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Ken&Maryの日曜名画座
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『一日一膳』 『一日一名画』
K&Mセカンドライフ名画鑑賞記録
アラビアのロレンス  1962年(イギリス) ★★★★★ アラバマ物語  1962年(アメリカ) ★★★★★
主演:ピーター・オトゥール 35回アカデミー
作品賞・監督賞・撮影賞・編集賞・美術賞・作曲賞・録音賞受賞
主演:グレゴリー・ペック  
35回アカデミー賞主演男優賞・脚本賞・美術賞受賞作品
 
あらすじ あらすじ
1916年、英国陸軍カイロ司令部に勤務中のロレンス少尉(ピーター・オトゥール)は、三ヵ月の欠勤許可をもらった。理由は、現在トルコに対して反乱を起しつつあるアラブ民族の情勢を確かめることにあった。早速ロレンスは灼熱の砂漠の中を反乱軍の指揮者フェイサル王子(アレック・ギネス)の陣営に旅立ったが、途中、同じ民族が血を流しあうのを見て愛想をつかし、ハリス族首長アリの案内申し出を断った。陣営近くで英軍の連絡将校ブライトン大佐(アンソニー・クェイル)に逢ったが、陣営につくや突如トルコ空軍の爆撃を受けた。そこでロレンスは近代武力の前に暴露されたアラブ反乱軍の無力さをまざまざと見せつけられた。ブライトン大佐は彼らに英軍の武器による指導と訓練を提案したが、ロレンスはゲリラ戦を主張した。つまり、トルコ軍の重要地点アカバの反対側にいるアウダ(アンソニー・クイン)を首長とするホウエイタット族と手を結び、背後から敵連絡網などを叩いて撹乱させるという作戦だった。日が経つにつれて、ロレンスの部隊は全く疲労し、ラクダも人も次々と砂の上に倒れて行った。ある夜、部隊全員がアウダの陣営に招待された。ロレンスとアリはアラブ民族の団結を説いたが、アウダは一笑に付すだけだった。が、アカバに秘宝があるという話を聞くと、彼はロレンスに助力を約した。補強された部隊が進撃中、ガシムがアウダの部下と争い相手を殺してしまった。“眼には眼を"という砂漠の掟により、ガシムを殺さねばならなかった。死を賭してまで救ったガシムだったが、ロレンスは引金を引いた。アカバでの戦いは苛烈をきわめた。燃えるものは全て焼き尽され、ロレンスが意識を回復したときにはトルコ兵の姿はなく、アウダが役にも立たない秘宝の箱を抱えているだけだった。ロレンスはアカバ攻略を告げるためカイロに向った。カイロに着くと司令官が変りアレンビー将軍(ジャック・ホーキンス)になっていた。ロレンスは、新たな任務を与えられた。ゲリラ戦の指導者である。何回目かの鉄道爆破のとき、部下のファラジが重傷を負った。ロレンスは秘密のもれるのを恐れ、その場で射殺した。エルサレムに行ったロレンスは、すでに英仏両国間にアラブとトルコの土地を二等分するというサイクス=ピコット条約が結ばれているのを知り愕然とした。が、ロレンスのゲリラ部隊は再編成され、アリもアウダも参加していた。部隊がロレンス支持者の集落へ来たとき、すでに集落はトルコ軍の襲撃を受け燃え上り眼前に悲惨な光景が待っていた。怒ったロレンスはトルコ兵を最後の一人までも追って殺害した。種族間の争いが起り、アウダは部下を連れ砂漠へ帰り、アリは政治の勉強のためダマスカスに残ると言った。その時ロレンスはトルコの病院に忘れられている二百人の重傷者のことに心がおよんだ。彼はアラビア人の服をまとうと病院へ向った。だが、服装で誤解した英国の軍医に、彼こそこの惨状を引き起したアラビア人の張本人だと平手打ちを食わされた。アレンビー将軍の司令部でも、やがてシリアの王となるフェイサルにとっても、ロレンスは無用の者となりつつあった。彼は態のいい追放を受けた。その時はじめて彼の心に孤独感がしみわたった。大佐への進級と、英国への帰還船に個室が用意されたことだけが、ロレンスの砂漠での功績に対する感謝の印だった。軍用乗用車でダマスカスを発ったロレンスは、窓外に顔なじみを探したが、誰一人として彼に気づく者はいなかった。ロレンスを覚えているのは荒漠たる砂漠の広がりだけかも知れなかった。
 1930年代、アラバマ州の架空の田舎町メイカムで暮らすフィンチ一家の兄妹ジーン・ルイーズ"スカウト"・フィンチとジェムの人生の転機となった3年間を綴っている。2人は一緒にゲームをしたり、近所に住むアーサー・"ブー"・ラドリーの様子を探ったりしながら毎日元気に遊びまわっている無邪気な子供である。夏の間、近所の親戚の子どもディルも加わっていた。 ブーは誰もその姿を見たことがないため様々な噂が飛び交っている。妻と死別した父親のアティカス(グレゴリー・ペック)は公平で穏やかで親切で、その知性と人柄で周囲から篤く信頼されている町の弁護士である。彼を子供達は「アティカス」とファーストネームで呼んでいる。ある日も、貧しい農夫であるカニンガムがアティカスに弁護代の謝礼のつもりでヒッコリーの実を渡したところも、兄妹は目の前で見ていた。 そんな或る日、地元の判事がアティカスに、白人女性メイエラ・ユーエルに対する婦女暴行事件の、黒人容疑者のトム・ロビンソンの弁護を依頼する。スカウトは父が黒人の弁護を引き受けたことで学校で同級生とケンカもした。当時人種差別の激しいアメリカ南部で黒人の弁護をすることで周囲から批難を受けることもあった。 ロビンソンが留置所から裁判所に移送された夜も、被害者側にいた人々が彼に暴行しようと集まってきたが、アティカスはそれを見越して入り口の前で待ち、人々の前に立ち塞がった。こっそり家を抜け出してこの場に来たスカウト、ジェム、ディルは人々の間をすり抜けて父のそばに駆け寄る。スカウトは幼く事情を理解していなかったが、集団の中にカニンガムがいることに気づき、以前ヒッコリーの実をくれたこと、カニンガムの息子が同級生であることなどを話す。スカウトの話にカニンガムはいたたまれなくなり、周りを促し引き上げた。 そして裁判の日。陪審員は全て白人という被告人にとっては絶望的な状況で、アティカスは滔々と弁護を開始する。アティカスがメイエラの父ボブ・ユーエルに自分の名前を書かせたところ、左利きであることが分かった。更にトムがメイエラの家に行ったのは、彼女が力仕事を口実に呼び込んだのだった。またメイエラが殴られた跡も右目のあたりだと証言を引き出した。裁判でアティカスはトムの左腕が不自由なことを明かした上で、犯人は彼女に左手で暴力を奮ったはずだと指摘する。そしてトムではなく父親が娘を殴ったのではないかとほのめかす。また事件後彼女が病院に行っていないことも指摘する。アティカスは最後に全て白人男性の陪審員に向かい、先入観を持たず明白な証拠を以って審議してほしいと語る。被告人答弁でトムはメイエラに無償で頼まれ仕事をしてきたのは、孤独な彼女が気の毒に思えたからだと語り、メイエラ側の人種的偏見を持つ弁護士に嘲笑される。2時間経過後、陪審の合議が終了し、判事が評決を質す。陪審員の結論は、起訴通りの有罪であった。アティカスはトムに妻への連絡を約束し、上級審もあることから希望を失わないようにと伝える。大勢の黒人の傍聴人が、アティカスが法廷を出るのを起立して見送った。 アティカスが家に着くと保安官代理がやってきて、トムが護送中に逃走しようとしたため撃たれて亡くなったと伝えた。 その後、スカウトとジェムは夕方に学校で行なわれるハロウィン・パーティに出席する。スカウトはメイコム郡の名産品の1つであるハムの着ぐるみを身に付けたが、服と靴をなくしてしまい、靴も履かずに着ぐるみのまま家に帰途についた。スカウトとジェムが森の中の道を通る途中、後をつけてきた何者かに殴りかかられる。ジェムは意識を失い、スカウトもつかみ掛かられるが、後からやってきた何者かが襲撃を阻んだ。スカウトは着ぐるみの目出し部分から何者かがジェムを抱きかかえ家に連れて行くのを目撃し、急いで着ぐるみを脱いで後を追う。家に着くと、ジェムが意識を失って横たわっており、腕の骨折と診断された。 テイト保安官がやってきて、襲撃してきたのはボブ・ユーエルで、ユーエルは胸にナイフが刺さり亡くなった状態で発見されたと話した。そのときスカウトはアーサー・"ブー"・ラドリーが部屋の隅に立っているのに気付き、森の中でユーエルから自分を助けてくれたのは彼だと分かった。アティカスはジェムが自己防衛でユーエルを殺害したのではないかと推測する。しかしテイト保安官はユーエルは死んだのは正当防衛によるものとし、子どもたちを救った英雄として内気なブーを人前にさらすことはそれこそ「罪」ではないかと語る。そのため、テイト保安官はユーエルが自分で転んでナイフが刺さったのだと片付ける。 スカウトは以前、父親から教えられた「ものまね鳥を殺すこと」が罪だというのと同じだと語る。スカウトは父の教えの通りブーの立場になって物事を考えてみたのだ。 アティカスはジェムが目を覚ますまで一晩中そばに付いていた。




愛の賛歌 2007年(フランス・チェコ・イギリス) ★★★★ 熱いトタン屋根の猫 1955年(アメリカ) ★★★★
主演:マリオン・コティヤール
第80回アカデミー主演女優賞・メイクアップ賞受賞作品
主演:エリザベス・テイラー  ポール・ニューマン 
ピューリッツァー賞受賞作品
あらすじ あらすじ

1915年、パリ。路上で歌う母に養われるエディット・ジョヴァンナ・ガションは、祖母が経営する娼館に預けられる。復員した父に引き取られ、大道芸をする父の手伝いをしながら人前で歌うことを覚えていったエディット(マリオン・コティヤール)は、1935年、人生の転機を迎える。パリ市内の名門クラブのオーナー、ルイ・ルプレ(ジェラール・ドパルデュー)にスカウトされ、エディット・ピアフという名で歌手デビューを果たすのだった。舞台は大成功し、ピアフは一躍時の人となるが、翌36年、ルプレは何者かに殺害される。後ろ盾を失い、一時は容疑者扱いもされたピアフを救ったのは、著名な作曲家レイモン・アッソだった。アッソから厳しい特訓を受けて復帰コンサートを開いたピアフは、みごとシャンソン界にカムバックする。歌手として栄華を極めたピアフは、1947年、ボクシングの世界チャンピオン、マルセル・セルダンと人生最大の恋に落ちる。セルダンには妻子がいたが、ふたりは急速に惹かれ合い、ピアフの歌も円熟味を増してゆく。しかし1949年、セルダンの乗った飛行機が墜落する。失意の中で、ピアフは代表作となる新曲『愛の賛歌』をステージで歌い、喝采を受ける。その後もピアフは名曲を歌い続ける一方で、酒やドラッグに溺れる破滅的な生活を送り、1963年、47歳の生涯を閉じるのだった。


大おじいちゃまと家族の者から呼ばれる大農園主、ポリット家の当主(バール・アイヴス)が邸に帰ってきた。65歳の誕生日を迎える彼を、長男のグーパー(ジャック・カーソン)とその妻メエ(マドレーヌ・シャーウッド)、蛙の化物のようなふたりの5人の子供たちが、ことさらぎょうぎょうしく歓迎した。癌という不治の病を得ている当主の莫大な財産を、何とか有利に相続しようというのだ。米国各地の医師の診断を受けて帰ってきた当主には、もう1人の息子、次男のブリック(ポール・ニューマン)がいた。フット・ボール選手のブリックと、彼の妻マギー(エリザベス・テイラー)は、父にとって信頼するに足る夫婦だった。しかし、現在のブリックは酒に酔い、妻マギーとも「夫婦生活」をしようとしない焦燥の日々を送っていた。彼にはかつてスキッパーという親友があった。父よりも、妻よりも、彼はスキッパーを愛した。妻のマギーにとっては当然スキッパーは邪魔な存在だった。2人の間が親密になるほど、マギーは夫をとりもどそうと苦しんだ。そしてスキッパーのホテルを彼女が訪れた夜、スキッパーは自殺した。それから、ブリックは妻を妻として愛そうとしなくなったのだ。財産争いと夫の焦燥にはさまれたマギーは、熱いトタン屋根に追いつめられた猫のような存在となった。父の誕生日のパーティは異様な雰囲気のうちに、雨のため屋内に移った。父と喧嘩したブリックは、彼が癌に犯されているという秘密を思わず口走った。父は、やっとこのパーティの不気味な雰囲気の原因を知った。母は泣いた。居間では、長兄のグーパーが財産相続手続き書の承認を求めた。しかし、父は拒否した。父を真ん中に、ブリックとマギーは自分たちのおかれている立場と、心の問題に正面から対決した。ブリックを愛するマギーは、妊娠を告白した。父は、彼等2人に財産をゆずることを告げた。熱いトタン屋根の上の猫のような存在から、今は抜け出ることの出来たブリックとマギー。新しい出発をすべく、ふたりは今度こそ本当の夫婦として抱き合った。



あるいは裏切りという名の犬(仏)  2004年(フランス) ★★★ 愛情の花咲く樹  1957年(アメリカ) ★★★★
主演:ダニエル・オートゥイユ 主演:モンゴメリー・クリフト  エリザベス・テイラー
あらすじ あらすじ

パリ警視庁のレオ・ヴリンクス警視(ダニエル・オートゥイユ)とドニ・クラン警視(ジェラール・ドパルデュー)は、かつて親友であり、同じ女性カミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)を愛した。しかし彼女はレオと結婚、以来二人の友人関係は崩れ、互いが従える部署も対立していた。パリでは現金輸送車強奪事件が多発し、その指揮官にレオが任命される。事件をずっと追ってきたドニは、ライバルに手柄をさらわれることが面白くない。そんな中、レオに情報屋シリアンから連絡が入り、大きな情報と引き換えに30分だけ行動を共にして欲しいと告げられる。そしてシリアンは、自分を刑務所に送った男をレオの目の前で殺害する。自分をアリバイに利用したことに激怒するレオだが、シリアンは、アリバイを証明するなら強奪犯を教えると言う。主犯格は、フランシス・オルンとロベール・“ボブ”・ブーランジェだ。レオの指揮下、犯人グループのアジトを取り囲むが、突然ドニが単独でアジトへ近づき、激しい銃撃戦に発展。定年間近だったレオの相棒エディが殉職する。失態の責任を問われ調査委員会にかけられるドニと、オルンを追いつめ逮捕するレオ。事件解決と出世への道を祝福されるレオを憎悪するドニは、シリアンの起こした殺人事件にレオが絡んでいることを突き止める。ドニの密告によりレオは共犯容疑で逮捕され、カミーユは良心の呵責に駆られたシリアンから連絡を受ける。二人が会っているところへドニのチームが待ち構え、逃亡劇の末にカミーユとレオは死ぬ。牢獄で妻の訃報を聞いたレオは、悔恨と悲しみに明け暮れる。7年後、刑期を終え出所したレオはカミーユの死の真相を探り始める。全てを失ったレオと、パリ警視庁長官に就任したドニ。ドニの就任パーティー会場へ向かったレオはドニと対面し、銃口を向けるが、復讐を思いとどまる。去ってゆくレオを追うドニは、かつて自分が痛めつけた男によって背後から撃たれた。その後、レオは成長した愛娘ローラと再会し、親子二人で旅へ出るのだった。

1856年、アメリカの南部。インディアナ州レインツリー郡のフリーヘヴンの町。この郡の偉大なる「レインツリー」の伝説を、卒業の言葉に戻った学生たちの中に、特に強い感銘を受けた1人があった。自分こそはこの樹を見つけるんだと、頬を輝かせるジョン・ウィクリフ(モンゴメリー・クリフト)だった。ジョンは同級生のネル・ゲイサー(エヴァ・マリー・セイント)と相愛の仲だった。ジョンは彼の冒険に同意しないネルを、1人置いて旅立つことにした。ある日、卒業記念の写真を撮りに行ったジョンは、そこでものすごい美人に出会った。彼女の名はスザンナ・ドレイク(エリザベス・テイラー)といい、南部の名門の令嬢であった。スザンナは、ジョンがもし独立記念日の徒競走に勝てば、レインツリー郡の英雄として、樫の葉の冠を贈る約束をした。7月4日の当日、ジョンは寸差で本命のパーキンスを破ってしまった。約束通りスザンナから勝利の冠をもらい、2人は一緒にパラダイス湖の水泳パーティに出かけた。スザンナが明日ニューオルリンズに帰ることを聞いたジョンは、俄に彼女が別れ難い人に思えて来た。スザンナとても同じで、2人は永遠の愛を誓いあった。2ヵ月経って、スザンナが訪ねて来た。スザンナには愛の結晶が宿っていた。2人は結婚してニューオルリンズで家庭を持ち、幸福な生活を始めた。1861年、サムター砦が攻撃されたのをきっかけに、南北戦争が勃発した。その年スザンナは男の子を生んだ。ところがドレイク家には、狂人の血統があるとか、前々から健康にすぐれなかったスザンナの容態が出産を機に悪化した。そして完全に精神障害を起こし、スザンナは子供のジムを連れて、南部のインディアナポリスに行ってしまった。ジョンが南部に行く唯一の手段は、北軍に加わることで、スザンナを探す苦闘の生活が始まった。長い戦争が終わった。ジョンはスザンナを連れてフリーヘヴンに帰って来た。ある日、スザンナは夫の探すレインツリーが、パラダイス湖にあるというイメージにとりつかれた。ジムを連れて、彼女はパラダイス湖の沼地に出かけていった。翌朝、スザンナを探すジョンは、沼地に落ちて死んでいるスザンナを発見した。沼地で母を見失ったジムは、いつの間にか巨大な樹の下にいた。樹は黄金の花に包まれていた。少年はポケットに花をつめて、父の呼び声のする方へかけ出していった。ジムを抱きあげたのはネルだった。傷心のジムを彼女は変らぬ愛で、やさしくなぐさめるのだった。ジョンとジムは、レインツリーの沼をいつまでもみつめていた。沼にはその静寂の中に新しい未来が息づいているようだった。




嵐が丘  1992年 (1939年初演) ★★★ 愛は霧のかなたに 1998年(アメリカ) ★★★
主演:ジュリエット・ビノシュ  レイフ・ファインズ 主演:シガニー・ウィーヴァー
あらすじ あらすじ

1801年、都会の生活に疲れた自称人間嫌いの青年ロックウッドは、人里離れた田舎にある「スラッシュクロス」と呼ばれる屋敷を借りて移り住むことにした。 挨拶のため「スラッシュクロス」唯一の近隣であり大家の住む「嵐が丘」を訪れ、 館の主人ヒースクリフ、一緒に暮らす若い婦人キャサリン・リントンや粗野な男ヘアトンといった奇妙な人々と面会する。 ヒースクリフは無愛想だし、キャサリン・リントンは彼の妻でもなさそうだ。 ヘアトンは召使の様な格好をしているが、食卓を一緒に囲んでいる。 しかもこの住人達の関係は冷え切っており、客前でも平気でののしり合っている。 彼らに興味を抱いたロックウッドは、事の全貌を知る古女中エレン(ネリー)に事情を尋ね、 ヒースクリフと館にまつわる憎愛と復讐の物語を聞かされることとなる。
昔、この「嵐が丘」では旧主人のアーンショーとアーンショー夫人、その子供であるヒンドリーとキャサリンが住んでいた。 ある日、主人は外出先で身寄りのない男児を哀れに思い、家に連れて帰ってきた。 主人は彼をヒースクリフと名づけ自分の子供以上に可愛がり、ヒースクリフはキャサリンと仲良くなった。 しかしアーンショー氏が亡くなり館の主人がヒンドリーになると、今までヒースクリフを良く思っていなかったヒンドリーはヒースクリフを下働きにしてしまう。 それでもヒースクリフとキャサリンは仲が良く、お互いに恋心を抱くようになっていた。 そんなある日、二人は「スラッシュクロス」の住人と出会うことになる。 当時、「スラッシュクロス」には上流階級の主人リントンとリントン夫人、その子供のエドガーとイザベラが住んでいた。 彼らの優雅な生活に衝撃を受けたキャサリンは上流階級に憧れを持ち、ヒースクリフを必要としながらも自分を下げることはできないとエドガーの求婚を受けてしまう。 ショックを受けたヒースクリフは姿を消す。
やがてヒースクリフは裕福な紳士になって戻ってくるが、それは自分を下働きにしたヒンドリー、キャサリンを奪ったエドガー、そして自分を捨てたキャサリンへの復讐の幕開けであった。 まずは、「嵐が丘」のヒンドリー。 彼は妻を早くに亡くし、その悲しみから息子ヘアトンと共に荒れた生活を送っていた。 そこへ賭博の申し出をして、「嵐が丘」と財産をそっくり奪い取ってしまった。 その次は、エドガーと結婚したキャサリンの住む「スラッシュクロス」に訪れ、 一緒に住んでいたエドガーの妹イザベラを言葉巧みに誘惑し、一緒に駆け落ちさせて結婚。 だがそこに愛はなく、あるのは冷たい言葉と虐待だけだった。 耐えきれなくなったイザベラは「嵐が丘」を出て、一人でリントンを出産した。 その合間にもエドガーに内緒でキャサリンにたびたび会い愛を語っていたが、そのせいでキャサリンは発狂してしまう。 二人の間で板挟みになったキャサリンは苦しみ、ついには亡くなってしまう。 その時お腹にいたキャサリン・リントンは助かり、キャサリンの忘れ形見になった。
こうして復讐を終えたヒースクリフだったが、その憎悪はとどまるところを知らなかった。 復讐はヒンドリーの息子であるヘアトンとエドガーの娘、キャサリン・リントンにも及んだ。 「嵐が丘」ではヒースクリフとヒンドリー、ヘアトンが住んでいたが、ヒンドリーは亡くなり、ヒースクリフはヘアトンと二人で暮らすようになった。 ヘアトンは元の素質が良く、本来は頭も顔も悪くなかったのだが、ヒースクリフはあえて野良仕事をさせ、悪態を覚えさせた。 そうしてヒンドリーの嫌うような、教養のない人間に育てることに成功した。 イザベラが亡くなり、ヒースクリフの息子であるリントンはイザベラの遺言によりエドガーに引き取られるはずだったが、ヒースクリフは無理やり引き取ってしまった。 しかしリントンは病弱で気弱、素質が悪いと見限ったヒースクリフは、彼を愛することはなかった。 「スラッシュクロス」ではエドガーとキャサリン・リントンが仲良く静かに暮らしていた。 ある日、キャサリン・リントンは「嵐が丘」に迷い込み、住人達と出会う。 過去の出来事を全く知らない彼女はヒースクリフ達に興味を持った。 特に前に少しだけあったリントンがいとこだとわかると、友達ができたと嬉しがる。 そこに目をつけたヒースクリフは、リントンとキャサリン・リントンを結婚させ、「スラッシュクロス」とエドガーの財産を自分のものにしようと企む。 この頃エドガーは衰弱しており、亡くなれば財産はリントンのものなのだが、リントンは病弱で、20まで生きられないのではないかと言われていたのだ。 どちらが先に亡くなるか分からないのだから結婚させてしまおうと考え、ヒースクリフはリントンに入れ知恵をする。 ヒースクリフの策により、キャサリン・リントンはリントンに恋したと錯覚し、エドガーに内緒で会いに行くようになる。 しかしリントンの死期は迫っており、まともに相手をすることはできなかった。 キャサリン・リントンは目を覚まし始めるが「嵐が丘」へ行き、そこでヒースクリフに閉じ込められてしまう。 リントンと結婚しなければここから出さないと脅され、エドガーの死に目に会いたかったキャサリン・リントンは、リントンへの同情心も手伝って承諾する。 数日後、エドガーは亡くなり、しばらくしてリントンも亡くなった。 ヒースクリフは遂に、「スラッシュクロス」とエドガーの財産をも自分のものにしたのだった。エレンの長い話に納得したロックウッド。 しばらくここで過ごしていたが、あまりの退屈さに一年の契約期間を待たず都会へと帰って行った。 そうして時間が過ぎ契約が切れるとき、たまたま「嵐が丘」の近くを通り過ぎ、契約終了の挨拶でもしようと思い立った。 すると「嵐が丘」は前に来たときとまるで変わっていた。 キャサリン・リントンはののしり合っていたヘアトンと仲良く勉強しており、幸せそうにしている。 エレンに問いただしたところ、ヒースクリフは亡くなったのだという。 キャサリンに対する愛と憎しみにより、幻覚を見て発狂したと。 この「嵐が丘」と「スラッシュクロス」は本来の持ち主であるヘアトンとキャサリン・リントンに戻り、 二人は和解し、愛し合い、いずれ一緒になるだろう。 ヒースクリフはキャサリンの墓の横で、静かに眠っているのだろうか。 それとも二人で亡霊になって、今もまだ嵐が丘をさまよっているのだろうか。

絶滅の危機に瀕しているという中央アフリカの山奥にだけ棲息するマウンテンゴリラを救うため、婚約者を米国に残し、単身アフリカに向かったダイアン・フォシー(シガニー・ウィーヴァー)をナイロビ空港で出迎えてくれたのは、彼女の協力の申し出を受け雇ってくれたリーキー博士(アイアン・クスバートソン)だった。ところが博士は、地図とジープを彼女に残すと、全てを任せると別の地へ旅立ってしまった。ダイアンは山裾の村で数人の作業員とガイドのセンバガーレ(ジョン・オミラ・ミルウィー)を雇い、内乱の国コンゴの山奥へと向かうのだった。何とかゴリラ研究家シャラーがかつて住んでいた小屋にたどりついたダイアンであったが、密林の中を歩き回るだけの日々が続き、絶望的な気持ちを抱いていたそんな6週間目のある日、ふとした偶然から彼女はついに、排泄されたばかりの糞とその近くにいた数頭のゴリラの群れを発見する。そして数日後、感動的なゴリラとの触れあいに成功したダイアンは、次第に彼らの中に溶け込んでゆき、リーキー博士宛の報告書を書く仕事も順調に進んでゆく。ところが彼女は、内乱によって突然現われた兵士たちにキャンプからの追放を命じられ、ルワンダに住む博士の友人ロズ・カー(ジュリー・ハリス)のもとに身を寄せる。絶望の思いに駆られるダイアンの心に、再び熱い勇気を与えたのはロズ・カーのアフリカをこよなく愛する心であった。ダイアンは再び山に登り、小屋を建て、カリソケ研究センターを開設するが、ある日密猟者によって5頭のゴリラが殺され、子供のゴリラが連れ去られる事件が起きた。しかし彼らは政府の役人の許可をとっており、ダイアンは不条理な憤りに胸をつまらせる。そんなある日、カメラマンのボブ(ブライアン・ブラウン)が彼女のもとを訪ねて来て、いつしか彼との深まる愛に心安らぐダイアンであったが、密猟者によって雄ゴリラのデイジットが殺されたという事件は、そんな幸せをも破壊した。冷静な科学者の姿を失い、ゴリラのことしかない彼女との結婚をあきらめたボブは、仕事のために他の地へと去ってしまった。やがて助手としてこの地にやってきた若き研究者たちの思うに任せない様に反感を露骨に現わす彼女は、いつしか人々からゴリラを愛するあまり狂ったと思われるようになる。そして85年12月、ダイアンは18年間過ごしたセンターの小屋の中で何者かによって惨殺され、その一生の幕を閉じるのだった。




アニー  1982年(アメリカ) ★★★ アマデウス  1984年(アメリカ) ★★★★
主演:アイリーン・クイン  アルバート・フィニー 主演:F・マーリー・エイブラハム トム・ハルス
57回アカデミー賞主演男優賞・作品賞・監督賞他8部門受賞作品
あらすじ あらすじ

不景気の1930年代のアメリカ。気のめいるような日々の繰り返しだったが、誰もが、もしかしたら、少しは良くなるかもしれない、明日になれば…と夢みていた。孤児のアニー(アイリーン・クイン)も明日を夢みていた。孤児院を管理しているミス・ハンニガン(キャロル・バーネット)は悪い人ではないが、酔っ払いでむら気で、年中酒くさい息を吹きかけながら少女たちにあたり散らしている。ある日、アニーは脱走に成功。悪ガキたちにいじめられている老犬を助け、サンディと名付けた。だが、アニーは警官につかまり孤児院に逆もどり、サンディもソーセージ工場行きという時、思わぬ訪問者が現われた。億万長者ウォーバックス(アルバート・フィニー)の避暑グレース(アン・ラインキング)で、ウォーバックスは金の亡者という世間のイメージを良くするため、孤児の1人を週末だけ招待しようというのだった。グレースは一目みるなり、アニーが気にいる。かくして、アニーとサンディは五番街にある豪華なウォーバックス邸の客となった。魔法も使える用心棒プンジャブを始め、召使いの大隊が彼女を暖かく迎えてくれた。ところが、ウォーバックス自身は男の子を望んでいたのでむっつりとしている。しかし、その夜遅くサンディが曲者のしかけた爆弾から彼の命を救ったことで、とにかくアニーは滞在できることになった。金儲けしか興味のなかったウォーバックスの心境が少しずつ変化していき、ある時はみんなで、グレタ・ガルボ主演の「椿姫」を見に行ったりした。ウォーバックスはアニーを養女に望んだが、本当の両親と暮らす夢を捨てていないアニーは承知しなかった。。そこで、ウォーバックスは5万ドルの賞金をつけ、アニーの両親探しを始めた。邸には両親を自称する人々が押しかけた。その中にはミス・ハンニガンの弟で小悪党のルースターと愛人リリー(バーナデット・ピータース)もいた。2人は姉とグルになり、実は何年も前に死亡しているアニーの両親の残したロケットの片われを持参したので、ウォーバックスもアニーと5万ドルの小切手を渡さざるを得なかった。だが、孤児たちの通報で事実を知ったウォーバックスは、FBI、警察に出動を要請し、自分もグレースと車にとび乗った。車に乗せられたアニーはハネ橋のところで、小切手をひったくって逃げ出し、その後をルースターが追いかける。危ういところでアニーは、プンジャブに救い出される。その後、盛大なパーティーが催され、孤児たちもミス・ハンニガンも、FDRことフランクリン・デラノー・口ーズベルト大統領も招かれた。アニーには今やかけがえのないパパとなったウォーバックスと未来のママ、グレースがいた。ウォーバックスにとって、金や権力はすっかり価値を失っていた。明日になれば、もしかしたら、世の中がもっと素敵になるのではと、みんな思っていた。夜空には美しい花火がいくつも光を散らしていた。

1823年11月、凍てつくウィーンの街で1人の老人が自殺をはかった。「許してくれモーツァルト、おまえを殺したのは私だ」、老人は浮わ言を吐きながら精神病院に運ばれた。数週間後、元気になった老人は神父フォーグラー(リチャード・フランク)に、意外な告白をはじめた。−−老人の名はアントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)。かつてはオーストリア皇帝ヨゼフ二世(ジェフリー・ジョーンズ)に仕えた作曲家だった。神が与え給うた音楽の才に深く感謝し、音楽を通じて神の下僕を任じていた彼だが、神童としてその名がヨーロッパ中に轟いていたウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルス)が彼の前に出現したときその運命が狂い出した。作曲の才能は比類なかったが女たらしのモーツァルトが、サリエリが思いよせるオベラ歌手カテリナ・カヴァリエリ(クリスティン・エバソール)に手を出したことから、彼の凄まじい憎悪は神に向けられたのだ。皇帝が姪の音楽教師としてモーツァルトに白羽の矢を立てようとした時、選考の権限を持っていたサリエリはこれに反対した。そんな彼の許へ、モーツァルトの新妻コンスタンツェ(エリザベス・ベリッジ)が、夫を音楽教師に推薦してもらうべく、音譜を携えて訪れた。コンスタンツェは苦しい家計を支えるために、何としても音楽教師の仕事が欲しかったのだ。フルートとハープの協奏曲、2台のピアノのための協奏曲…。 譜面の中身は訂正・加筆の跡がない素晴らしい作品ばかりだった。再びショックに打ちのめされたサリエリは神との永遠の訣別を決意した。神はモーツァルトの方を下僕に選んだのだ。ある夜の、仮面舞踏会。ザルツブルグから訪れた父レオポルド(ロイ・ドートリス)、コンスタンツェと共に陽気にはしゃぎ回るモーツァルトが、サリエリの神経を逆撫でする。天才への嫉妬と復讐心に燃えるサリエリは、若きメイドをスパイとしてモーツァルトの家にさし向けた。そして復讐のときがやってきた。皇帝が禁じていたオペラ「フィガロの結婚」の上演をモーツァルトが計画したのだ。サリエリがスパイから得た情報を皇帝に密告したとも知らず、モーツァルトはサリエリに助けを求める。それを放っておくサリエリ。やがて父レオポルドが死んだ。失意のモーツァルトは酒と下品なパーティにのめり込んでいく。そして金のために大衆劇場での「ドン・ジョバンニ」作曲に没頭していくモーツァルトに、サリエリが追い打ちをかける。変装したサリエリがモーツァルトにレクイエムの作曲を依頼したのだ。金の力に負けて作曲を引き受けるモーツァルトだが、精神と肉体の疲労は想像以上にすさまじく、「魔笛」上演中に倒れてしまう。コンスタンツェが夫のあまりの乱行に愛想をつかし旅に出てしまったために無人になった家に、モーツァルトを運び込むサリエリ。仮装した彼は衰弱したモーツァルトにレクイエムの引き渡しを迫る。サリエリは作曲の協力を申し出て、一晩かかってレクイエムを仕上げさせるが、翌朝、サリエリが強いた過酷な労働のためか、モーツァルトは息を引きとった。モーツァルト35歳、1791年12月のことだった。すべてを告白し、いまや老いさらばえたサリエリひとりが、惨めな生を生きるのだった。




アパートの鍵貸します  1960年(アメリカ) ★★★★★ 雨に唄えば  1952年(アメリカ) ★★★★★
主演:ジャック・レモン  シャーリー・マクレーン
第33回アカデミー賞作品賞他5部門受賞作品
主演:ジーン・ケリー  ドナルド・オコナー  デビー・レイノルズ
第25回アカデミー賞にはノミネート
  
あらすじ あらすじ

ニューヨークのさる大保険会社の一平社員バクスター、通称バド(ジャック・レモン)は、野望に燃える青年である。勿論出世のことである。その方法は、4人の課長にアパートの鍵を貸すだけで充分だった。4人はアパートをせっせと愛用し、バドの昇給にせっせと尽力した。そこに人事部長のシェルドレイク氏(フレッド・マクマレイ)も加わった。部長のよろめきの御相手は会社のエレベーター嬢フラン(シャーリー・マクレーン)。バドはこの丸ぽちゃで適当にグラマーのフランに片想いしていたので、少なからずショックだった。社員のクリスマス・パーティでフランのコンパクトを見たバドは、頭にくる。数日前バドのアパートに置き忘れられたので、バドが部長に返却申しあげたものと同一だったのである。酔ったバドが年増の金髪美人を連れてアパートに帰ると、そこでフランが自殺をはかっていた。離婚をした暁にはきっと君と…、と言うばかりで実行しないシェルドレイク氏の不実に絶望し、バド愛用の睡眠薬を全部飲んでしまったのだ。金髪美人を追い帰して、必死に看病するバドの心はフランを想う気持ちで一杯だった。翌朝、一大決心をしたバドは、部長にフランとの結婚を打ち明けようとする。その瞬間、部長は離婚が成立し、フランと結婚する旨をバドに宣告する。すべては後の祭りだった。人の気も知らない部長は、またもアパートの鍵の借用を申しこんできた。カンニン袋の緒を切ったバドは、辞表を叩きつけて会社を飛び出す。その夜、フランは部長とレストランへ。そこで今夜はアパートは使えない、と聞いたフランはハッと気がつく。バドの優しい想いと、自分を本当に愛しているのは誰か、ということを。部長を置き去りに、フランはバドのアパートの階段をかけ上がった。その耳にズドーンと銃声が。もしや自殺!? 部屋に転がり込んだフランの目に映ったのは、他の町での再出発をひとり淋しく祝ってシャンペンの栓を抜いたバドの姿だった。重役になれるかどうかは別問題。だが、バドの独身生活に栄光ある終わりが近いことは、確かなようである。メデタシ メデタシ。

ドン・ロックウッド(ジーン・ケリー)とコスモ・ブラウン(ドナルド・オコナー)の2人はヴォードヴィルの人気者、切っても切れぬ仲の良い友達同志だった。1920年代、2人はハリウッドにやって来て、インペリアル撮影所で仕事をみつけた。そのうちドンは西部劇でスタント・マンになり、俳優として契約され、調子よくサイレント映画のスターになることが出来た。彼の相手役リナ(ジーン・ヘイゲン)は、美人だが少々ぬけた女、そのくせお高くとまっていて、ドンは好きになれなかったのだが、彼女は自分からドンの恋人だと決めてかかっていた。だからドンが若くて歌も踊りもうまいケーシー(デビー・レイノルズ)と恋仲になったとき、リナはナイトクラブに職をもっていたケーシーをクビにさせてしまった。ドンの悲しみをよそにケーシーは町を去り姿を消してしまった。そのころ最初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」が世に出て大当たりをとった。インペリアル撮影所のボス、R・F・シンプソンもドンとリナの新しい主演映画「決闘の騎士」をトーキーで作ることにきめた。その撮影中、ケーシーはやはり同じ撮影所で製作中のミュージカルに端役で出演していた。再会したドンとケーシーはたちまち仲なおりした。「決闘の騎士」の記者会見は大へん不評だった。リナの声が魅力なく鼻にかかったものだったので。コスモの発案でリナの声をケーシーの声にダビングして吹きかえた。映画は「踊る騎士」と改題され素晴らしい好評を博した。リナは何とか名声を維持しようと、シンプソンにケーシーを自分の影の声としてこれからも使うように頼みこんだ。ドンはコスモやシンプソンと力をあわせ、リナの声が偽りものであることを一般にあばいた。リナは失脚し、かわってケーシーが新しいスターとして迎えられた。ドンとケーシーが結ばれたことはもちろんである。




荒鷲の要塞  1968年(アメリカ) ★★★★ 朝な夕なに  1957年(西ドイツ) ★★★
主演:リチャード・バートン  クリント・イーストウッド 主演:ルート・ロイヴェリック
あらすじ あらすじ

第2次大戦で連合軍が、ようやく反撃に移ろうとしている頃。鷲の城と呼ばれるドイツ情報本部に、アメリカのカーナビー将軍が捕われの身となっていた。彼を救出すべくジョン・スミス(リチャード・バートン)をはじめとする6人のイギリス軍情報部の諜報員と、アメリカのレンジャー部隊員シャファー中尉(クリント・イーストウッド)らが乗り込んだ。彼らは、情報部のターナー大佐の命令でこの大仕事に取り組んだのだ。だが何故かスミスは、ほかの部員とは内密に女性諜報部員メアリー(メアリー・ユーア)と連絡をとっていた。そしてドイツ兵士が集まる酒場に彼女を連れて行き、そこで働くスパイ仲間のミス・ハイディに引きあわせる。ハイディの口ききで、メアリーは鷲の城の中に仕事口を見つけて潜入する。その直後、酒場に一斉手入れがあり、スミスは逮捕される。情報が筒抜けであるので、二重スパイがいるのかもしれない…。やがてスミスは逃亡し、シャファーと2人で城内に潜入してメアリーと連絡し、カーナビー将軍が城外に連れ去られることを防ぐ。カーナビー将軍の取り調べが始まろうとしており、そこにはスミスらと一緒に来た3人のイギリスのスパイが捕らわれていた。そこへ現れたスミスは意外なことを言い出す。「このカーナビー将軍は偽物だ! そして、この3人のスパイたちも、実はイギリス側ではなくドイツ側だ!」。そしてスミスはメアリー、シャファーらとともに城内を破壊し、アメリカの俳優が扮している偽将軍を連れて脱出。やがてターナー大佐の飛行機で救出される。では何故スミスは、こんなことをしたのか?実は、かねがねターナー大佐の行動が怪しいと、にらんでいた男がいた。イギリス軍情報部のローランド海軍提督である。彼はそれを証明するために、偽将軍が捕らわれる状況を作り、救出作戦を立てた。そして救出部員の人選をターナーにまかせたのである。案の定、ターナーは裏切り者のスパイたちを作戦に加えたのだった。事実を知っていたのはスミス1人。間もなくして、ターナーは自決して果てるのだった。

若く美しいハンナ・ブルクハルト博士(ルート・ロイヴェリック)は、教師と生徒とは人間的な親しみによって結ばれるべきことを信条とする、優しい先生だった。しかし、頭の古い先生方にはこの考え方がいれられず、二度ばかりトラブルを起したすえ、彼女は教育局長ハンケ教授により、最後の機会としてシラー男子九年制高校に転勤の好意を与えられた。最高学年九年生の数学と物理科学を担当する彼女は、何とかして生徒達の学力を向上させ、彼等と心を接近させるよう努力した。クラスの中でも成績がよく、皆からも信頼されているマルティン(クリスチャン・ヴォルフ)は、彼女と同じ家に下宿していたが、両親は別居中で、暖かい家庭に飢えた少年だった。彼女は、少年から青年になろうとしている彼の淋しい心を、いたわってやった。校長のヴォルフガング・コルネリウス先生(ハンス・ゼーンカー)は、独身の温厚な人格者だった。しかし、彼も、教師は生徒の私生活にあまり立入るべきではないと忠告するのだった。休暇中に、大学時代の友人で、今は工場の要職につくヴァルター(ハンス・ライザー)に彼女は求婚されたが教育という仕事から離れられぬ彼女は、これを断った。クラスの生徒たちは、ハンス・クラインシュミット(ピーター・シュテルナーゲル)を中心に、ジャズバンドを編成して放課後を楽しんでいた。ところが、ハンナの明るい性格によって生徒たちの心がとけてきた時、試験によい成績をとるよう猛勉強したハンスが、病死するという事件が起った。ハンナは、校長と教会を説いて、彼の好んだ“真夜中のブルース"を、生徒達のバンドによって墓前で演奏させてやった。こうして生徒と彼女は結びつきを増していった。そのうち、マルティンが淋しい心から、彼を元気づけてくれるハンナ先生を慕う気持をつづった日記を落して、これが校長コルネリウスの目にとまった。事態を知ったマルティンは教室でピストル自殺を計り、ハンナにとめられた。ハンナは実験用フラスコをこわして、その場をとりつくろってやった。事件は、広がろうとしている。総てを平和に、そしてよりよく解決させるために、ハンナは、かねてより好意をもっていた、コルネリウス校長の求婚を承諾し、新たな安定と決意をもって、今後も、生徒達を優しく導いていくことを誓うのだった。




アフリカの女王  1951年(アメリカ・イギリス) ★★★★★  I am sam・アイ・アム・サム  2001年(アメリカ) ★★★★
主演:ハンフリー・ボガート キャサリン・ヘプバーン
アカデミー賞主演男優賞受賞
 
主演:ショーン・ペン
あらすじ あらすじ

一九一四年、欧州で戦乱が起った頃、アフリカのドイツ領コンゴでは、ドイツ軍が村の掠奪を行い、宣教師はそのショックで死んでしまった。彼の妹ローズ・セイヤア(K・ヘプバーン)は天涯孤独の身となった処を、カナダ生れの飲んだくれ男チャリイ・オルナット(H・ボガート)に引き取られた。チャリイは村々に食糧や郵便をくばる川蒸気「アフリカの女王」号を操っていたが戦争の終るまで仕事をやめて引こもろうと決心した。しかしローズは、川を下って下流の湖に碇泊しているドイツ砲艦「ルイザ」に近づき、舟もろとも魚雷をぶつけて撃沈しようと言い張った。やっとみこしをあげたチャリィは、彼女と共に川を下りはじめたが、雨が降っても彼女の居る被いの中には入れて貰えず、秘蔵のジンは川に捨てられてしまう始末だった。やがて舟はドイツ砲台の前を通過、エンジンをこわされ、やっと逃れると激流にはまって矢のように岩の間を滑り出した。エンジンが直った時二人は思わずキスし、以後、曲ったスクリュウを一週間もかかって叩き直したり、マラリアにおかされたチャリイをローズが必死に看護したりする苦労を重ねて、ようやく湖にすべりこんだ。二人はひそかに舟に魚雷をとりつけ、夜と共に「ルイザ」に向け突進したが、波が高く寸前で転覆、沈没してしまった。二人は「ルイザ」に捕われ、スパイとして絞首刑を宣告されたが、チャリイは執行前にローズとの結婚式をあげさせてくれと頼み、許されて二人の式が行われている時、突如「ルイザ」は大爆発を起した。沈んでいた「アフリカの女王」に乗上げたのでもあろうか。チャリイとローズは、意気揚々岸へ泳ぎはじめた。

ターバックスで働く7歳の知能しか持っていない中年男サム(ショーン・ペン)は、ホームレスの女性が出産した自分の娘、ルーシー・ダイアモンド(ダコタ・ファニング)と幸せに暮らしていた。しかし7歳になったルーシーはサムの知的能力を追い抜いてしまい、サムは父親として養育能力がないという判断をソーシャル・ワーカーに下されてしまう。ルーシーは施設で保護されることになり、サムは失意にくれる。彼は法廷で闘う決意を固め、エリート弁護士のリタ(ミシェル・ファイファー)に依頼。自分が社会奉仕の仕事もできることを見せつけるために弁護を引き受けたリタだったが、どう考えてもサムには不利な裁判。彼の障害者の友人たちは裁判で普通の証言ができず、隣人アニー(ダイアン・ウィースト)も外出恐怖症を乗り越え証言台に立つのだが、相手の弁護士にやり込められて落ち込んでしまう。一方、サムとルーシーは親子の絆をますます深める。サムは結局、条件付きで親権は認められたものの、ルーシーは里親のランディ(ローラ・ダーン)らと一緒に暮らすことに。だがサムはその家の近所に引っ越して、ルーシーは毎日のように彼に会いにいく。2人の愛情の深さに気づいた周囲は、ようやくその親子関係を認めるのだった。




愛情物語  1956年(アメリカ) ★★★★ アガサクリスティ 愛の失踪事件  ★★★
主演:タイロン・パワー キム・ノヴァック 主演:ダスティン・ホフマン 、 バネッサ・レッドグレイブ
あらすじ あらすじ

ピアニストとして身をたてるべく、エディ・デューチン(タイロン・パワー)は有名なセントラル・パーク・カジノのオーケストラの指揮者ライスマンを訪れた。かつてデューチンがパークシャの避暑地で演奏している時、ライスマンから賞賛されたからだ。しかしいくらライスマンでもすぐ就職させるわけにはいかなかった。当てがはずれてしょげかえったデューチンは、ふとグランド・ピアノが目にとまり、淋しい気持ちでピアノを弾き出す。ところがその調べを聞き入る1人の令嬢、大資産家の姪マージョリイ・オルリックス(キム・ノヴァク)が、事情を聞いて同情し、ライスマンに、オーケストラ演奏の合間にデューチンのピアノ演奏を入れてくれるように頼んだ。ライスマンは大切な客の彼女の申し入れを2つ返事で承諾する。このようなことからデューチンは楽壇に出ることができるようになり、2人の間も発展する。2人はやがて叔父夫婦の祝福を受けてめでたく結婚する。しかもデューチンの楽壇での地位は益々重くなり、愛児ピーターが生まれる。デューチンの喜びは大きかった。クリスマスの夜、演奏が終えてマージョリイが入院している病院にかけつけたデューチンは彼女が重態であることを知る。彼女はデューチンが来て間もなく息をひきとる。マージョリー亡き後の彼の落胆は悲惨だった。彼は叔父夫婦にピーターをあずけ、バンドを率いて演奏旅行に出かける。その間に第二次大戦が勃発し、デューチンは海軍に入り、亡妻を一時でもはやく忘れようと軍の演奏関係の仕事を一切断って、軍務に精励する。やがて終戦となり、ニューヨークに帰り、叔父夫婦の家を訪ねる。ピーターは既に10歳になっていた。ところが長い間、面倒を見なかっただけにピーターは彼になついてこない。その反対に英国の戦災孤児の美しい娘チキタ(ヴィクトリア・ショウ)に非常になついていた。しかし間もなく、父子の愛情は音楽を通じて温かいものが流れるようになる。デューチンは昔日の人気をとり戻したが、それと同時にチキタに対して愛情を抱きはじめる。ところがある日、デューチンはピアノの演奏中左手がしびれる。医者の診断を受けたところ白血病で余命いくばくもないと宣告をうける。デューチンはチキタとの結婚に悩んだが、しかし、チキタは結婚を承諾する。デューチンとピーターに対する深い彼女の愛情がそうさせたのだった。チキタとの結婚生活によってデューチンは幸福をとり戻す。が死期は刻々と迫って来る。彼はピーターにそのことを打ち明ける。2人はグランド・ピアノの前に坐り、ピアノを合奏する。そして死期のいよいよ近づいたことを知るデューチンは愛情と死の予想の苦しみに堪えかねて自らの命を断った。



わが愛、わが友。アガサよりと彫りこまれたコップを夫のアーチー(ティモシー・ダルトン)に贈ろうと、アガサ(ヴァネッサ・レッドグレーブは用意したが、夫はそれには目もくれず、約束の時間に妻が遅れたことだけをなじった。その日は、彼女が新しく書き下した推理小説「アクロイド殺人事件」の出版宣伝のための昼食会が開かれる日なのだ。急いで家を出るとき、アーチーは、美しい女秘書ナンシー(セリア・グレゴリー)に仕事の指示を与えていたが、2人の仲が仕事を越えているのを、アガサは知っていた。昼食会は盛況で、客の中には、ロンドンの新聞にコラムをもつアメリカ人ウィーリー(ダスティン・ホフマン)や、町の新聞記者ジョン(ポール・ブルーク)もいたが、内気なアガサは、集まった人々への気持ちも、口ごもりがちだった。翌朝、彼女は、夫から思いがけない言葉を宣告された。秘書のナンシーと結婚したいというのだ。結婚生活12年目を向かえるアガサにとってそれは、あまりにも残酷なことだった。インタビューのためにクリスティ邸を訪れたウォーリーは、すげなくアーチーに追い返され、一方アガサは、ナンシーのハロゲイトの療養地でのプランを知り、1人車に乗った。谷間の村の中に乗りすてられたその車が発見されたのは、翌日のこと。さっそく、サリー警察のケンワード刑事(ティモシー・ウェスト)がクリスティ邸に尋問にくるが、アーチーは自分たち夫婦の仲が破綻の危機にあることを隠した。しかし、この事件は、あっという間に新聞の大見出しになった。その頃ハロゲイトのハイドロ・ホテルに来ていたアガサは、テレサ・ニール夫人と名のり、背骨の治療にきているイブリン(ヘレン・モース)という女性と親しくなり、彼女の紹介で、ロイヤル・バスの治療師ブレイスウェート夫人(イボンヌ・ギラン)とも親しくなった。アガサは、ナンシーが部屋を予約しているバレンシア・ホテルに電話し、まだ着いていないと知ると、ロンドン・タイムス新聞に奇妙な尋ね人広告を出した。南アフリカでなくなったテレサ・ニール夫人のお友達か親戚の方がおられましたらご連絡下さいその頃ウォーリーはアガサ探しに熱中し始めハロゲイトに向かっていた。ハイドロ・ホテルについた彼は、そこでアガサを見つけ、顔を知られていないのをさいわいに、彼女をホテルのダンス・ルームに誘い出すことに成功。メロディにのって踊る2人。しかし、踊りながらも、アガサは、夫の愛を奪った女への報復を考え続けていた。翌日、復讐のための道具を買いこみ、電気架線の初歩を学んだ。1人部屋に帰ったアガサは、声もなく涙を流し、やがて、心をきめたようにネジまわしで部屋のヒューズ・ボックスをあけた。翌朝、アガサはイブリンの声をよそおってブレイスウェート夫人に電話をかけ、身体の具合が悪いからすぐハイドロ・ホテルに来るようにと頼み、そのあと、今度はブレイスウェート夫人をよそおってナンシーに電話し、予約を受けていた電気治療の時間が変更になったからすぐにロイヤル・バスに来て欲しいと伝えた。アガサは、ブレイスウェート夫人がイブリンの部屋へ入るのを確認すると、ロイヤル・バスの彼女の治療室へ入り、ヒューズ・ボックスの中の電圧を操作し、ゆっくり電気椅子に身を埋めた。誰かが部屋のスイッチを入れればアガサは感電死する。計画通りナンシーが来た。しかし、ナンシーがスイッチを入れ、電気が流れはじめた直後、アガサを探していたウォーリーが飛び込みアガサの命を救った。こうして彼女の復讐は失敗に終わったのだった。




秋のソナタ  1978年(スウェーデン) ★★★★ 愛と哀しみの果て  1985年(アメリカ) ★★★★
主演:イングリッド・バーグマン   
ゴールデングローブ・外国映画賞
主演:メリル・ストリープ、 ロバート・レッドフォード             58回アカデミー賞作品賞他5部門受賞作品
あらすじ あらすじ

ノルウェー北部の田園地方。この土地の牧師館で暮らしているエヴァ(リヴ・ウルマン)とヴィクトール(ハルヴァール・ビョルク)は年が離れているが、静かな平和な生活をおくっている。エヴァは、ピアニストとして華やかな生活を送ってきた母シャルロッテ(イングリッド・バーグマン)を牧師館に招いた。なんと七年ぶりの対面だ。エヴァは、複雑な気持ちで、母を迎い入れた。それは、エヴァの妹で、退行性脳性麻痺を病んでいるヘレナ(レナ・ニーマン)も呼んであり、母と会わせるという目的をもっていたからだ。そのことをエヴァから聞くと、急に苛立ちの表情を見せるシャルロッテ。夕食後、ショパンのプレリュードを弾く自信に満ちた母の表情を見つめるエヴァ。その夜、ヴィクトールに娘のことを尋ねたシャルロッテは、エヴァが息子エリックを生んだ時の幸福そうな様子や四歳になる直前にエリックが溺死した時のことなどを知った。夜ふけ、夢にうなされるシャルロッテ。酔ったエヴァは、それまで内にたまっていた母ヘの怒りを爆発させる。いつも自分や父をおいて演奏旅行に出ていった母。自分のことしか考えない人……。一方的な娘の攻撃に、たじろぐシャルロッテ。翌日、母シャルロッテは旅立っていった。

























カレン(メリル・ストリープ)がアフリカでの記憶を綴る時、彼女の心に刻み込まれた1人の男の面影がよぎる。デニス・ハットン(ロバート・レッドフォード)、永遠に忘れることのない男性だった。デンマークに住むカレンは、莫大な財産を持つ独身女性だったが、いつかこのデンマークを離れたいと秘かに思っていた。そのきっかけともなる出来事が起こった。彼女の友人のスウェーデン貴族のプロア・ブリクセン男爵(クラウス・マリア・ブランダウアー)と結婚することになったのだ。夢と希望を抱きつつ1913年、東アフリカのケニアヘと、カレンは旅発った。彼女の所有するンゴングの農園に新居を構えることにしたのだ。ナイロビに向かう列車にいたカレンは、途中、象牙を列車に積み込んでいた男を見かけた。彼が冒険家のデニス・ハットンだ。彼は友人であるバークレー・コール(マイケル・キッチン)に象牙を渡してくれるようにカレンに言い残すと、サファリの荒野へと去っていった。ナイロビでは、召使いのファラー・アデン(マリク・ボウエンズ)が出迎えており、カレンをブロアのいる英国人クラブ・ムサイガに案内した。そこは女人禁制であったが、それを無視して足を踏み入れた彼女を、周囲の人々は茫然とした態度で見つめた。それから1時間後、カレンとブロアの結婚式が挙げられた。再びクラブに行ったカレンは、そこでコールと出会う。たくさんの蔵書に囲まれたその部屋はデニスのものであることを、彼女はコールから聞いた。紳士然としたコールや、彼から伝え聞いたデニスに、カレンは興味を持つのだった。農園に着いたカレンはハウスボーイのジュマ(マイク・プガラ)らから意外な事を聞いて愕然とする。当初計画していた酷農はやめ、コーヒー栽培をすることにブロアが勝手に決めていたのだ。激しく口論する2人。翌日、ブロアは、狩りに出かけ、雨が降るまで戻らないと言い残していた。その地で雨が降るなど、めったにないことだ。残されたカレンは、収穫が4年先になると聞きながらも、精力的にコーヒー栽培に挑んだ。ある日、草原に出かけた彼女は、ライオンに狙われそうになり、たまたま通りかかったデニスに助けられる。再会を喜んだ2人は夕食を共にし心ゆくまで語り合った。狩りから戻ったブロアとカレンの平穏な生活は、長くは続かなかった。第一次大戦の余波がアフリカにも及び、農園から320キロ南の独領との境界線に英国人を中心をする偵察隊が組まれ、その一員としてブロアが加わってしまったのだ。やがて、300人分の缶詰をネトロン湖の英軍に提供するようにとの申し入れを受けたカレンは、自ら届けるべく旅立った。幾多の危機を乗り越えてカレンらは、英軍のキャンプに辿り着いた。ブロアはそんな彼女をやさしく抱いた。それから3カ月後、カレンは梅毒にかかり、デンマークに帰国。手術の結果、子供の産めない身体になってしまった。再びアフリカの大地に戻ったカレンは、教育に目ざめ、子供たちのために学校を開放する。やがて戦争も終わり、自由を謳歌するようにデニスと共にサファリ・キャンプを続けた。一方のブロアは、相変わらず女遊びに夢中になっていた。ブロアを家から追い出すカレン。いつしか愛を語り合うようになったカレンとデニス。ある日、コールが、黒死病におかされ死期が迫っていることをデニスに告白した。コールの傍には、以前から彼の面倒を見ていたンマリ族の美しい女性がいた。コールのやがてくる死を知ってショックを受けたデニスは、カレンに、一緒に住みたいと告げ、カレンは頷いた。借金の申し入れに来たブロアが彼女に離婚を迫った。帰宅したデニスにそのことを告げ彼に結婚を迫るカレン。しかし、デニスは自由を主張し結婚を拒んだ。デニスが複葉機でセンブルヘ行つてる間、収穫したコーヒーが火事で灰になるという事件が起きた。借金で畑まで失ったカレンは、キクユ族の土地だけは確保しようと、着任早々の新総督に直談判する。そんな頃デニスが戻り、彼女を優しく慰めた。すべての後かたづけを済ませ、デンマークに帰る日を待つばかりとなったカレンに、デニスが言った。次の金曜日には必ず戻ると…。デニスの帰りを待つカレンの許にブロアが現れ、デニスが墜落事故死したことを伝えた。彼女は愛するものをすべて失った。英国人クラブで、皆が別れのグラスをさし出し、それを飲みほすと、カレンはアフリカの大地を後にした。その後、2度と、カレンはアフリカの地を踏むことはなかった。




雨の訪問者  1970年(フランス) ★★★ 暗黒街の二人  1973年(フランス・イタリア) ★★★
主演:チャールス・ブロンソン 主演:ジャン・ギャバン アラン・ドロン
あらすじ あらすじ

その日は雨が降っていた。マルセイユにほど近い海岸町--バスから、グレイのコートに赤いバッグをさげた男が降り立った。メリー(M・ジョベール)は、いぶかしそうにその男を見た。この町には訪れる人も余りなかったからだ。町の、洋服屋で、メリーはその男を見た。というより、その男がメリーをつけているような不気味さがあった。そしてその夜、夫トニー不在の家でメリーはその男に襲われた。夫は飛行機のパイロットで留守がちだ。メリーは、ショット・ガンで地下室にいる男を殺した。証拠を焼き捨て、死体は海へ--。翌日、友人の結婚式で、メリーはドブスというアメリカ人(C・ブロンソン)と知り合った。がっしりして、口ヒゲをたくわえた男は、「なぜあの男を殺した」といきなり聞いてきた。警察も、その殺人事件で動きだした。だが、メリーはドブスに、自分は殺しなどやらない、と言い張った。ドブスの目当ては殺された男のもっていた赤いバッグだった。ドブスはアメリカの陸軍大佐。その赤いバッグには大金がかくされていたのだ。だが、メリーが駅でみつけた赤いバッグには金などなく、夫のトニー(G・テンティ)の写真が入っていた。写真の裏には自分たちの住居が書かれてある。トニーほどうやらパイロットという職業をいいことにして、方々で女をつくり密輸にも関係していたらしい。警視のトゥーサン(J・ギャベン)も友人のニコール(J・アイランド)もくさい。自宅に侵入し、ドブスはメリーをアルコール攻めで拷問した。やがて、殺された男の情婦が犯人としてあげられ、メリーは自分の車の中に金の入ったバッグを見つけた。だが、ドブスはしつようにメリーにつきまとう。被害者の情婦の住んでいたパリを訪れたメリーは、うさんくさい男たちに拷問されたが、かけつけたドブスに救われた。一体メリーに何が起ったのだろう?雨の訪問者も、金も、何もかも空想好きなメリーの夢だったのだろうか?本当の犯人は、逮捕された情婦なのかも知れない。友人のニコールと夫との関係を知ったメリーは動てんした。すべてが信じられない悪夢のようだ。やがてドブスはメリーのもっていた大金を手に入れ、雨の午後に起ったことのすべてを知った。海から引き上げられた死体の手の中から、メリーのドレスのボタンが出てきた。だが、不思議なことにドブスはメリーを捕えなかった。証拠のボタンを返しただけ。夫と共にロンドンへ去るメリーを残して、ドブスは港の方へ去って行った。





ジーノ(A・ドロン)は三十歳。十年前に銀行強盗の首領として逮捕され、十二年の刑を受けたが、保護司のジェルマン・カズヌーブ(J・ギャバン)の力添えによって出所することが出来た。彼には美しい妻ソフィー(I・オッキーニ)が待っていた。ジーノの新しい生活が始まった。妻は小さな花屋を経営しており、それは質素だが、明るい、楽しい日々だった。ある日、ジーノの出所を知った昔の仲間がやってきた。再び手を組んで大仕事をしようという。ジーノはきっぱりと断わった。犯罪歴を持つ者はパリを始め、大都会、港町に住むことを許されない、いわゆる“所払い"というやつだ。ジーノと妻はやがてモー市に移住した。一方、ジェルマンもモンペリエに移住した。軽犯罪係への転勤ということだが、ていのいい左遷であった。それでも、ジーノとジェルマンの家族は、週末にはピクニックに出かけた。突然、悲劇がジーノを襲った。楽しいピクニックの帰路、暴走してくる二台の車を避けようとしたジーノのスポーツカーは横転して、大破したのだ。この事故で最愛の妻ソフィーが死んだ。自暴自棄の日々が続いた。月日が流れ、ようやく傷が癒えると、ジェルマンのすすめでモンペリエに移り、刑務所で身につけた印刷技術に助けられ、印刷工場で働くことになった。そして、新しい恋人ルシー(M・ファーマー)がジーノの前に現われた。同時に、ジーノの運命を変えるもう一人の人間が出現した。この地に赴任してきたゴワトロー警部(M・ブーケ)だった。もう忘れかけていた十年前、銀行に押し入ったジーノを捕えたのがゴワトローだった。以後、ゴワトローの執拗な監視の眼が、ジーノを追い廻し始めた。ある日、ジェルマンのところへ、ルシーがとび込んできた。「ジーノが警察に留置されている」。容疑は何もなかったが、ゴワトローは異常な程ジーノを憎んでいた。偶然、ガソリン・スタンドで昔の仲間と会ったことが、ゴワトローの気に入らなかったのだ。しかし、ジーノは二度と昔の仲間と仕事する気はない。ゴワトローは彼を信ぜず、二度と奴らに会わない宣誓書を書けという。無茶苦茶な要求だったが前科者は常に弱い。釈放されてからも、ゴワトローの追求は続いた。そんなとき、昔の仲間が銀行を襲った。もちろんジーノとは無関係だったが、ゴワトローはジーノが首領だと思いこんでいる。重傷を負った一人を病室のベッドで尋問するが、ジーノの犯行を立証出来ないゴワトローは、ついに彼の家にまで押しかけ、ルシーを脅迫する。これを蔭で盗み見ていたジーノの怒りが爆発した。ゴワトローがルシーの身体に手をかけたときジーノはゴワトローに襲いかかり、首をしめ上げた。ゴワトローは死に、ジーノは逮捕された。公判、過去に犯した行為が決定的に心証を悪くしている上、被害者は刑事だ。検事のたくみな弁舌がより一層、極悪人としてのジーノを印象づけた。ジーノの女性弁護士(M・リボフスカ)は、犯罪を誘う要素が、この国に存在することを強く指摘した。処刑の際の十七世紀の遺物ギロチンが、いまだに使われているような古さを、あの劣悪な刑務所内の環境を。しかし、裁判官も陪審員も彼女の弁論には無関心であった。既に結論は最初から出ていたのだ。判決が出た。求刑どうり死刑だった。大統領への助命嘆願も拒否され、処刑の日がやってきた。ギロチン前に引きだされたジーノが、最後に振り向いたときの眼が、ジェルマンの心に焼きついた。




明日に向かって撃て  1969年(アメリカ) ★★★★ 青い珊瑚礁 1980年(アメリカ) ★★★
主演:ポール・ニューマン  ロバート・レッドフォード  キャサリン・ロス 
第42回アカデミー賞
撮影賞:脚本賞:作曲賞:主題歌賞:『雨にぬれても』受賞作品
主演:ブルック・シールズ
あらすじ あらすじ
1890年代の西部。家畜泥棒と銀行強盗が稼業の2人組のガンマン、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、同じ盗人仲間のハーベイ・ローガン(テッド・キャシディ)らの誘いにのって、列車強盗を試み、大金をせしめた。この後ブッチは、銀、錫などの鉱山資源の豊富なボリビアへ行って荒稼ぎしようと、サンダンスを誘う。そして、スペイン語のできるサンダンスのガール・フレンド、女教師のエッタ(キャサリン・ロス)も交えて、彼らはボリビアへ向かう。が、ボリビアはブッチの想像とは異なり大変な貧乏国で、2人はたちまち銀行強盗に戻る。やがて2人はヤンキー泥棒として有名になり、警察も彼らに手ごころを加えた。2人にとってはこれが不満で、とうとう彼らは足を洗い、錫山のガードマンとなった。エッタは2人がカタギになったことを喜ぶが、所詮、泥棒稼業が身についた2人、正業を長続きさせることはできないだろうと考えていた。この不安は的中し、数年後、彼らは鉱山の給料を奪い、再び警官に追われる身となった。捜索には、ボリビア軍隊までも動員され、2人はあえない最期をとげた。







南太平洋の広大な海上を一隻の帆船がゆったり進行していた。その船内にはアーサー(ウィリアム・ダニエルス)と8歳になる息子のリチャード(グレン・コーハン)、従妹で7歳のエミリーン(エルバ・ジョゼフスン)がいた。ある日、その船内が火事で突然燃え出し、リチャードとエミリーンは、アーサーとはぐれ、料理番のパディ(レオ・マッカーン)と3人だけがボートに乗った。恐ろしい一夜が明けて、目覚めてみると、エミリーンの目に別天地のような美しい島影がうつった。しかし、その島は無人島で、過去に漂流してきたらしい人々のガイコツと酒だるがころがっていた。2人はパディから毒のある木の実の見分け方、縄の結び方など生きるために必要なことを教わるが、ある朝、そのパディが事故で死に、リチャードたちは途方にくれた。それから数年後。女らしく成長したエミリーン(ブルック・シールズ)と逞しい青年になったリチャード(クリストファー・アトキンズ)は、エデンの園のアダムとイブのような毎日を送っていたが最近では思春期の徴候がそれぞれを悩まし始め、いっしょの部屋では生活できなくなっていた。エミリーンを部屋から追い出してからしばらくしてのある夜、リチャードは、島の反対側からきこえる不気味な音を耳にした。エミリーンが心配になって外に飛び出たリチャードは、そこで、恐ろしい光景を目にした。何人かの裸の男たちの生けにえの儀式だ。逃げるようにして戻る除中、彼は高熱に苦しんでいるエミリーンを見つけた。リチャードは彼女を必死で看病し、彼女が全快した時、初めて愛を意識し結ばれた。そしてエミリーンは妊娠し、苦しい出産を終え、子どもとの新しい生活がはじまった。それから間もなくして、息子たちを探しつづけていたアーサーの捜索船が島にやって来た。しかし2人はその船に背を向けた。ある日、3人のボートがサメに襲われ漂流し、食糧も水もなく死をまつばかりという不幸な状況に見まわれた。食べ物を欲しがった坊やは食べてはいけない赤い木の実を食べぐったりし、それを見て、リチャードが残りの実を2分した。親子が横たわるボートが大海原を漂っていく。そして、その遥かかなたには、帆船が姿を現わしていた。




赤毛のアン 新たな始まり  2000年(カナダ) ★★★ 赤毛のアン  1986年(カナダ) ★★★★
主演:バーバラ・ハーシー シャーリー・マクレーン  
ANNE OF GREEN GABLES A new beginning  
    
主演:ミーガン・フォローズ  コリーン・デューハースト 
リチャード・ファーンズワース     ANNE OF GREEN GABLES
    

あらすじ あらすじ

子育ても終え、名の知れた作家となったアンが、マシューとマリラに引き取られる以前の日々を振り返り、自分の人生を見つめ直していく。芝居の台本を書きにグリーン・ゲイブルズにやってきたアンは、床下にあった古い手紙の束の中から、父親の手紙を見つける。それをきっかけに、彼女の人生に大きな影響を与えた少女期の記憶がよみがえり、父との再会を願って40年前に書かれた手紙に返事を書くが、父はすでに亡くなっていた。



カナダのプリンス・エドワード島に住むマシュウ(リチャード・ファーンズワース)とマリラ(コリーン・デューハースト)の独身の老兄妹は、農場の跡を継がせるべく、孤児院からやって来る男の子を養子にしようと考えていた。しかしふたりの前に現われたのは赤毛の少女アン(ミーガン・フォローズ)だった。兄妹は、おせっかいであけすけなレイチェル・リンドン夫人(パトリシア・ハミルトン)や、同級生のギルバート(ジョナサン・クロンビー)に、赤毛をひやかされて癇癪を爆発させたアンに手を焼くが、やがてふたりはこの少女が自分たちの生活になくてはならない存在になっていることに気づくのだった。ある日アンは、親友のダイアナ(シュイラー・グラント)を誤って酔っ払わせ、彼女の母親バーリー夫人(ローズマリー・ランドクリフ)から絶交を命じられるが、やがてそれは喉頭炎にかかったダイアナの妹を看病で助け、誤解をとくことで、許されるのだった。その頃アンは、ギルバートへのほのかな思いを抱き始めるが、互いに競争心を募らせ、やがてふたりはクィーン学院に入学し、恋心を確認する。アンが休暇で島に戻ってきたある日、マシュウが死んだ。一人残されたマリラのために、アンは島に残って教師になるつもりであることを告げる。そしてそれを助けたのはギルバートだった。こうしてふたりの間には共に進むべき明るい道が広がるのだった。



続・赤毛のアン(前・後) 1988年(カナダ) ★★★ 赤毛のアン アンの結婚(前・後)2000年(カナダ) ★★★
主演:ミーガン・フォローズ  コリーン・デューハースト
 ANNE OF GREEN GABLES 〜THE SEQUEL
主演:ミーガン・フォローズ 
ANNE OF GREEN GABLES:THE CONTINUING STORY
あらすじ あらすじ
3)続・赤毛のアン アンの青春(前編)ANNE OF GREEN GABLES 〜THE SEQUEL
18歳になったアンが、新天地で様々な試練を乗り越えながらギルバートへの愛に気付くまでを描く。作家を目指しながら、地元の学校で教師として働くアン。親友のダイアナは結婚し、アンは医学校に合格したギルバートからプロポーズされるが、彼を友達としてしか見られない。やがて恩師の紹介で良家の子女が集まるキングスポート女学院へ赴任したアンは、プリングル一族に支配された町で手痛い歓迎を受ける。

4)続・赤毛のアン アンの青春(後編) 
プリングル一族の悪意と偏見で、学校には親たちから苦情が殺到、アンは辞職を要求される。資金援助も打ち切られ、困ったアンはステーシー先生からの助言で慈善公演を開き、収益を全額学校へ寄付しようと奮闘する。主役が当日来られなくなるというアクシデントを乗り越え、公演は見事大成功。念願だった小説の出版も決定したアンは、辞表を提出し故郷に戻る。そこで、ギルバートが重体だと聞かされ・・・。
5)赤毛のアン アンの結婚(前編) ANNE OF GREEN GABLES:THE CONTINUING STORY
結婚することになったアンが、戦争の荒波にもまれ、数々の危険を乗り越えながら激動の時代を生き抜いていく様を描く。アンは、外科医となった婚約者ギルバートが働くニューヨークで、出版社に勤めることに。有名作家ジャック・ギャリソンを担当するが、アンの原稿が彼の名前で出版されてしまう。出版社を辞めてギルバートとともに帰郷し、2人は結婚。式を挙げた直後、ギルバートは戦地へと赴き、その後行方不明となる。

6)赤毛のアン アンの結婚(後編) ANNE OF GREEN GABLES:THE CONTINUING STORY
ギルバートを探すため、戦地フランスに渡ったアンは、戦争終結のための地下運動に関わるかつての作家、ジャック・ギャリソンと再会。彼の内縁の妻は亡くなり、残された赤ん坊を連れて彼の下宿があるロンドンへと避難する。新聞社で働きながら夫を探すアンは、ジャックからギルバートの情報と引き換えに危険な任務を依頼され、ベルギーへと向かう。命からがら任務を遂行したアンだったが、ギルバートは依然見つからなかった。



 哀愁  1940年(アメリカ) ★★★★ アカプルコの海 1964年(アメリカ) ★★★
主演:ヴィヴィアン・リー  ロバート・テイラー 主演:エルビス・プレスリー
あらすじ あらすじ
1940年燈火等制下のロンドン。ローイ・クローニン大佐はフランスへ赴任するのでウォータルー駅へ自動車を駆っている。駅に近くウォータルー橋にさしかかると大佐は車を降りる。橋は第1次大戦当時、爆破されて架橋し直したとはいえ、大佐には懐かしいのであろう。霧に霞むらんかんにもたれつつもの想いにふける。それは1917年、彼は25歳の陸軍大尉であった。スコットランドの旧家クローニン家に生まれ、フランスの戦野へ出征の途上、ロンドンで閑暇を楽しんでいるのだ。折しも空襲のサイレンが鳴り人々はウォータルー駅の避難所へ駆け出す。中の1人の女が何か落とした。大尉は手助けをして彼女と共に避難する。見れば美しい。まだ女学生と見える彼女はマイラと名乗った。オルガ・キローワ・バレー団のダンサーなのだ。ローイは彼女の舞台を見物すると、夜食に誘ったのであるが、厳格なキローワ女史はマイラに行くことを禁じた。しかし彼女は親友のキティの助けでぬけ出して大尉と会った。翌日彼はマイラを訪ねて結婚を申込み、その次の日式を挙げる約束が出来た。ところがその晩彼女は速達便を受取った。出発命令が下ったから直ぐ立つ、会いたい、というのである。マイラは飛出して駅へかけつけたが走り行く車上に立つローイの姿をチラと見ただけであった。劇場に急いでもどると、舞台にあなをあけたというのでキローワ女史はクビを申し渡し、マイラの弁護ををしたキティも諸共クビになった。貯蓄の全部を出した結婚衣装を買ったマイラは、ローイの母に会いに行った。その約束のカフェでマイラは不図見た新聞に、ローイ・クローニン大尉殉死の報を見て卒倒した。それから2ヵ月間マイラは病床にふした。就職口がないためにキティが夜ね女となっていることを、全快して彼女は初めて知って、その友情に泣かされた。そして今やローイ亡きあと何の生甲斐もなくなったマイラは、自らもキティと同じ道に陥った。それから1年、ウォータルー駅でマイラは凱旋して帰ったローイと会った。彼女が待っていてくれたと思って喜んだ彼は、彼女の身の上の変化に気がつかず、彼女をスコットランドの家へ伴った。マイラは愛が絶対である。その他のあらゆる事は関係ないと、自分自身に言い聞かせたが、もしも彼女の1年間の行状が知れれば、ローイの破滅となるに違いないと思い直して、ロンドンへひとり帰ってしまった。ローイはあとを追ったがマイラは身を隠した。マイラは思い出のウォータルー橋の上に、いつか来てしまっていた。何度考えても彼女は愛するローイに幸福を与えることは出来ないとしか思えない。思いつめたマイラは突進して来る軍用トラックの前に身を投げて最期をとげたのであった。
マイク(エルヴィス・プレスリー)はヨットの水夫。アカプルコに上陸、酒場に行った。飛び入りで歌い、喝采を博したまでは良かったが、船主の娘が酒場について来たため、船主に解雇された。ある少年がマネージャーになることを条件に、彼に歌の仕事をもちかけた。あるホテルで歌うようになり、そこの社交係マーガリタ(アーシュラ・アンドレス)に思いを寄せるようになった。彼女はヨーロッパの貴族で父親のマキシミリアン太公(ポール・ルーカス)とメキシコに亡命していたのだ。太公もコック長を勤めながら米国に入国する機会を待っていた。若い2人の親しい仲に救命係のモレノは嫉妬し、マーガリタに会って気持ちを確かめようとしたマイクとけんか、腕をくじかせた。そのため、モレノは断崖から飛び込みの技を見せることになっていたのに出場不可能になったため、マイクが代役をつとめることになった。実は彼、数年前サーカスにいた頃、兄を誤って墜落死させ、以来高所恐怖症になっていた。このダイビングに成功すれば、その恐怖を拭い去ることができる。万雷の拍手が観客から起こった。その中にマーガリタもいて、海から上って来たマイクを迎え、2人は固く抱き合った。









愛と追憶の日々 1983年(アメリカ) ★★★★  或る夜の出来事 1934年(アメリカ) ★★★★★
主演:シャーリー・マクレーン  ジャック・ニコルソン
アカデミー賞・作品賞/監督賞/脚色賞/主演女優賞/助演男優賞 
主演:クラーク・ゲーブル, クローデット・コルベール 
アカデミー賞作品賞: 受賞作
あらすじ あらすじ

テキサス州ヒューストン。48年、赤ん坊のエマを心配そうにみる母親のオーロラ(シャーリー・マクレーン)。56年、夫が死亡し、心細くなったオーロラはエマのベッドにもぐり込む。64年、隣家に宇宙飛行士のギャレット・ブリードラヴ(ジャック・ニコルソン)が、引越して来た。69年、エマ(デブラ・ウィンガー)は自室で親友のパッツィーと一緒にマリファナをふかしている。明日はエマが結婚する日だ。だがオーロラは娘の夫となるフラップ・ホートン(ジェフ・ダニエルズ)が気にくわない。「大学教師では先が知れている。娘の人生はこれで台なしになってしまう」というのだ。ついにオーロラは結婚式にも出席しなかった。結婚式の翌日、娘にそむかれたという思いのオーロラが、窓から覗くと、隣のギャレットが女をつれて家の中に入って行った。パーティでエマは妊娠したことを告げるが、オーロラは喜ばない。70年、フラップはアイオワ州デ・モインの大学に迎えられることになり、エマはオーロラ、パッツィーに別れを告げる。ヒューストンでは、オーロラがふとしたことから、ギャレットと会話をかわし、昼食に誘われた。78年、エマは3度目の妊娠で家計が苦しくなり、オーロラに少し金を貸してくれないかと頼むが、オーロラは拒否する。5歳になった次男のテディが、パパが帰って来たと告げる。今日も朝帰りだ。図書館でいねむりしたと弁解するフラップに、くってかかるエマ。スーパーのレジで金が足りず、恥かしい思いをしでいるエマに中年男のサム(ジョン・リスゴー)が助け舟を出してくれた。サムは銀行の貸付け係であった。ヒューストンでは、オーロラが8年前の昼食の誘いを受け入れ、デートする。やがて、エマはサムと、オーロラはギャレットと浮気をした。フラップはネブラスカ州リンカーンにあるカーニー州立大の英文学部長の職をオファーされた。エマは大学のキャンパスで、夫が女子大生と親しそうに話をしているのを見て怒りを爆発させ、長男のトミー、次男のテディ、長女のメラニーをつれてオーロラのところへもどった。しかし、夫の電話でエマは帰り、一家はリンカーンに移る。エマは医者の診察を受け、悪性の腫瘍とわかった。パッツィーはエマをニューヨークにつれて行き、ニューヨーク見物をさせた。リンカーンにもどって病院に入るエマ。病状が悪化し、息子2人に別れを告げたエマは、間もなく死亡した。トミー、テディ、メラニーは祖母であるオーロラが育てることになった。

ニューヨークでも屈指の大銀行家アンドルース(ウォルター・コノリー)の一人娘エリー(クローデット・コルベール)は、頑固な父の承諾を得ずに飛行家キング・ウェストリー(ジェームスン・トーマス)と婚約したために、マイアミ港外で父のヨットに監禁される。辛抱できなくなった彼女は海に跳び込んで逃げ、キングのいるニューヨークへ向かうべく人目を忍んで夜間バスに乗る。バスの中でエリーは、失業中の新聞記者ピーター・ウォーン(クラーク・ゲーブル)と同席に。娘の失踪を心配したアンドルースは、1万ドルの懸賞金付きで行方を捜索させる。ピーターは新聞記事によってこのことを知ったが、1万ドルを手にしようともせず、彼女とのバス旅行を続けていく。途中、橋が洪水のために壊されて捜索の手は伸びてきたが、ピーターの機智によって、まんまと逃れることができた。こんなことから2人はいよいよ親しくなる。所持金を使い果たし、バス旅行も続けられなくなったので、今度は徒歩でニューヨーク行きを続ける。野宿をしたり野菜を盗み食いしたり、ヒッチハイクをしたりと苦楽をともにして遂にニューヨーク郊外まで来た2人は、バンガロー宿に頼んで泊めてもらう。そこで、エリーは父アレクサンダーが出した新聞広告を目にする。結婚を許可するから居場所を知らせよ、という内容だった。しかし今はピーターを恋しているエリーは、彼に自分の想いを打ち明ける。だがピーターは無一文では百万長者の娘に結婚を申し込む訳にゆかないと思い、エリーの眠るのを待ってひとり抜け出してニューヨークに急ぎ、2人のロマンチックな旅行記を以前いた新聞社に1000ドルで売り、急ぎ引き返す。しかし、夜中に目を覚ましたエリーはピーターに置きざりを食らったと思い違いして、父に連絡して迎えにきてもらう。2人はお互いの心を誤解したまま、別れてしまう。アンドルースは娘が無事に帰宅したことを喜び、ウェストリーとの結婚式を盛大に挙げる準備を進める。しかしエリーの心は平静ではなかった。娘の心中を知ったアンドルースはピーターの真意を聞き正し、結婚式の最中にエリーを自動車に乗せ、ピーターの元に走らせる。ウェストリーは10万ドルの慰謝料を貰って、喜んで結婚を解消。そして、ピーターとエリーは田舎の安宿で新婚の夜を迎え、カーテンで作った「ジェリコの壁」は取り払われるのだった。




愛は静けさの中に   1986年(アメリカ) ★★★★ アンデルセン 2000年(アメリカ)★★★
主演: ウィリアム・ハート  マーリー・マトリン
アカデミー主演女優賞受賞
主演:エドワード・アタートン、パトリック・ バーロウ、リンダ・ベリンガム 
あらすじ あらすじ
ジェームズ・リーズ(ウィリアム・ハート)は、片田舎の聾唖者の学校に赴任して来た。11年生の7名の生徒を受け持つことになったリーズは、彼らと対面した後、食堂でサラ・ノーマン(マーリー・マトリン)という若く美しい女性を見かける。校長(フィリップ・ボスコ)の説明によると、サラは5歳の時からここで学び、昔は優秀な生徒だったが、今は学校掃除係をしているという。彼女に興味を抱いたリーズは、自分の殼に閉じこもろうとするサラを根気強く説得していく。イタリアン・レストランで食事をした際、聞こえるはずのない音楽に合わせて踊るサラの姿を見たリーズは、かたくなに心を閉ざし続ける彼女をなんとか救いたいと、遠路はるばるサラの母(パイパー・ローリー)を訪ねる。そして、サラの姉の男友達とデートをするほどだった彼女が笑い者にされるなどして、心を閉ざしてしまったことを知る。その事実をサラにぶつけたリーズは、彼女から、かつて姉の作ったリストの順番に従って男友達に求められるまま体を与えたことをうち明けられた。思いもかけぬ告白に心みだされつつも、サラを愛していることを知ったリーズは、人目をしのんで1人プールで裸で泳ぐサラのもとにいき、愛を告白、プールに飛び込んだ。そして2人は、水深き沈黙の世界で、かたく抱き合うのだった。父兄会の席で、日頃の教育の成果を披露し、生徒達と手をとって喜ぶリーズ。そんな姿に嫉妬し興奮したサラは手に5針も縫うけがをしてしまう。校長に強く叱責されたリーズは、サラと一緒に暮らすことを決意する。サラと順調な同棲生活を続けていたある日、リーズは思わず彼女に自分の名前を呼んでくれるように語ってしまう。かなわずとも遠き願いである禁句の一言を発したリーズの目の前で、心なしかサラは悲しそうだった。ある日、パーティで、経済学者で数学の天才の女性聾唖者マリアン・レッサー(リンダ・ボブ)に出会ったサラは、自分が無能力であることを痛感し、自分を哀れんで一緒に暮らしていると興奮してリーズに言い放つと、泣きながら夜の街に飛び出していった。何日たっても母の許から戻ろうとしないサラを気にかけてリーズは、大学にいく資金を貯めるため美容院で働いていた彼女を窓越しに見ると、その場を立ち去った。家に帰り、リーズが来たことを母から聞いたサラは、卒業パーティで生徒達と別れの挨拶を交わすリーズの前に現われた。愛し合いながら離れ離れになった2人は自分のいたらなさを認め合い、永遠に手をとり合って生きることを、強く、それぞれの心に誓うのだった。
アンデルセンは貧しい靴職人の子として生まれたが親の仕事を継ぐのは嫌で、空想の物語を作る才能と女性に好かれる才能には恵まれていた。父が死ぬと叔母を頼ってコペンハーゲンに出るが、まもなく母も死んで仕送りもなくなる。しかし偶然知り合った裕福だが脚の不自由な娘イエッタに気に入られてその家に家族として迎えられ、劇場に連れていってもらうと歌姫に熱を上げる。イエッタの父親に宮廷にも案内され、王女からも気に入られる。物語作家として成功するが、歌姫に熱を上げつづけ、そのヨーロッパ巡業を追いかけて旅をする。イエッタは失意の末にひとりアメリカに渡航しようとする。歌姫が伴奏者との結婚を発表。失恋したアンデルセンにイエッタが船の火災で死んだという知らせが届く。












 赤と黒 1954年(フランス)★★★  足ながおじさん  1955年(アメリカ)  ★★★★
主演:ダニエル・ダリュー, ジェラール・フィリップ, アントネラ・ルアルディ  出演: フレッド・アステア, レスリー・キャロン
あらすじ あらすじ

大工の息子ではあったが大工仕事よりもラテン語の勉強に身を入れるジュリアン・ソレル(ジェラール・フィリップ)は、シェラン僧院長の推薦でヴェリエエルの町長ド・レナアル侯爵家の家庭教師となった。ド・レナアル夫人(ダニエル・ダリュー)はいつしかジュリアンに愛情を抱くようになったが、ジュリアンとの逢瀬が重なるにつれ次第に後悔し、子供が病気になったとき、夫人は自分の非行を天が罰したのではないかと考えるようになった。世間の口も次第にうるさくなって来たころ、ジュリアンは心を決めてかねての計画通り神学校に向けて出発した。ナポレオン戦争直後のフランスでは、僧侶になることが第一の出世道だったのである。しかし、神学校でも、ジュリアンは、平民に生れた者の持つ反逆の感情に悩まねばならなかった。ピラアル僧院長はジュリアンの才気を愛していたが、同時に彼の並ばずれて強い野心を心配していた。僧院長がド・ラ・モオル侯爵に招かれてパリに行くときジュリアンも同行してド・ラ・モオル侯爵の秘書となったが、ここでも上流社会からの侮蔑の目が彼に注がれた。ジュリアンはその復讐に、侯爵令嬢マティルド(アントネラ・ルアルディ)と通じ、侯爵令嬢をわがものとした優越感に酔った。二人の結婚を認めねばならなくなった侯爵は、ド・レナアル夫人にジュリアンの前歴を照会した。夫人は聴問僧に懺悔したと同じく、ジュリアンを非難し、自分との関係を暴露した返事をよこした。これを読んでジュリアンは激怒し、ヴェリエエルへ行って夫人をピストルで傷つけた。法廷に立ったジュリアンはあらゆる弁護を拒絶した。彼はこの犯行が貴族への復讐心から出たものではなく、彼女への恋から発していることを悟った。獄舎に訪れて心から許しを乞う夫人との抱擁に満足しつつ、ジュリアンは絞首台の人となった。

ニューヨークの百万長者ペンドルトン3世(フレッド・アステア)は、フランスの孤児院で見つけた18歳の娘ジュリー(レスリー・キャロン)の才気と明朗さに感服し、自分の本名は明かさず、ジョン・スミスという仮名で、彼女をアメリカの大学で勉学させることにする。ジュリーはスミス本人の顔を知らず、ただ孤児たちが脚の長い人影を見たと言うのを頼りに、スミスを「足ながおじさん」と呼ぶ。大学の寄宿舎に入ったジュリーは、約束によって「足ながおじさん」宛に真心をこめた手紙を書きつづけるが、当のペンドルトンは読もうともせず、秘書がそれを読んでジュリーの真情に心を打たれ、手紙は保管されていく。その間、彼女の「足ながおじさん」への憧れは次第に深くなる。一方秘書のすすめでジュリーの手紙を読んだペンドルトンは、彼女の学友リンダ(テリー・ムーア)の伯父として大学を訪れ、かって孤児院で見たときより見違えるほど美しく成長したジュリーの様子に驚く。その後ペンドルトンはジュリーをニューヨークに招き、一流のホテルに泊らせて見物させる。ジュリーはニューヨークの素晴らしさにも増して、ペンドルトンの魅力に惹きつけられる。彼の方もジュリーが好きになり求婚しようとするが、友人に年甲斐もないと意見されて思いとどまる。やがて大学を卒業することになったジュリーは、ペンドルトンのことが忘れられず、保護者である「足ながおじさん」に会って悩みを打ち明けたいと手紙を書き、ニューヨークの彼の邸で会見することになる。ジュリーはここに初めてペンドルトンとスミスが同一人であることを知り、ふたりは結ばれるのだった。




 アイアン・ホース1924年(アメリカ)  ★★★★  アンナ・クリスティ  1930年(アメリカ) ★★★★ 
監督: ジョン・フォード. 出演: ウィンストン・ミラー, ペギー・カートライト  出演:グレタ・ガルボ, チャールス・ビックフォード, ジョージ・F・マリオン
あらすじ あらすじ

合衆国中興の大業を全うした大統領リンカーンは南北戦争によって南北融合を計る と共に大陸横断鉄道を敷設して東西を近接せしめんとした。インディアンに父を殺されたデーヴィー・ブランドンは鉄道事業に身をささげた。そうして子供時代に幼い恋を語った ミリアム・マーシュと邂逅し青春の血を燃やすのであった。その恋は烈日にもとろけず寒風にも凍えなかった。インディアンの襲撃もまた彼らの恋と事業とを防げ得なかった。シウー族やシャイアン族等の猛撃を受けたときは、銃架が熱して握られぬくらいになるまで闘った。広野の冬は寒く冷たく、砂漠の夏は灼熱の地獄であった。けれども彼らの不屈の精神は1862年7月1日リンカーンが鉄道律に署名して以来、日一日、歩一歩と完成に近づき遂に1869年5月10日にユタ州プロモントリー・ポイントにおいてユニオン・パシフィック鉄道とセントラル・パシフィック鉄道との機関車とが向かいあった。かくて両鉄道は結婚し東と西は一つになった。




貧弱な石炭船の船長クリスは、1度別れた素性の卑しい女マーシーが戻って来たのを喜んでいると、幼時からミネソタの農園に預けておいた娘アンナ(グレタ・ガルボ)が成人して、はるばるニューヨークに彼を訪ねてくるという手紙に接して、清純な娘の心が汚れるのを恐れ、マーシーとは再び別れることにした。クリスが席を外した所へアンナが来て強い酒をあおりながらマーシーに身の上話をする。母親に死なれてから、従姉妹にひどい目に会い、親類の家を飛び出して、職業婦人となったが、世の誘惑と冷酷さに次第に堕落して娼婦にまでなり下がり、病魔に冒され、しばらく父親のもとで養生するつもりであると話す。それを聞くマーシーは娘を船乗りなどに嫁がせず堅気な農家の女房にしようと夢見ているクリスを思ってとめどなく笑う。クリスはアンナを船に乗せて航海した。ある嵐の夜、彼等は難破船からマットという若者を救い上げる。この若者の男らしさは荒んだアンナの心に愛を感ぜしめた。2人は相愛の仲になる。しかしアンナは自分の秘められた過去を思い、純情なマットを欺くに忍びず非常に煩悶する。アンナの心持ちを知らぬ父親は、娘を船乗りなどには嫁がせぬと頑強に反対する。マットは是非にと主張する。あまりに彼女の意思を無視した争いに、アンナは遂にたまりかね憤怒の末に、私の語る言葉で2人の気持ちは変わるでしょうと言って彼女の前生涯を告白する。思いがけぬ告白にマットは彼女の面を見るのも不愉快だ、いっそ世界の果てへ行ってしまいたいと捨てゼリフを残して去る。しかししばらくして再び戻って来た彼は、アンナに真実に愛したのは俺だけだと言ったのは本当か、と尋ねる。彼女はそれを神に誓って明言する。マットはたちまち打ち解けて過去のことは水に流そうと言う。こうして完全に理解し合った2人の愛は固く結ばれた。




ああ結婚  1964年(アメリカ) ★★★★  愛されるためにここにいる 2005年(フランス) ★★★★ 
出演: ソフィア・ローレン. マルチェロ・マストロヤンニ  出演:パトリック・シェネ、アンヌ・コンシニ
あらすじ あらすじ

ドメニコ(マルチェロ・マストロヤンニ)が若い妻を迎えることに上機嫌になっているところ、彼の内妻フィルメーナ(ソフィア・ローレン)が急病で入院したと知らせをうけた。後悔と良心の苛責の中で彼女との思い出をたぐりはじめた。--フィルメーナはナポリのスラムで無知と極貧のなかに育った。そして戦時中商売女というおきまりのコースを辿った。初めての男がドメニコだった。戦争は終った。闇商売で儲けたドメニコがフィルメーナと再会した。そして2人の関係は続いた。フィルメーナはドメニコと結婚することが最大の願いだったが、彼の方は結婚だけはどうしても承知しなかった。ドメニコはフィルメーナを自分の家に連れていったことはあったが、部屋は女中部屋だった。20年の歳月が流れた。フィルメーナの臨終の床にきたドメニコは、もうすぐ死ぬのだからと思って、結婚式をあげた。ところが彼女は奇跡的に助かってしまった。また彼女には田舎に3人の息子をあずけてあった。その1人が自分の子だと知ったドメニコは、誰がそうなのか知りたがった。そのうち、本当に愛し合っていることを知った2人は、3人の息子の前で改めて結婚式をあげた。

50歳を過ぎたジャン=クロード(パトリック・シェネ)は、父親から継いだ、人情を殺して裁判所の決定を伝える執行官の仕事を長年続け、心身ともに疲れている。彼のオフィスの窓からはタンゴ教室の様子が見え、タンゴのメロディが聞こえてくる。毎週末に彼は老人ホームにいる高齢の父(ジョルジュ・ウィルソン)を訪ねている。しかし気難しい父親からはいつも文句ばかり聞かされている。ある日、医師から何か運動を、と勧められたジャン=クロードは思い切ってタンゴ教室に入ってみた。そこには、数週間後に控えた自身の結婚式でタンゴを踊るためにレッスンを受けに来たフランソワーズ(アンヌ・コンシニ)がいた。偶然ジャン=クロードの車で送ってもらったフランソワーズは、車の中の忘れ物を受取りに彼の家に行く。タンゴのステップをうまく踏めないジャン=クロードは、彼女にレッスンしてもらう。頬と頬が触れ合う程そばで踊るうちに、お互いの気持ちが高揚するのを感じる二人。ある夜タンゴのステージを観た帰り、お別れのキスから抑えられない熱いキスを交わすのだった。しかし偶然から、ジャン=クローズは彼女の結婚のことを知る。彼女は彼に何も話していなかった。事実を知ったジャン=クロードは彼女の説明も聞かず去る。数日後フランソワーズは、ジャン=クロードのオフィスを訪れ、結婚することを黙っていたことを詫びた。自分はマリッジ・ブルーなのだと説明し、友達でいようと言うも、ジャン=クロードは彼女を冷たく拒絶。各々に空しい日々を過ごす二人。ジャン=クロードは、ある日、秘書の女性(アンヌ・ブノワ)から、彼女が言ったことは本心ではないと助言され、驚くのだった……。




甘い生活 1960年(イタリア) ★★★  アルマゲドン  1998年(アメリカ)  ★★★ 
監督 フェデリコ・フェリーニ  出演 マルチェロ・マストロヤンニ  出演:ブルース・ウィリス  ビリー・ボブ・ソーントン
あらすじ あらすじ
作家志望の夢を抱いてローマに出た青年マルチェロ・ルビーニ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、今は社交界ゴシップ専門のトップ屋となった。憧れた都は退廃と無気力以外の何ものでもなかった。カトリックもキリストの像をヘリコプターで運ぶなど、華やかな示威をした。豪華なナイトクラブでは、ローマの大富豪の娘マッダレーナ(アヌーク・エーメ)にめぐり会った。場末の夜の女の宿でマルチェロと一夜をすごすことも、彼女にとってはほんの気まぐれだった。郊外のわびしい家に帰った時、マルチェロは同棲中の愛人エンマが服毒して苦しんでいるのを見た。しかし悔いる気持も永くは続かなかった。彼はハリウッドのグラマー女優(アニタ・エクバーグ)を迎えると、野外で狂乱の宵を過し、名所トレーヴィの泉で戯れた。ローマ地方の郊外で奇蹟が起きた。再び聖母出現の日の聖地はテレビ・カメラに包囲され、奇蹟にあやかろうと横たわる病人の上に豪雨が降りそそいだ。日頃マルチェロのため悩みの絶えぬエンマは熱狂して信じた。二人は友人スタイナー(アラン・キュニー)の家を訪れ、調和と安らぎに満ちたその生活を羨んだ。或る夜、豪壮な館のパーティーに出たマルチェロは、虚脱したように歓楽をむさぼる貴族たちの仲間入りをした。スタイナーは死んだ。子供を連れた無理心中だった。平和に見えた一家のこの悲劇の深さはマルチェロの残った夢をすべて消した。その場限りの快楽の他に今の彼は何を望んだろう。やがて海に近い別荘でこの世のものとも思えぬ乱痴気騒ぎの狂宴がくりひろげられた。マルチェロは自ら狂乱の中に没入した。夜明け方、人々は快楽に疲れ果てた体をひきずって海辺に出た。波打ち際に打ち上げられた怪魚は、腐敗し悪臭を放ち、彼らの姿そのものだった。彼方から顔みしりの少女ヴァレリアが何か叫んでいる。その声は波に消されて彼の耳には入らない。真実の生命の清純さに溢れる少女に背を向けて、マルチェロは砂浜を別荘の方へと戻って行った。 テキサス州に匹敵する大きさを持つ巨大なアステロイド(小惑星)が地球に接近、ニューヨークが無数の隕石群に包まれた。計算の結果、18日後には地球に衝突することが発覚。人類滅亡を回避すべく、NASA 総指揮官トルーマン(ビリー・ボブ・ソーントン)は、小惑星の表面に穴を開け、地中で核爆弾を爆発させれば軌道
を変えることができるという案を聞き、石油採掘のプロ、ハリー(ブルース・ウィリス)に惑星上での掘削を依頼する。ハリーは長年共に仕事をしてきたチック(ウィル・パットン)、ロックハウンド(スティーヴ・ブシェーミ)、ハリーの娘のグレース(リヴ・タイラー)の恋人のA.J.(ベン・アフレック)らを呼びよせる。彼らは厳しい訓練のあと、二機のシャトルに乗り込み惑星に向かうが、A.J.の乗った「インディペンデンス号」は着陸に失敗。ハリーたちは単独で掘削作業に取り掛かるが、作業は困難の極みだった。だが、死んだと思っていたA.J.たちが掘削機に乗って駆けつけ、ハリーと共に掘削を成功させる。喜びもつかの間、誰かが核を手動で爆発させなければならないことがわかる。クジで当たったA.J.が残ることに決まったが、ハリーはA.J.を無理矢理シャトルに乗せ、「お前は自慢の娘婿だ」と言い残して掘削現場に戻り、核のボタンを押す。自らを犠牲にしたハリーの行為により、惑星は軌道を反れ、地球は救われるのだった。







 アメリ 2001年(フランス)  ★★★  愛と喝采の日々  1977年(アメリカ) ★★★ 
監督 ジャン・ピエール・ジュネ 出演 オドレイ・トトゥ マチュー・カソヴィッツ  出演:アン・バンクロフト シャーリー・マクレーン
あらすじ あらすじ
少女の頃から空想の世界で遊ぶのが好きだった22歳のアメリ(オドレイ・トトゥ)。古いアパートで一人暮らししながらモンマルトルのカフェで働く彼女は、他人を少しだけ幸せにするお節介を焼くのが楽しみ。そんなある日、遊園地のお化け屋敷とセックスショップで働く不思議な青年ニノ(マチュー・カソヴィッツ)に出会う。彼の、スピード写真のブース周辺に捨てられた写真をストックしたアルバムを拾ったアメリは、悪戯を仕掛けようとするうち、ニノに恋してしまう。しかし内気なアメリは恋に真正面から向き合うことができず、かくれんぼのような駆け引きが続くのだが、やがて素直になり、ニノの腕の中に飛び込んで自分の幸せを見つけるのだった。



オクラホマ・シティ。ウェイン・ロジャース(トム・スケリット)と妻のディーディー(シャーリー・マクレーン)との間には長女エミリア(レスリー・ブラウン)、長男イーサン、二女ジャニナがある。この2人は元アメリカン・バレエ団のダンサーであったが、ディーディーがウェインとの恋愛中に妊娠したために正式に結婚し、バレエ団から身を退いたのだった。エミリアは容姿も美しく、父母の血をひき、バレリーナになる才能を充分に具えていた。オクラホマ・シティにアメリカン・バレエ団が2日間の公演を行なうためにやってくることになった。アデレイド(マーサ・スコット)をオーナーとするこのバレエ団の1人エマ(アン・バンクロフト)はディーディーの親友であり、ディーディーがプリマ・バレリーナをやめたのはエマに勧められてエミリアを生んだからであった。エマはディーディーに代って舞台でアンナ・カレーニナの役をやり、プリマ・バレリーナの地位にのぼることができたのだった。ロジャース一家は、この公演をこぞって見に行き、ディーディーは久方ぶりのエマの舞台姿に感激するが、内心には複雑な思いが交錯していた。エミリアがエマに勧められ、ニューヨークに滞在するアメリカン・バレエ団に入ったのはそれから間もなくであった。夏のシーズンを控え、エミリアは「ジゼル」で初舞台を踏むことになった。そして団員の1人で、ソ連生まれのユリを知り、愛するようになるが、キャロリンというバレリーナといい仲になったということを知り、失望する。エマはそんなエミリアをやさしく慰め、だんだんと2人の仲は深まっていく。やがてバレエ団が4年毎に行なうギャラ公演の日が近づく。エマはこれに出演するエミリアに衣裳を贈るが、このことでエミリアとディーディーの間に微妙な亀裂ができてしまう。ディーディーはエミリアをエマにとられたくない気持でいっぱいだったのだ。そして、第25回ギャラ公演でエマは「アンナ・カレーニナ」に、エミリアは「ボーテックス」に出演し喝采を浴びた。公演が終り、ホテルのバーでディーディーがエマに会った時、2人が互いに抱いていたライバル意識があからさまに爆発する。ディーディーは、エマが20年前、自分とウェインを結びつけることにより「アンナ・カレーニナ」に出演できたのだと言い、それに対してエマは自分の方がまさっていたからだと答え、ついには、ハンドバッグでの殴り合いがはじまるが、それもやがては笑いに代わる。一方、エミリアは念願のユリとの共演が大成功に終り、ユリも気持もとりもどし、プリマ・バレリーナとなる第一歩を踏み出すのだった。



  ある日どこかで  1980年(アメリカ) ★★★  アラスカ魂  1960年(アメリカ)★★★ 
出演:クリストファー・リーヴ  ジェーン・シーモア     出演:ジョン・ウェイン スチュワート・グレンジャー
あらすじ あらすじ
1972年。劇作家を志すミルフォード大学の学生リチャード(クリストファー・リーヴ)の処女作が初演され大成功をおさめた後のパーティで、彼は見知らぬ老婦人から声をかけられた。彼女はリチャードに美しい金時計を渡し「私のところへ戻って来て」と告げるとその場を去り、大学から近いグランド・ホテルに帰って行った。それから8年の歳月が流れ、劇作家として名を成したリチャードはスランプに陥っており、気ばらしにあてのない旅に出た。いつの間にか懐しいミルフォードに来ていた彼は、グランド・ホテルに宿をとった。アーサー(ビル・アーウィン)という年老いたボーイの案内で部屋に落ちついた彼はホテルの史料展示室を見物し、そこで1枚の美しい女性のポートレートに目を奪われる。アーサーからその女性がエリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)という当時の人気女優であることを聞き出したリチャードは、町の図書館で彼女についての記録を見つけ、彼女が8年前の老婦人であることを確認する。エリーズの秘書ローラ(テレサ・ライト)を訪れたリチャードは、ローラから金時計がエリーズの宝物であったこと、8年前に彼女が亡くなったことなどを聞く。ローラの保存する遺品の中から「タイム・トラベル」という時間次元を超越する超心理学の本を見つけたリチャードは、その本の著者を訪ね、タイム・トラベルの可能性を聞き出した。ホテルの部屋で、いっさいの状況を今世紀初頭に変えたリチャードは服装も当時のものを着こみ、1912年に入りこもうと自分に暗示をかけた。数度の試みの末、やっとタイム・トラベルに成功した彼は、1912年の過去で目を覚ます。そして、ロビーで幼いアーサーを見かけ、ホテルに滞在している筈の劇団を訪ね、エリーズを探した。やがて湖畔でエリーズと出会ったリチャードは、彼女の美しさに目を奪われるが、彼女の方もリチャードの出現に何故か驚きの表情を見せるのだった。しかし、2人が接近しようとした時、エリーズのマネージャーのロビンソン(クリストファー・プラマー)が現われ、無理矢理エリーズを連れ去る。同じ午後、エリーズを散歩に誘うことに成功したリチャードは、打ちとけて会話するのだった。そして初めてのキス。出会った瞬間からリチャードが自分にとって大切な男性であると直感したというエリーズは、後の再会を約束して舞台へと戻っていった。2人の接近に不安を感じたロビンソンは、舞台を観にきていたリチャードを呼びだし、軟禁する。彼が自由の身になったのは公演を終え劇団がホテルを去った後だったが、うなだれる彼の前に、劇団と別れホテルに残っていたエリーズが現われる。2人は固く抱き合い永遠の愛を誓った。しかし、結婚の約束をかわした直後、彼が背広にあったコインを取り出した時、全てが終りを告げた。コインに刻まれた1972年という文字を見た瞬間、リチャードは残酷にも現在に引き戻された。過去に戻ろうと必死になるリチャード。何日かたち、アーサーが部屋をこじあけると、衰弱しきったリチャードの姿があった。しかし、瀕死の彼の顔にはかすかな笑みが浮かび、あたかも再びエリーズと結ばれるかのようだった。
1900年、ゴールド・ラッシュのアラスカ--シアトルからきたサム(ジョン・ウェイン)と相棒ジョージ(スチュワート・グレンジャー)とその弟ビリー(フェビアン)の3人は金鉱を堀あてた。そこでサムはシアトルに採鉱機を買いに出かけ、帰りにジョージの婚約者ジェニーを連れてくることにし、ジョージは小舎を建てて待つことになった。サムはフランキー(アーニー・コバックス)の詐欺をみつけ、彼を殴った。シアトルに着いたサムはジェニーを訪ねた。彼女は結婚していた。かわりに彼はカフェで仲良くなった美人ミシェール(キャプシーヌ)を代人に仕立てることにした。彼に好意を持った彼女は、企みとはしらずにアラスカ行きを承諾した。船が出発してから真相を知ったミシェールはそのまま目的地までやってきた。そこで昔、関係のあったフランキーに2人でサムの金鉱を横取りしようといったが断られた。サムと彼女が戻るとジョージはアニーの金鉱へ行って留守だった。アニーは悪漢ダガンに人質にされていた。サムはジョージと協力してアニーを救出した。ジョージは婚約者がこないのでがっかりした。代りにいかがわしい女を連れてきたとサムをせめた。ミシェールは真相を話して、ジョージの誤解をとこうとした。ジョージはようやく納得した。茶目っ気を起した彼はミシェールと仲の良いふりをしてサムにみせつけた。嫉妬したサムはジョージを殴り、荷物をまとめて土地を去ろうとした。その時、兵隊がきて他に採掘権を主張する者がいるからと、サムたちの金鉱を差し押えるといった。怒ったサムは暴れて逮捕された。翌日、政府代理の事務官のところに出頭し、サムはダガンやフランキーの悪企みだと気がついた。ジョージやビリーと協力して一味のボッグスを捕らえ、事務官のところに連行しようとした。これを妨害するフランキーとダガン、サムたちは敢然と闘った。凱歌はサム側に上った。ミシェールと結ばれるのは近かった。






  アラモ  1960年(アメリカ) ★★★  アカプルコの海  1964年(アメリカ) ★★★ 
監督 ジョン・ウェイン 出演 ジョン・ウェイン リチャード・ウィドマーク     出演:エルヴィス・プレスリー ウルスラ・アンドレス
あらすじ あらすじ
1836年、当時メキシコ領のテキサスの原野に、各国から多くの移民が入植していた。メキシコの独裁者サンタ・アナが土地没収と、重税を課す宣言をした。テキサス人は独立運動を起こし、サム・ヒューストン(リチャード・ブーン)が指揮者に選ばれた。サンタ・アナは討伐軍を派遣した。義勇軍はまだ組織が完全でなく、敵軍をサン・アントニオでくいとめ、時間をかせぐ必要があった。ヒューストン将軍はジェイムズ・ボウイ(リチャード・ウィドマーク)と大佐に任じ、サン・アントニオ近郊のアラモ砦の陣地構築を命じた。が、彼は酒びたりで仕事がはかどらず、将軍は後任に若い弁護士出身のトラヴィス大佐「ローレンス・ハーヴェイ」を送り、自分は義勇軍を募るため北方に出発した。厳格で貴族的なトラヴィスと、大地主で親分肌のボウイはことごとに対立した。テキサスの危機を聞いたデヴィ・クロケット(ジョン・ウェイン)は同士とともにサン・アントニオにやってきた。その夜、クロケットはメキシコの美女フラカ(リンダ・クリスタル)の難を救い、町の教会に武器弾薬が隠されていることを聞いた。彼は偶然知り合ったボウイと協力してこれを分捕った。クロケットとフラカは恋仲になった。砦の戦略的価値についてボウイとトラヴィスの意見が対立し、クロケットが仲に入ってまとめた。砦の完成前に、、サンタ・アナの軍隊がサン・アントニオに到着し、無条件降伏を要求した。トラヴィスは拒絶した。メキシコ軍は巨砲をもって砲撃を開始した。その夜、クロケットとボウイは決死隊を率いて巨砲破壊に成功した。サンタ・アナの主力軍が到着した。砦内の婦女子の立退きを勧告してきた。砦の男たちは感慨無量の面持で、退去する人々を見送った。ただディッキンスン大尉夫人だけは残留した。メキシコ軍の攻撃、砦の兵士の敢闘と、戦況は一進一退を続けた。ある晩、ボウイのところに愛妻が死んだ知らせがきた。トラヴィスは軍規違反と手紙をとりあげたが、真相を知って彼に詫びた。ボンハム大尉が援軍500がメキシコ軍に撃退されたという悲報をもたらした。ヒューストン将軍の義勇軍もだこない。ボウイやクロケットは砦で討死にするのに反対した。が、トラヴィスの死守の決意にうたれ、180名の兵士は砦を守ることになった。7000のメキシコ軍は物量を頼み、総攻撃を開始した。砦の兵士は次々に倒れ、トラヴィス、クロケット、ボウイの獅子奮尽の甲斐もなく、それぞれ凄烈な戦死を遂げた。3月6日--アラモ守備軍は全滅した。ただ1人ディッキンスン夫人が生き残った。サンタ・アナは夫人にロバを与え、砦の外に送りだした。守備隊の勇猛果敢な活躍は、夫人の口から人々に伝えられた…。
マイク(エルヴィス・プレスリー)はヨットの水夫。アカプルコに上陸、酒場に行った。飛び入りで歌い、喝采を博したまでは良かったが、船主の娘が酒場について来たため、船主に解雇された。ある少年がマネージャーになることを条件に、彼に歌の仕事をもちかけた。あるホテルで歌うようになり、そこの社交係マーガリタ(アーシュラ・アンドレス)に思いを寄せるようになった。彼女はヨーロッパの貴族で父親のマキシミリアン太公(ポール・ルーカス)とメキシコに亡命していたのだ。太公もコック長を勤めながら米国に入国する機会を待っていた。若い2人の親しい仲に救命係のモレノは嫉妬し、マーガリタに会って気持ちを確かめようとしたマイクとけんか、腕をくじかせた。そのため、モレノは断崖から飛び込みの技を見せることになっていたのに出場不可能になったため、マイクが代役をつとめることになった。実は彼、数年前サーカスにいた頃、兄を誤って墜落死させ、以来高所恐怖症になっていた。このダイビングに成功すれば、その恐怖を拭い去ることができる。万雷の拍手が観客から起こった。その中にマーガリタもいて、海から上って来たマイクを迎え、2人は固く抱き合った










  アンナ・カレーニナ  1998年(フランス) ★★★★  愛しすぎて 詩人の妻 1994年(イギリス) ★★★ 
出演:ソフィー・マルソー ショーン・ビーン アルフレッド・モリーナ   出演:ウィレム・デフォー ミランダ・リチャードソン ローズマリー・ハリス 
あらすじ あらすじ
1880年、モスクワ。レヴィン(アルフレッド・モリーナ)は令嬢キティ(ミ ア・カーシュナー)に求婚。キティは若き軍人、ヴロンスキー伯爵(ショーン・ビーン)に夢中だったが、彼はロシア高官カレーニン夫人のアンナ・カレーニナ(ソフイー・マルソー)に一目惚れ。一度はヴロンスキーの愛を拒否したアンナだったが、やがて自らも情熱的な恋のとりこになった。ふたりの仲は社交界の噂となり、カレーニン(ジェームズ・フォックス)の知るところに。一方、再会したキティとレヴィンは結婚。アンナは夫を捨てヴロンスキーの元に走るが、8歳の息子セリョージャのことを忘れられない。カレーニンはアンナとの離婚を拒否。ヴロンスキーとの間にできた子供も流産してしまったアンナは、次第に追いつめられていくのだった。 1914年、イギリスはオックスフォード、マートンカレッジ。上流階級出身で社交界の花形令嬢、ヴィヴィアン・ヘイウッド(ミランダ・リチャードソン)は、弟モーリス(ティム・ダットン)を伴って会った、ハーヴァード出のアメリカ人文学青年トム・エリオット(ウィレム・デフォー)と恋におち、結婚する。しかし、ヴィヴが病気に悩まされ、服用する薬の副作用のため時にヒステリックな行動に出るようになって、二人の生活は新婚まもなくで不安定なものとなる。ヴィヴの両親チャールズ(フィリップ・ロック)とローズ(ローズマリー・ハリス)はトムの稼ぎの少なさに加え、彼の恩師が反戦思想で世間に糾弾されるバートランド・ラッセル教授(ニコラス・グレイス)であることに不安を抱くが、トムのヴィヴへの愛を認めて家族として彼を受け入れる。二人はラッセル家の屋根裏を間借りして苦しい生活をはじめ、ヴィヴの励ましと助けもあってトムは文壇で認められていく。しかし反面、ヴィヴはトムの友人となったスノッブな連中が気に入らず、トムはそんな彼女の不作法な振る舞いを耐えていたが、やがて教会へと傾倒していき、それがヴィヴの孤独感を深めた。まもなくトムは詩集『荒地』を出版し、一躍名声を得るが、その陰にヴィヴの助言があったことを知るものはなかった。トムの文壇の友人、ヴァージニア・ウルフ(ジョアンナ・マッカラム)はヴィヴについて忠告をするが、トムは妻をかばった。トムは編集者として出版社に勤めはじめ、ロンドンに快適な住居も得たが、ヴィヴの精神状態は徐々に悪化し、魂の救いを求めてトムは英国国教会に入信、さらにイギリスに帰化したが、それはヴィヴの孤立感を深めるだけだった。疲れ果てたトムはついにヴィヴを精神病院に入院させることを決心し、モーリスとローズの立ちあいのもと、医師にヴィヴを診てもらった結果、彼女はその数日後、病院に収容された。10年後。モーリスは久しぶりにヴィヴを見舞う。薬の服用をやめたことで健康を取り戻していたヴィヴには、驚いたことに母ローズの死後、訪問客が誰もおらず、トムからも10年近く音沙汰がなかった。しかし、ヴィヴはモーリスに、トムをそれでも愛していると語るのだった。1947年、11年の入院生活後、ヴィヴィアン・ヘイウッド死去。T・S・エリオットは、その翌48年、ノーベル文学賞を受賞した。




 
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