ6人だった。稲垣家をなぜ同居させるのか、当時の感覚は現代人には理解しがたい。小泉家はその後大阪に移るが、扶養は相変わらずだし、せつの弟がさらに資金をせびりに熊本まで来たりする。熊本での逸話に登場する人物の中では、伊丹十三演じる英語主任・佐久間先生が実にユニークである。皮肉が効きすぎるものの言い様に加え、話の途中に挿む奇妙な笑い声は忘れがたい。もう一人、真行寺君枝演じる雪女も印象的であった。映画の怪談では、岸恵子が観客の想像力に訴える素晴らしい演技を見せたが、真行寺はもっと若々しい雪女で見せてくれた。物語をせつと相談する場面がある。雪女は伝承民話だろうが、detailはせつとの合作であるらしい。隣家に入った強盗と家人とのやりとりはまことにけっさくで、前世の因縁から商道徳まで、時代を治めていた倫理観の縮図を見る思いだった。穏やかで人情味豊かな松江に対する荒々しい熊本の気風の対比、家族をえたハーンの新しい戸惑いなど、結婚から熊本までの第3部はこのシリーズでもっとも面白い1作である。第4部はそれまでの日本賛美に対する反動から始まる。ハーンはアメリカに戻ろうとさえ思うが、家族と親族を除けば自分にはなにも残らないと達観し、日本に帰化してライフワークとしての日本論を完成させようとする。盛名はすでに高く、東京帝国大学教授に400円の月給で任用される。彼は狭心症で死ぬ。狭心症は胸の痛みを伴うから、相当以前から死の予感はあったはずだ、と思うとせつに覚悟を促す姿は自然である。

明治二十七年--広島県の山奥の村。地主の屋敷に女中奉公するセキは、郵便配達夫の茂市に求婚された。茂市は、一銭も月給の上らない配達夫を止めて、荷車ひきになると言った。茂市に好意を感じていたセキは、勘当の身となりながらも嫁いだ。二人は、一台ずつ荷車を引いては村を出て、往復十里の道を町へ通った。やがて車問屋になる日を胸に描きながら。姑はセキに冷たく、茂市の弁当箱には米の飯をつめ、セキの弁当には粟飯をつめるような人だった。セキはやがてオト代を生んだ。オト代は気性の勝った娘に育った。祖母の荒い仕打ちに逆いいびられ通しのオト代は、コムラ夫婦に貰われていき、村を去った。セキは次々と子供を生んだ。姑が病気で倒れると、セキは心の底から看病をした。姑も、涙をこぼしセキの手を取って死んでいった。--茂市とセキは、車問屋を始めることが出来た。が、間もなく鉄道が通じ、山奥の村からは荷馬車が荷を運ぶようになり、手車は時代の波に取り残された。子供たちはそれぞれ一本立ちするようになった。オト代と次女のトメ子は結婚し、長男の虎男は鉄道の機関手、末っ子の三郎は電車の運転手になった。セキの上にも幸福な日が訪れたかに見えた。だが、茂市には隠し女があった。茂市は、オヒナというその女を家に連れこんでしまった。大東亜戦争--虎男も三郎も召集された。そして戦争は終ったが、三郎は戦死し、茂市は泥田の中で倒れて死んだ。「セキよ、長い間ようこらえてくれた。……」とセキの手を取りながら。茂市の葬式には、子供や孫たちがやって来た。供養にササ餅を作ろうとセキは言い、薪とササを取りに孫たちを乗せ、力強い足どりで荷車をひいた。行手には、戦地から帰った虎男の姿があった。










人間の条件 第一部 純愛変  1959年(昭和34年) ★★★★   人間の条件 第二部 激怒編  1959年 ★★★
主演: 仲代達矢 新珠美千代  山村 総    主演: 仲代達矢 新珠美千代  山村 総 

あらすじ あらすじ
空前のベストセラー五味川純平の半自伝的小説を、小林正樹監督が映画化したヒューマニズム巨編。戦争に懐疑的でありながら、否応なく戦地に駆り出された男の信念と苦悩を通して、戦争の不条理さを描いた全六部構成の超大作。第一部「純愛篇」では、太平洋戦争のさなか、招集免除を条件に南満州にある鉱山に労務管理として妻とともに赴いた梶が、現場の不正と闘いながら、労働者たちの劣悪な待遇改善のために奮闘する。  会社の増産目標を達成し表彰される梶。だが、過酷な労働実態から脱走者が相次ぐ。ついには、見せしめのため七人の労働者が脱走犯のぬれぎぬを着せられ、処刑されることになってしまう。一方裏で脱走を手引きし甘い汁を吸う者もおり、梶と親交の深かった中国人の若者は、利用されたあげく自らの命を絶ってしまう。そして脱走犯とされた労働者たちが処刑される時を迎えるが、梶は決死の覚悟で処刑を中止させようとする。



人間の条件 第三部 望郷編  1959年 ★★★   人間の条件 第四部 戦雲編  1959年  ★★★
主演:仲代達矢 新珠三千代 佐藤慶  主演: 仲代達矢 佐田啓二 川津祐介 
あらすじ あらすじ
臨時招集令状が届き、厳寒の地に送られた梶は、古参兵の理不尽な仕打ちに耐えながら厳しい訓練を受けていた。妻の美千子は、労働者処刑事件での梶の無実を訴えた手紙を中隊長宛てに送るが、この手紙によって梶は思想犯の兄を持つ新城とともに上から目をつけられてしまう。そんな折、美千子が梶のもとを訪れるが、これが二人一緒に過ごす最後の夜となった。その後、梶に命の危機が・・・。 九死に一生を得て、病院で目覚めた梶はしばしの療養ののち退院し、軍に復帰。そこで昔の友人・影山と再会し、少尉となっていた彼から初年兵の教育を手伝ってほしいと頼まれる。梶は引き受ける交換条件として、内務班の編成を変えることを要求。厳しい上下関係の中で非人道的な行為が横行する軍隊組織を少しでも変えようとする。やがて戦況が悪化し、影山は戦死。前線での壮絶な戦いの中、梶は目の前で仲間を次々と失っていく。



人間の条件 第五部 死の脱出編  1961年  ★★★ 人間の条件 第六部 曠野の彷徨編  1961年 ★★★
主演:仲代達矢 新珠三千代 中村玉緒  主演: 仲代達矢 高峰秀子 川津祐介 
あらすじ あらすじ
敵の攻撃を受け、梶の隊は彼を含む3名を残して全滅。関東軍が事実上崩壊したと判断した梶は、敗残兵としてひたすら歩き続け、迷い込んだ密林で避難民と遭遇する。梶たちが持っていた食料で何とか食いつなぎ、どこまでも続く密林を進む中、彼らは飢えや食虫毒から次々と亡くなっていく。何とか密林を抜けても、生きるための闘いの日々が続き、梶の目の前にはさらなるむごい現実がつきつけられる。 梶たちは、老人と女性ばかりの開拓部落へと行きついた。部隊を解散し各自の意思で行動しようとしたやさき、敵軍が通りかかり、梶たち敗残兵は全員降伏。敵地へ連れていかれ、過酷な労働に従事する。そこで捕虜を管理していた桐原は梶に恨みをもっており、梶を陥れようと画策する。ある事件で激しい怒りと絶望を味わった梶は、桐原と対決した夜、収容所を抜け出す。



にあんちゃん  1959年(昭和34年)  ★★★★★  人情紙風船   1937年 ★★★★
監督: 今村昌平. 出演: 長門裕之, 松尾嘉代, 沖村武 監督 山中貞雄 出演 中村翫右衛門 河原崎長十郎
あらすじ あらすじ

昭和二十八年の春。佐賀県にある鶴ノ鼻炭鉱では、ストライキが行われていた。そのさなかに、安本一家の大黒柱である炭鉱夫の父親が死んだ。残された喜一、良子、高一、末子の四人の子供たち。喜一は二十歳になったばかりだ。安本一家が住んでいる山の中腹の長屋の人たちも、皆その日暮しの苦しい生活をしていた。長屋の子供たちは学校へ弁当も満足には持っていけない。喜一が失業した。一家共倒れを防ぐため、高一と末子を辺見家にあずけ、喜一は良子と長崎に働きに出かけた。しかし、辺見家でも生活は苦しく末子は栄養失調になった。赤痢が発生した。末子も罹病した。保健婦のかな子と、末子の担任教師桐野が働いた。やがて、決定的な時が来た。会社が炭鉱を廃坑すると宣言したのである。人々はやむなく家をたたみ、山を下りていった。高一と末子も、帰って来た喜一に連れられて、閔さんの家に引きとられた。しかし、汚ない堀立小屋で異臭がひどく、夜逃げして炭鉱に戻った。−−桐野はかな子をハイキングに誘った。が、かな子の答えは冷たかった。許婚者がいたのだ。高一も働きに出かけた。漁港の荷運びだ。喜一は佐賀のパチンコ屋に就職した。かな子は東京に転勤になった許婚者を追って鉱山から去った。高一は東京へ行った。しかし、東京へ着くとすぐ警察に保護された。中学生が、それも一人で九州から職を探しに来たという話に、不審に思った自転車屋の主人が警察に連絡したのである。送り返されて高一は炭鉱村に帰った。嬉し泣く末子の肩を抱きながら、やはり兄妹一緒に生きていこうと思った。

江戸貧乏長屋浪人の首吊りが発生、役人が調べに来る。長屋の住人である髪結いの新三は、長屋の連中で浪人の為にお通夜をしてやろうと言い、大家を説き伏せてをせしめる。お通夜が行われるが、長屋の連中はがただで飲めると喜び陽気な馬鹿騒ぎを行う。同じ長屋にいる浪人の海野又十郎は、父の知人の毛利三左衛門に仕官の口を頼みに行くが、邪険に扱われ相手にしてもらえない。その毛利三左衛門は質屋である白子屋の店主の愛娘お駒をさる高家の武士の嫁にしようと画策している。しかし当のお駒は番頭の忠七とできている。新三は自分で賭場を開いていたが、ヤクザの大親分弥太五郎源七の怒りを買い散々な目にあってしまう。そのせいで金に困り、髪結いの道具を白子屋に持ち込むが相手にしてもらえない。海野又十郎は、懲りずに何度も毛利三左衛門に会いに行くが、ある日どしゃぶりの雨の夜に「もう来るな」と言われてしまう。同じ日の夜、忠七が店へ傘を取りに戻っているのを待っているお駒を見かけた新三は、彼女を自分の長屋に連れて帰ってしまう。白子屋の用心棒をしている弥太五郎源七を困らせる為だ。誘拐を知った白子屋、嫁入り前の大事な時だと源七らを使って、長屋にお駒を引き取りにくるが、新三は源七らを追い返してしまう。その後、大家の計らいで、お駒は無事に白子屋へ帰され、大家と新七は50両の大金を得、その夜、その金で宴会をする。誘拐の片棒を担いだ又十郎も分け前の金を貰って宴会に行くが、真面目だと思われていた又十郎の行為に長屋の女房たちは良い顔をしない。それを知った妻のおたきがとったは…




ニッポン無責任時代  1962年(昭和37年) ★★★  憎いあんちくしょう1962年(昭和37年)★★★
. 出演:植木等 重山規子 ハナ肇 出演:石原裕次郎 浅丘ルリ子 芦川いづみ
あらすじ あらすじ
口八丁、手八丁の平均(たいら・ひとし)は、バー「マドリッド」で太平洋酒乗ッ取り話を小耳に挟んだ。太平洋酒の氏家社長に同郷の先輩の名を持ち出し、まんまと総務部勤務になった均の初仕事は、大株主富山商事の社長を買収することだった。小切手一枚で見事成功。新橋芸者まん丸も彼の凄腕にコロリ、係長に昇進とは全く気楽な稼業である。しかし三日天下とはよくもいったもの、乗ッ取り男・黒田有人が富山の持株を手に入れたと判って、均はたちまちクビになった。黒田の黒幕は山海食品社長大島良介だが、彼の娘洋子はボーイ・フレンドの氏家孝作と駈け落ちをした。さて、均は新社長就任パーテーで黒田に会ったが、余興と宴会のとりもちの巧さから渉外部長に返り咲いた。ところで伝統ある太平洋酒が山海食品の子会社になるとは、太平側の社員にしてみれば無念な話である。一方、トントン拍子の均の下宿にマドリッドの女給京子、芸者まん丸、太平洋酒の女秘書愛子が押しかけ、恋のサヤ当てを始めた。均は愛子の猛烈なキッス攻めにフラフラである。その頃、大島邸を訪ねた黒田が令嬢洋子の結婚話を切り出したところ、彼女には氏家孝作という好きな相手がいると判った。均の次の仕事は、太平洋酒の商売仇である北海物産からホップの買いつけである。均は煮ても焼いても食えない北海の石狩社長を、桃色フィルムとお座敷ヌードで攻略したが、美人局の真似とはもってのほか、そのうえ公金横流し、御乱行がバレてクビになった。だが転んでもただ起きない均は、洋子の縁談のことで大島と黒田が頭を痛めていると知るや洋子の居場所をタネに、氏家社長の復職を迫った。かくて一転、二転、三転、晴れてその日は氏家家と大島家の結婚式、タキシード姿で現れた均が北海物産の新社長とは誰が知ろう!
北大作はマスコミから追いまわされる「現代のヒーロー」で、映画出演、テレビ座談会、司会、原稿執筆等々、一分一秒まで予定で埋っている。そんな彼を支配するのは、マネジャー兼恋人の榊典子という近代娘。二人は二年前から「ある瞬間」がくるまで、指一本ふれないという約束をかわしている。時間で動く機械のような生活に倦怠を感じている大作の前に、井川美子が現れて情勢は一変した。「ヒューマニズムを理解できるドライバーを求む。中古車を九州まで連んでもらいたし。但し無報酬」という奇妙な三行広告が、大作の受け持つテレビ番組とりあげられたのが事の始まり。美子の恋人で医師の敏夫は、九州の片田舎に住んでもう二年も離れたままだが、今なお二人の間には純愛が続いている。大作の体中の血がたぎった。「僕が運びます!」彼が本番最中のテレビ・スタジオを飛び出したので、典子やディレクターの一郎は大あわて。典子はスポーツ・カーで、ジープを飛ばす大作を追った。いち早くこの事件から新番組を企画した一郎たちの取材班、新聞社の車がそれに続いた。静岡、豊橋、名古屋、京都−−。典子は愛する大作の突飛な行動を正当化し、話題の焦点にしようと一芝居打つが、それは失敗に終った。大作の心には、井川美子の純愛をたしかめることしかないのだ。幾多の困難を排してジープは一路九州へ。福岡の山笠まつりの混乱の中で、群衆にもまれた典子は大作に救い出された。大作は典子との間にあった倦怠が崩れ、ついに「ある瞬間」がやってきたのを知った。阿蘇の大噴火口を越えると、目的地は近い。洗川村では美子と敏夫が大作を待っていた。ジープを渡した大作は、東の空にのぼる太陽を見つめて、典子に叫んだ。「さあ、きょうから僕たちの第一日目だ!」と−−。



日蓮と蒙古大襲来 1958年(昭和33年) ★★★  紅の豚 1992年(平成4年)★★★ 主題歌:さくらんぼの実る頃
. 出演:長谷川一夫 市川雷蔵  勝新太郎  監督:宮崎駿  声:森山周一郎 加藤登紀子 岡村明美
あらすじ あらすじ
十幾年の求道の遍歴を終えた日蓮--蓮長は「吾れ今日より日本の柱とならん」と、故郷安房の土を踏み、清澄寺に集った人々の前で開宗第一声を放った。現在の仏法はすべて邪法だ、法華経以外に真の平和は得られぬと説く彼の言葉は、人々の期待を裏切り、追放される身となった。しかし彼の両親は改めて説かれ最初の法弟子となった。力を得た蓮長は名を日蓮と改め、救国救民の首途についた。鎌倉に庵を結んだ日蓮は、弟子日昭を得、連日、南無妙法蓮華経の旗を掲げ辻説法をつづけた。他宗信者の迫害もあったが、国を愛する彼の信念は強く、帰依者も増えた。日蓮は数々の予言を含め為政者の反省を求める立正安国論を幕府に提出した。が、日蓮を憎む幕府の重臣極楽寺重時らによって草庵を焼討ちされた。日蓮は新弟子日朗と難を避け身を隠したが、そのころ起った大地震で鎌倉が崩壊するや、隠れ家を出て難民救済に当ったため幕吏に発見され、伊豆へ流罪となった。しかし日蓮の救国に捧げる真摯な態度は若き執権補佐北条時宗に聞え、時宗は日蓮の流罪を解いた。かくて数年、日蓮の予言が事実となって現れ始めた。九州博多には世界を席捲した蒙古からの使者が到着した。時宗は蒙古の世界制覇の野望を見破り、使者を追放した。一方日蓮も蒙古船の訪れこそ国難の前兆と、各方面に警告の書状を発し時宗に面会を求めた。が、日蓮を敵視する時宗の母や執事頼綱のため国を乱す狂僧として捕えられ、竜の口で処刑されることになった。刑場へ行く途中、日蓮の祈りで雷鳴が起り、再び難を免れたが、今度は佐渡へ流刑となった。やがて、日蓮が警告しつづけた異国侵略は事実となり、文久十一年夏、蒙古十万の軍船が来寇、壱岐、対馬を血祭にあげるや直ちに博多湾に迫った。時宗は鎌倉武士の出陣を命ずるとともに偉大なる予言者日蓮を、丁重に鎌倉へ迎えた。時宗は日蓮を伴い博多へ出陣した。が、数をたのむ蒙古軍は意外に強く、箱崎、博多が焼き払われた。日蓮は博多の一角で敵国降伏を祈りつづけた。すでに三割の軍勢を失った日本軍は遂に翌日の決戦を迎えることになった。ところが、その夜、突如として起った暴風雨は、蒙古の軍船を木の葉の如く奔弄、全艦隊を博多湾海底深く葬り去った。夜を徹して祈りつづけた日蓮の前には日輪が厳かに昇りつつあった。 第一次大戦時、イタリア空軍のエース・パイロットだったポルコ・ロッソ。彼はある事がもとで自分に魔法をかけ、豚に姿を変えた。今ではアドリア海にはびこる空賊を捕らえる賞金稼ぎ。その彼を煙たがる空賊達はポルコを倒すため、アメリカのパイロット、ドナルド・カーチスを雇い入れた。腕はやたら立つくせに、どこか陽気で女に惚れっぽい気のいい奴だ。彼は、エンジンの不調に手を焼くポルコを待ち伏せて、まんまと撃墜に成功する。ポルコのかつての飛行機仲間であり、今はホテル・アドリアーノのマダムであるジーナに一目惚れしていたカーチスは、ポルコがいない間に彼女に言い寄るが、私には待っている人がいると、あっさりかわされてしまう。ポルコは壊れた愛機を馴染みの修理工場ピッコロ社へと運び込む。そこで出会うピッコロの孫娘・フィオ。艇の設計改造をやるという彼女に、ポルコは一旦は憤慨するものの、熱意に満ちた彼女に負けて全てを任せてしまう。快活で屈託のない彼女の姿がポルコには新鮮に映った。そして完成したポルコ艇は想像通り完璧だった。やがてフィオはポルコ艇に乗り込み、彼と行動をともにする。蘇った艇を操り、ようやくアジトに戻ったポルコたちを待ち受けていたのは、例の空賊どもだった。地上でポルコを襲う彼らの卑劣さにフィオは激怒し、彼らにポルコ対カーチスの再試合を迫る。そこへ颯爽と登場するカーチス。高飛車に出ようと格好をつけるカーチスだったが、フィオを見るなり再び一目惚れ。彼女を賭けるという条件で話に乗ってしまう。決闘の前夜、ポルコはフィオにせがまれるままに、第一次大戦での体験を語った。そして遂にやって来た決闘当日、大勢の空賊やフィオに見守られながら大空中戦を繰り広げるポルコとカーチス。果ては2人の殴り合いとなりポルコはカーチスを倒すのだった。




二等兵物語  1955年(昭和30年)★★★ 喜劇 にっぽんのお婆ちゃん 1962年(昭和37年)  ★★★ 
. 出演:伴淳三郎, 花菱アチャコ, 松井晴志  監督:今井正 出演:ミヤコ蝶々 北林谷栄 飯田蝶子  
あらすじ あらすじ
終戦も間近い昭和二十年六月、古川凡作は令状を受けて入営する朝、急な神経痛の発作で足腰が立たなくなった。乳母車で入営した発明心に富む凡作は、「不髄の身が乳母車で入営」と思わぬ英雄扱いを受けた。新聞でこれを読んだ初瀬悦子という女性が感激のあまり、慰問に来てくれ、凡作は有頂天だった。だが、軍隊生活は正気の沙汰とは思われないほど厳しい。ある夜、こっそり悦子と逢った凡作は弾薬庫の近くで、うっかり煙草の吸殻をこぼれた石油の中に捨て、やっとのことで消しとめたが、駈けつけた隊長の若林から殊勲甲と激賞され、従卒に抜擢された。役目は隊長と妾マリとの連絡係である。だがへマをやったばかりに、隊長の奥さんからマリと結婚しろと迫られた。凡作は親友柳田二等兵の親子愛に持前の義侠を発揮して、柳田の招集解除を交換条件にマリと式をあげた。ところが、隊長は言を左右にして約束を果たさず、金鵄勲章でごまかしてしまった。凡作は悦子の誤解をとくため、女装して軍需工場へ潜り込むがスパイ容疑で憲兵につかまり、本物の八路軍のスパイが現れるまで赦されなかった。やがて終戦の日、若林隊は大混乱に陥り、隊長以下古参兵たちがあさましくも物資を奪い合うのを見るや、怒りに燃えた凡作は銃で脅かして、全員を整列させた。そして、日頃のウップンを思い切り晴らしたうえ、彼らに反省を求めた。一同の心にも凡作の熱意は通じ、全員は一つ心になって泣いた。復員の日、迎えに来た悦子と柳田の息子に「これから何の発明をするの」と訊かれた凡作は、「いつまでも平和がつづく機械を作るのだ」と昂然と答えた。

秋の陽ざしも弱々しい浅草仲見世。レコード屋の前で橋幸夫の「木曽節三度笠」を聴きながら、サトとくみはすっかり意気投合。くみは工員を八十人も使っている製靴工場の御隠居だそうだし、サトの方も息子夫婦がポリエチレンの会社をやっていて、これまた全くの楽隠居だという。それにしてはくみの服装が粗末だし、サトの顔にも生気がない。焼鳥屋の店員昭子が楽しそうな二人に声をかけ、自分の店に案内する。ビールをあおって二人はご機嫌だ。やがて店を出たサトたちは、街角で化粧品のセールスマン田口と知り合う。女房とのノロケ話に二人は過ぎし昔の結婚生活を思いうかべて涙ぐむ。夕ぐれ近く、二人は田口と別れた。その頃、郊外の老人ホーム福寿園では、福田園長たちが蒼くなっていた。このホームのお婆さんがひとり、遺書まで残して失踪したからである。ゆうべ配給になったドラ焼が一個なくなり、無実の罪をきせられた彼女が腹いせに飛び出したのだと、元洋傘直し屋の兼井がいう。園長は警察に電話をかけた。松屋デパートのネオンが隅田川の水面に映りははじめた頃、二人のおばあちゃんは吾妻橋のまん中にしゃがみ込んでいた。サトが、実は息子と嫁に邪魔にされて死場所を探しに家出たと打ち明ければ、くみも「私もそろそろ世の中においとましようと思ってたのさ」と、意外なことをロ走った。老人ホームを飛び出したのは彼女なのだ。川を覗いてはドブ臭いからとあきらめ、都電では車輪が鉄で痛かろうと迷っていると、巡査につかまった。二人は親切な昭子を思い出して孫だといったため、焼鳥屋の寮に送られ「木曽節三度笠」のにわか講習で元気をとり戻す。が、再び巡査に会い、サトは“鬼の夫婦”が住む都営住宅へ、くみは老人ホームへ戻されてしまう。一夜明けて……朝から嫁と口論をはじめたサトはテレビのつまみをひねるうち、きのう別れたくみの大写しを見た。福寿園の中継放送である。その夜「わては友達のとこへ行くわ。あんたのとこには、もう厄介にならんでよろし」と、サトは啖呵をきって横になった。あしたにでも、くみをたずねて行くつもりか、風呂敷包みがひとつ、彼女の枕許においてあった。



 人間の証明 1977年(昭和52年) ★★★  逃げる女2016年(平成28年)NHKドラマ ★★★★
. 出演:岡田茉莉子 高沢順子 松田優作    . 出演:水野美紀  仲里依紗  遠藤憲一 賀来賢人    
あらすじ あらすじ
東洋的な風貌を頬に刻んだひとりの黒人青年が、ニューヨーク・バンクで六千ドルの大金を白人紳士から受け取り、みすぼらしいスラムをあとに、一路東京へと飛び発った。キスミーに行くという言葉を残して。東京ロイヤル・ホテルの四十二階で、人気絶頂の女流デザイナー八杉恭子のファッション・ショーが始まって間もないころ、エレベーターの中で、黒人が胸にナイフを突き刺し、西条八十詩集を抱いたままその場に倒れて死んでいた。男の名は、ジョニー・ヘイワード。麹町署に捜査本部を置き、警視庁の那須班の刑事たちは、エレベーター・ガールの証言から、ジョニーが死にぎわに口走った“ストウハ……”という言葉を最初の手がかりとして、捜査を開始した。棟居刑事とベテラン刑事横渡らは、現場近くの潜水公園を検証し、そこで古い麦わら帽子を発見した。ストウハ……、それはストロウ・ハット(麦わら帽子)のことなのか?−−その夜、別の場所で車による轢殺事件が起きた。東洋技研の新見部長に、家の近くまで送られてきたホステスのなおみが車から降りて間もなく、別の方向から走ってきた車にはね飛ばされた。運転していた郡恭平は、女友達の路子と共に、なおみの死体を車に担ぎこみ、海に棄てた。一方、なおみのことが気にかかり、彼女と別れた場所に戻った新見は、そこで血のにじんだ時計を見つける。それは息子の恭平に、八杉恭子が買い与えた物だった。ニューヨーク市誓の刑事ケン・シュフタンは、日本からの依頼で、ジョニーの身元捜査のため、彼のアパートを訪ね、そこでパーク・アベニューに住む、ライオネル・アダムスの名を記したメモを見つけた。アダムスの話によると、数カ月前、彼の車にぶつかってきたウィルシャー・ヘイワードという名の黒人に六千ドルを要求され、彼の息子のジョニーに支払ったという。一方、失踪した愛人のなおみを追っていた新見は、時計の持主が郡恭平であることをつきとめた。新見から依頼を受けた棟居と横渡が、郡家を訪れると、すでに恭平はニューヨークへ発ったあとである。恭平が事故を起こした事を知った恭子が、彼を国外へ逃がしたのであった。郡家からの帰途、おでん屋に立ち寄った棟居と横渡は、酔い痴れた客が、西条八十の詩の中の“霧積”と言葉を口ずさむのを耳にする。ジョニーが言った“キスミー”それは、もしかすると、この霧積のことではないのか? 早速その霧積へ飛んだ棟居と横渡は、この地に古くから住む中山たねという老婆が、昔、霧積にやって来た黒人の親子連れを見かけたことがあるという話を聞きこみ、そのたねのもとへ駈けつけたが、たねはその直前に殺されていた。棟居らは、たねのいとこよしのから、たねが終戦直後、横須賀でバーを開いていたこと、そしてその店で意外な女性が働いていたことを知った。中山たねが、昔見かけた黒人の親子連れというのは、この女と、ウィルシャー・ヘイワード、そしてジョニーのことではないだろうか。ウィルシャーが、わが身を犠牲にしてまで、息子を日本へ旅立たせた訳は、ジョニーを母に会わせるためだったのではないだろうか? そして、日本へやって来たジョニーと、この母との間に何かが起きた−−棟居はいっきにニューヨークに飛び、25分署のケン・シュフタンとコンビを組んで、ジョニーの父親ウィルシャー・ヘイワードの捜査を開始したが、意外にも日本とアメリカの二人の刑事は、宿命的な絆によって結ばれていたのだ。戦後30年、さまざまな生き方をしてきた人々が、見えない一本の糸にからまれるように、深く関り合う。東京とニューヨークを結ぶこの捜査がすすむにつれ、事態の展開は、息をのむような新しい事実をほりおこし、また意外な事件を生んでゆく…。
えん罪が晴れて、8年ぶりに刑務所を出所した梨江子。児童養護施設での殺人事件の犯人とされていたのだ。梨江子は、アリバイを否定した親友のあずみを探しはじめる。長年苦しんだ梨江子に周囲はなおも冷たい。苛烈な取調べを行った刑事の佐久間は、償いの気持ちで梨江子を案じる。が、若い刑事の安藤は、状況を冷静に見ていた。梨江子は自分をえん罪におとしいれたあずみを探すうちに、勤めていたカフェにたどり着く。が、女主人の綾乃から、あずみは新婚旅行中と聞き、衝撃を受ける。あずみを待つ梨江子は、カフェの女主人・綾乃の飾らない人柄に、ふと安らぎを感じる。嵐の夜、カフェに美緒が突然現れる。再会に戸惑う梨江子。傍若無人な美緒を、綾乃も持て余す。一方佐久間と安藤は、梨江子を案じつつ新たに起こった殺人の捜査を始めるが...。かつて梨江子を裏切ったあずみは、待ち合わせ場所に現れなかった。梨江子は綾乃の元を離れ、再びあずみを探す旅に出る。なぜか執拗についてくる美緒を振り払うことができない。一方佐久間と安藤もあずみの失踪を知り、ちらつく梨江子と美緒の姿に、不審を抱く。情報を得たい梨江子は、高校時代の友人・深見を訪ね、あずみの秘められた一面を改めて知ることに。そして思いがけず、父・喬雄ら家族に再会するが...。梨江子と美緒の周囲で殺人が起きていることに、佐久間は動揺する。追ってきた佐久間と安藤から、美緒は巧みに梨江子を逃がす。佐久間たちは、父親の喬雄や、友人の深見らに梨江子の居所を尋ねる。が、その強い反感から、えん罪事件の残した傷がいかに大きいか、を悟る。裏切ったあずみをなおも探す梨江子は、児童養護施設の先輩職員・斉藤を訪ねる。斉藤は、事件の真相を明らかにするべく、梨江子のために力を尽くしてくれた人物でもあった。梨江子と美緒は、あずみと施設で一緒に育った千夏のもとへ。千夏が不在の間、留守番をすることになった二人。お互いの気持ちは反発と共感を繰り返しつつ近づくが、行き違いから美緒は去ってしまう。安藤は、のちの美緒らしき少女が関わった陰惨な事件に行き当たる。一方、発見された水死体があずみではないかと、半信半疑の佐久間。梨江子の過去を探ろうと、児童養護施設の先輩職員・斉藤を訪ねる。追ってきた佐久間と安藤から、またも逃げ出した梨江子と美緒。逃避行のうちに、梨江子は美緒に対して愛しさに似た気持ちを覚え、かたくなだった自分の変化をも感じる。が、そんな矢先、あずみの水死体が上がったことを知る。美緒を責めるが、自分を殺せと迫る彼女を突き放せない。佐久間たちが近づいていることを知り、梨江子はある決意を固める。が、美緒の拳銃が思わぬ結末を導く。



 日本の黒い夏 冤罪 2000年(平成12年)  ★★★   日蓮 1979年(昭和54年) ★★★ 
 出演: 中井貴一  寺尾聰   細川直美     出演:萬屋錦之介   田村高廣    岸田今日子   中村嘉葎雄
あらすじ
1995年初夏、松本市。高校の放送部に所属するエミとヒロは、一年前に起きた“松本サリン事件”での一連の冤罪報道を検証するドキュメンタリー・ヴィデオを制作していた。ふたりが訪れたのは地元のローカル・テレビ局。この放送局以外、どこも協力的ではなかったのだ。さて、局では報道部長の笹野と彼の部下で記者の花沢、浅川、野田がふたりのインタビューに答えてくれた。彼らは、事件当時の取材の様子を回想する。それは、閑静な住宅街で突然起こった死傷者を多数出した有毒ガス事件だった。翌日、警察は事件の被害者であり、第一通報者でもある神戸俊夫の自宅を容疑者不詳のまま殺人容疑で家宅捜査し、数種類の薬品を押収。その中から青酸カリが見つかったことから、神戸が薬品の調合ミスを犯して有毒ガスを発生させたとのではないか、という見解を示した。一方、スクープが欲しいマスコミ各社は、裏が取れていないにもかかわらず、警察情報として神戸が犯人であるかのように受け取れる報道を開始。更に、それを鵜呑みにした視聴者は神戸一家を迫害し始めた。もはや、神戸が犯人であることを誰もが信じて疑わなかった。事件で意識不明となった妻を抱え、自らも幻覚幻聴に悩む神戸は戸惑いを隠せない。ただ、笹野だけはあくまで裏が取れていないという理由から、神戸容疑者報道を控えていたが、彼にも視聴率を取りたい上司から圧力がかかり、視聴者や番組のスポンサーからもクレームが寄せられていた。やがて、有毒ガスはサリンであることが判明した。しかも、サリンは一サラリーマンの家庭で作られるようなものではないことも分かる。そんな中、あるカルト集団の影が捜査線上に浮上してくる。しかし、警察上層部は捜査結果を無視して、見込み捜査と情報操作を押し進めようとするばかり。そして3月、東京で地下鉄サリン事件が発生してしまうのである。話を聞き、幻滅するエミたち。笹野は、そんな彼らに報道する“目”、あるいはそれを受け取る“目”を期待していきたいと言った。とそこへ、カルト集団がサリン事件の犯行を認めたとの配信が届く。その後、笹野は容疑の晴れた神戸の特番を制作、番組は反響を呼んだ。 日蓮は承久四年、安房小湊こ生まれた。幼名は善日丸、父貫名重忠は遠州の領主だったが領地争いに敗れ、妻梅菊と共に安房に流された。流民の子と迫害される善日丸をやさしくいたわる地主の娘浜夕も鎌倉武士に嫁ぐため小湊を去る。孤独な善日丸は天台の名刹清澄寺に入り修業すること四年、剃髪して是聖坊蓮長と名乗り、その後、鎌倉寿福寺で禅の修業をする。しかし、禅や念仏では民衆の窮状を救えないとの疑問を抱いた蓮長は比叡山へ向かう。比叡山での厳しい修業、奈良、京都の寺々を廻り、求道十年、ついに蓮長は法華経こそ釈迦の説いた本当の教え、最高至上の仏教との確信を得て、その布教に生涯を捧げる決心をし、故郷の安房へ帰った。ある早朝、清澄山の山頂に立った蓮長は、自ら日蓮と名を改め、東海から昇り始めた太陽に向かって「われ日本の柱とならん、眼目とならん、大船とならん」と叫んだ。鎌倉に戻った日蓮は「極楽浄土は、この世にある。法華経を信ぜよ」と辻説法を説いていると、奇しくも幼馴染の浜夕と再会する。日蓮の努力は徐々に実を結び、浜夕と夫の工藤義隆の入信、また日昭、日朗、比企熊本、四条金吾等の弟子も出来、信者も増えはじめた。その頃、鎌倉では飢饉、疫病、地震等の災害が相次いで起り、民衆の窮乏はその極に達し、この惨状を憂う日蓮は「立正安国論」を書いて北條時頼に提出し、政治を正して民衆を救えと要求するが、逆に時頼に伊豆に流されてしまう。二年後、赦面された日蓮の布教活動は増々活発となり、その行動を危険視した平頼綱は日蓮を斬首しようと謀るが、謀略を知った執権北條時宗は赦免使を立てて日蓮を救おうとする。断罪直前、大竜巻が起り幕府方は人馬もろとも宙に舞い日蓮は奇跡的に難を逃れたが、佐渡に流されてしまう。しかし、佐渡での言語を絶する寒さと飢えの中を、阿仏房夫妻の情で生きぬいた日蓮は、そこで「開目鈔」「観心本尊抄」等の代表作を完成する。やがて「立正安国論」で驚告した日蓮の予言が的中し、蒙古軍が日本に迫って来た。北條時宗は日蓮を赦免し、敵国降伏の祈祷の協力を要請するが、日蓮は幕府が法華経を主経と認めることを条件として、禅の信者の時宗と対立する。絶望して身延山に入った日蓮に、さらに、弟子、信者が拷問虚殺されるという悲報がもたらされる。弘安四年、闘いと迫害の生涯を生き続けた日蓮もすでに六十歳、ついに花の咲く日を見ることが出来ぬと悟り、如何なる困難に遭遇しようとも法灯を守りつづけてくれるように弟子たちに切々と頼む。翌弘安五年秋、風雲児日蓮はその多難な生涯を閉じた。



 虹を織る 1980年(昭和55年)NHK朝連ドラ ★★★★  にごりえ(1)1953年(昭和28年) ★★★★ 
. 出演: 紺野美沙子 高松英郎 岩本多代 長門裕之   出演:淡島千景 杉村春子 南美江 山村聡 宮口精二  
あらすじ あらすじ
城下町・萩に生まれ、青春の情熱を宝塚歌劇団の舞台に注ぐヒロイン・佳代(紺野美沙子)が、退団した後も絶えず新しい生き方を求め続けたその半生を、激動の昭和史の中で、詩情とユーモアを交えながら明るく爽やかに描く。大地真央、新珠美千代、葦原邦子など、宝塚関係者も多数出演して話題になった。 にごりえ
銘酒屋「菊乃井」の人気酌婦・お力に付きまとう男・源七。源七はお力に入れ上げたあげく、仕事が疎かになって落ちぶれ、妻と子と長屋住まいをかこっている。お力と別れてもなお忘れられず、いまだに仕事には身が入らない。妻には毎日愚痴をこぼされ、責められる日々。一度は惚れた男の惨状を知るがゆえに、お力も鬱鬱とした日を送っている。ある日、源七の子が菓子を持って家に帰る。お力にもらった菓子と知り、妻は怒り、子を連れ、家を出る。妻が戻ってみると、源七の姿がない。菊乃井でもお力が行方不明で騒ぎになっていた。捜索中の警官が心中らしい男女の遺体を見つける。女には抵抗のあとが認められた。



にごりえ(2)十三夜 1953年(昭和28年) ★★★★  にごりえ(3)大つごもり 1953年(昭和28年) ★★★★  
. 出演: 丹阿弥谷津子 田村秋子 三津田健 芥川比呂志  主演:久我美子 長岡輝子 荒木道子 中村伸郎 仲谷昇
あらすじ あらすじ
十三夜
夫の仕打ちに耐えかね、せきが実家に戻ってくる。話を聞いた母は憤慨し出戻りを許すが、父親は、子供と別れて実家で泣き暮らすなら辛抱して夫のもとで泣き暮らすのも同じ、と諭し、車屋を呼んで、夜道を帰す。しばらく行くと車屋が突然「これ以上引くのが嫌になったから降りてくれ」と言いだす。月夜の明かりで顔がのぞくと、それは幼なじみの録之助であった。せきは車を降り、肩を並べて歩き始める。録之助の身の上話を聞き、励ますせき。別の車が拾える広小路に着き、短い再会を終えて再び別々の道を行く二人。   
大つごもり
女中のみねは、育ててくれた養父母に頼まれ、奉公先の女主人・あやに借金2円を申し込む。約束の大みそかの日、あやはそんな話は聞いていないと突っぱね、急用で出かけてしまう。ちょうどそのとき、当家に20円の入金があり、みねはこの金を茶の間の小箱に入れておくように頼まれる。茶の間では放蕩息子の若旦那・石之助が昼寝をしていたが、思いあぐねたみねは、小箱から黙って2円を持ちだし、訪ねてきた養母に渡してしまう。主人の嘉兵衛が戻ると、石之助は金を無心し始める。石之助とはなさぬ仲であるあやは、50円を歳暮代わりに石之助に渡して家から追い払う。その夜、主人夫婦は金勘定を始め、茶の間の小箱をみねに持ってこさせる。勝手に2円を持ちだしたことを言いだせないみね。あやが引き出しを開けると20円すべてがなくなっている。引き出しには、その金ももらっていくと書かれた石之助の書き置きが残されていた。




 人間模様 1949年(昭和23年)★★★
. 出演: 上原謙  山口淑子 月丘千秋  東山千栄子
あらすじ
女学校経営者の令息でサラリーマンの大輪絹彦は学友でデパートを経営する小松原厚を通してその秘書の吉野吟子を知る。吟子も絵が好きだと知り、絵画を贈ったことをきっかけに吟子の哀しい過去を知る。小松原は吟子に言い寄っているが、吟子は純情で優しく親切な絹彦に好意を抱く。穏やかな性格の絹彦に物足りなさを感じている幼馴染の令嬢・新井沙丘子は、やり手の実業家である小松原に惹かれ、秘書に立候補するが断られ、悔し紛れに怪しい会社経営者の木下の秘書となる。盲腸で倒れた吟子を見舞った絹彦は手術費がなくて吟子が病気を我慢していることを知り、自分の電動蓄音機とレコードを売って金を作り、吟子に手術を受けさせる。その日、絹彦の母親が急死し、絹彦の次期学長就任が決まる。戦災で焼けた校舎の再建のための寄付金集めを命じられた絹彦は小松原に頼みに行くが断られる。絹彦が吟子に手術を受けさせたことを知った小松原は絹彦に負けた気がして吟子に結婚を申し込む。男女の愛よりも大きい人間愛を絹彦に感じた吟子は絹彦に報いるために、校舎再建に手を貸すことを条件に小松原の申し出を受ける。絹彦は、家を出た沙丘子を心配して、木下の事務所に沙丘子を訪ねて説得するが沙丘子は拒絶する。絹彦は木下の不誠実な態度に怒って木下を殴り、事務所をあとにする。吟子の結婚式に出席した絹彦は吟子の幸せを祈って自分のお守りである母の形見を贈る。吟子は絹彦に一番大切なことを言いそびれた気がすると告げたが絹彦は話を逸らす。木下と虚ろな関係を続ける沙丘子は、木下が警察に追われて落下死するのを目撃し絶叫する。絹彦は娘を心配する沙丘子の父親に、必ず連れ戻すと約束する。
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濡れ髪三度笠 1959年(昭和34年)★★★  ★★★ 
. 出演: 市川雷蔵 本郷功次郎 淡路恵子    出演:  
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十一代将軍家斉の三十八番目の若君長之助は、老臣久保寺平左街門とともに幼少より岡崎藩にあずけられ、居候的な生活を送っていた。その彼が突然甲州鷹取藩五万一千右の城主に封ぜられることになった。老中堀尾備前守は自分の娘が生んだ家斉の若君を鷹取藩主にするため、長之助殺害を企んで岩間五郎太をさしむけた。かつて、岡崎で長之助を救ったことのある旅鴉濡れ髪の半次郎は、鉄火肌の女お蔦、のんきな大阪者弥次喜多の二人と共にの道中で、江戸に向う長之助主従と会った。半次郎は同じ宿で、年貢の金を用だてるため身売りの旅に出ている田舎娘おさきと知りあったが、長之助と彼女は、一目で互いに心を触れ合せたようだった。長之助に対する再三の刺客の襲撃を、半次郎は追い払った。だが乱闘で傷ついた平左衛門は、長之助の身分を半次郎に明かして死んだ。半次郎は長之助を守る決心をして、おさきをお蔦にあずけ、自分と長之助は別行動で行く先々の貸元の所に草鞋をぬいで、身辺を警戒した。大井川まで来た時、刺客一味はお蔦とおさきをさらって、二人をおびき出そうとした。半次郎は大胆にも単身一味の所に乗りこんで、倍額の金で雇ってやろうといって一味を味方につけてしまった。喜んで一千石の家老にしてやるという長之助の申し出に、半次郎は怒って宿を出た。彼の言葉に人の世の真実を知った長之助は、おさきに五十両を与えて家に帰した。長之助とお蔦は夫婦を装って箱根の関所についた。備前守の腹心川辺の厳重な調べで二人が窮地におちた時、半次郎とおさきが現れて急場を救った。かくて無事に松平伊豆守の江戸屋敷についた長之助は、満座の中で悪人備前守の企みをあばき、自分は自由な町民になると宣言して大名を辞退した。長之助は晴れ晴れと、品川の宿外れで半次郎、お蔦、おさきの一行においついた。




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